自律神経失調症を改善できる体操・メソッドとは?
- 2014/11/14
- 06:00

チンパン ブリージングストレッチを分かりやすく紹介するため、日々猿知恵を絞っている。

杏子(あんこ)
チンパンの問答相手。
「不眠で悩んでいます。お医者さんからは、自律神経失調症と言われていますが、全然よくなりません。
効果のあるブリージングメソッドがあったら、教えてください。
夜が怖い」
「今週は、諸事情で金曜日朝6時の更新で~す!次回から日曜8時の更新に戻ります。
ところで自律神経失調症って、交感神経と副交感神経のバランスが崩れちゃった状態だよね。
交感神経がアクセルなら、副交感神経はブレーキ。どちらかが過剰になると、身体に色んな不調が出ちゃう」
「そのとおり。交感神経過剰だと、やたら汗が出たり、心臓がバクバクしたりする。不眠もしかり。血圧が高くなる場合もある」
「チンパン君も、職場の健康診断で、『血圧が高い』って言われたんだよね。交感神経過剰なのかな?」
「可能性はあるね。血液自体はすごくキレイだったから。
休みの日にダラダラ長時間寝たあとに、血圧を測ると、何もしていないのに正常値以下に下がっている」
「副交感神経が優勢になったからかも。高血圧は寝て治そう(笑)?」
「副交感神経過剰だと、だるくて何もする氣にならないなどの、うつ状態に陥りやすい」
「原因がはっきり分からない身体の不調・神経症は、たいてい自律神経失調症って診断される場合が多いみたいだね」
「矢崎葉子というライターは、長年不眠に悩んだという。
不規則なフリーライター生活を続けるうちに、睡眠のバランスが崩れたのがキッカケ。
『不眠な人々』(絶版)という体験記に、眠れるための苦闘が書かれている。あらゆる民間療法なども試したけどダメ。
大げさでなく『ぐっすり眠れたら、死んでもいい』とまで思いつめたそうである」
「寝なくちゃ!って思うほど、余計目が冴えて、眠れなくなっちゃうんだよね。文字通り、交感神経優先型だよ」
「矢崎葉子は、心療内科の医者からも、『そういう真面目すぎる考え方が自体が、不眠の原因になっている』とアドバイスされた。
その医者からは、自律訓練法(じりつくんれんほう)を薦められたそうだ」
「自律訓練法って、ブリージングでも取り入れている、イメージングそのものじゃん?
言葉の誘導で、変性意識(へんせいいしき)=催眠状態に入っていくメソッドだよね。
他人に催眠をかけてもらうのではなく、自分の言葉でまどろみの状態に入るから『自律』訓練法。
長椅子に腰かけたり、あおむけに寝た姿勢で、『手が重たい~』とか、自分で内言するんだよね」
「自律訓練法は、ドイツのシュルツ博士という学者が、ヨガの瞑想を研究して創ったメソッド。
リラックスすることで、自律神経のバランスがよくなり、病氣が治っていく」
「病氣とは、『緊張が抜けない』状態のことだもんね。だから治す鍵は『リラックス』だよね。
矢崎葉子さんの不眠症は、自律訓練法で治ったの?」
「矢崎葉子には、とても効いたという。だんだんと『氣楽に』ベッドに入れるようになり、薬とも縁が切れたという」
「すごいね~。自律訓練法って、誰にでも効くの?」
「もちろん、合わないタイプもいる。いわゆる頑張り屋は、自律訓練法にも、つい頑張って取り組んでしまう。
