どんなピンチも、息さえ吐ければ引っくり返せる
- 2015/09/20
- 08:00
「体調にも、仕事にも、人生にも行き詰りを感じています。
この苦境を突破する秘法があったら、教えてください。
八方ふさがりの男」