そうすると、なかなか変性意識に入りづらい」
「だって頑張るって、リラックスと正反対だもんね(笑)」
「効果を焦る人も向きにくい面がある。自律訓練法の欠点は、上達するのに時間がかかること。
いきなり『手が重た~い、あたたか~い』と言っても、センスのいい人以外は、なかなかその変化を実感しづらい。
だからせっかちな人は、『ぜんぜん効かない』とやめてしまうケースが多い」
「モノゴトをやめる秘訣は、『中途で評価する』ことだもんね」
「しかし、体操した直後だったら、誰でも普段より手が脱力して重たくなっている。
血行もよくなっているから、手足もあたたかい。
そこですかさずその変化を内言してあげれば、脳は『本当だ』と実感する」
「つまり、脳が自分の言葉を信頼し始めるってことか。<自己信頼>が高まっちゃうよね」
「だから体操とセットでやると、自律訓練法も上達しやすい。
自律訓練法は、言葉を技にするメソッドとも言える。自分の言葉を確信できている人は強い。
普通の人ならへこたれてしまうようなピンチも乗り越えていけるし、願いもかないやすくなる」
「実は古久澤先生も、19歳のときに自律神経失調症にかかったことがあるんだよね。
当時は、武道の稽古やウエイトトレーニングを、毎日何時間もやっていた。
そしたら、ある日突然、何をする氣力も起きない、うつ状態になっちゃった。いまの先生からは、想像できないけど」
「医者にかかっても、『体力の限界を超えたトレーニングをやりすぎたせいでしょう』と、休養を命じられるだけで、全然治らない。
ついに古久澤先生は、『他人を当てにしないで、自分で治そう。それでダメだったら仕方がない』と覚悟された。
そのときに選んだのが、自律訓練法だった」
「自律訓練法は、古久澤先生との相性がよく、一生治らないかも?とさえ思えた、無氣力状態から立ち直れたんだよね。
陰陽論的に言えば、陽性過多=激しい肉体トレーニングばっかりだから、病氣になっちゃったってこと。
そこに自律訓練法という、陰性の方法を取り入れたから、陰陽調和して、自律神経失調法から回復できたってことだね」
「そうした先生ご自身の経験もあって、自律訓練法はブリージングの重要なメソッドとして位置付けられた。
ブリージングストレッチは、東洋系のメソッドが主流なのに、西洋系の自律訓練法を捨てていないのは、それだけ重要だということ。
古久澤先生は、昔は空手を指導されていたが、稽古の最後はイメージング=自立訓練法で締めくくっていたそうだ」
「なぜに、空手に自律訓練法?」
「もちろん、空手の組手に強くなるため。
極真カラテの初代全日本チャンピオン・山崎照朝(やまざき てるとも)の自伝『無心の心』(絶版)からヒントを得たとのこと。
山崎は毎日鏡の前で『前羽の構え』という構えを、30~40分ほど行ったという。もちろん実際の攻防をイメージしながら。汗が出るほどきつかったけど、毎日続けた。
すると、実際の組手でも、動じることなく技が出せるようになった。普段稽古した実力が出せない最大の原因は、緊張して落ち着けなくなること。
そこを克服した山崎は、文字通り『無心』で全日本を制した。
山崎の組手は、いまでもネットで見られるけど、本当に華麗。
両手で円をつくって長時間じっと立つ、氣功の立禅(りつぜん)も、もともと中国拳法の稽古法で、同じような効果がある。

古久澤先生は弟子たちにも、数十分、同じファイティングポーズを取らせたという」
「結果は大成功?」
「きつすぎて、弟子には不評だったとのこと。
山崎の稽古法はすごくいいけれど、いきなりやらせるには、ハイレベル過ぎた。
そこへ至るまでのステップが必要だとわかって、その後も研究を重ねたとのこと」
「何でも無駄にならないんだね。
そういえば、手で印を組むことを毎日やっているだけでも、イザというときに、その印を組むと落ち着けるって言うよね。
立禅と同じ原理だよね」
古久澤先生のメルマガとブログは、健康法にも、武道・スポーツにも役立つ知恵がいっぱい!
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「自律訓練法がとっつきにくいのであれば、スワイショウを薦める。
いわば動く瞑想なので、自律訓練法と同じような効果がある。

(現在は、手を振る高さは鳩尾の位置までに統一されました)
毎日40分続ければ、自律神経も整っていくであろう」
「人間の脳は三層構造。一番上層が、『考える脳』=大脳新皮質。
現代人は、ここばっかり使っているから、生命力が衰えちゃうんだよね。
考える脳=大脳は、単純な繰り返しに弱いから、10分もスワイショウをやっていると、さぼり始めちゃうんだよね」
「すると、その下側にある脳が優勢になる。
脳の中間層は、『感じる脳』=大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)。古久澤先生の師・伊藤昇先生は、『感じる力』を一番重視されていた。
この『感じる脳』も、30分もスワイショウをやっていると、働かなくなってくる」
「すると、一番最下層の『生きる脳』=間脳(かんのう)が元氣になっちゃう。
間脳は全ての自律神経をつかさどっている親玉。
その間脳が元氣になると、自然に病氣も快方に向かうし、色んな能力も発動してくるんだよね」
「だからスワイショウは最後の10分間が肝心。間脳に刺激が届くのは、この時間帯。
毎日30分やるよりも、週3日で1回40分やった方が効く可能性がある。
脳を丹田に置き換えると、考える脳=眉間にある上丹田(じょうたんでん)。
感じる脳は、胸にある中丹田(ちゅうたんでん)。
生きる脳は、下腹部にある下丹田(げたんでん)という具合に対応している」
「間脳は、足元の重心とも関係が深いんだよね?
重心が狂うと、自律神経がおかしくなるから、病氣になったり、異常な行動をとりやすくなっちゃう」
「そのとおり。昔、戸塚ヨットスクールという民間の不良少年更生施設があった」
「事故を起こしてマスコミに叩かれたけど、かなり多くの少年を更生させたらしいよね」
「海ではヨットは常に揺れている。そこでバランスを取ろうとすることで、間脳は常に緻密に揺さぶられ、鍛えられる。
脳が変われば、言動も変わる。不良少年が治ったのにも、立派な根拠があったということ。
名横綱・双葉山や、伝説の稲尾投手も、幼いころから小船を漕いで家業を手伝ったという。
足腰が鍛えられただけではなく、間脳が活性化したので、色んな能力が発動した可能性もある」
「ヨットで鍛える代わりに、つま先立ち・踵立ちの体操でも、同じような効果があるよね。
腰幅に立って、息を吸いながら、両手を肩の高さに上げて、つま先立ちになる。

次に息を吐きながら、腕を後方に振って、踵立ちになる。

この動作を繰り返す。ときどきつま先立ちや踵立ちでピタッ!と止まれるといいんだよね」
「歯磨きをしながら、この体操を108回やることを習慣にするといい。3分もあれば出来る。足裏の重心が明確になると同時に、自律神経が整っていく。
ふくらはぎが張ってきついと言う人は、食べ過ぎ。ふくらはぎは消化器」
「最近、ふくらはぎ揉み健康法がブームになったけど、この体操で十分ふくらはぎのポンピング作用は高まるもんね。
踵立ちになった時は、アキレス腱も伸ばされるし。アキレス腱が柔らかくなると、脳の血行も良くなって、自律神経もよく働くようになっちゃう」
「まずは足元から整えよう。
脳・自律神経の不調など、鳩尾から上の病氣は、鳩尾から下へのアプローチで改善を図るのが、ブリージングストレッチのアプローチ法。
最後にブリージングの瞑想は、自律訓練法だけではない。イメージを使った、色んな瞑想法がある」
「ハワイセミナーでは、いっぱい瞑想をやる予定だから、楽しみだよね~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生の、ペットの虎徹です~。

写真はストーブの前で横になって、まどろんでいるボクです。冬はこの場所が一番のお氣に入り

人間の三大悩みは、健康・お金・人間関係と言われていますが、リラックスさえすれば、全てが解決するんですね~。
緊張しているから、その人本来の生命力や、知恵も発動できない。だから悩むんです。
自律訓練法や瞑想は、リラックスを得るための優れたメソッド。
ブリージングストレッチも、上達するにつれて、だんだんと動きが少ない方向へとシフトしていくようです。
では、次回は11月23日の朝8時にまたお会いしましょ~。
つづく
スポンサーサイト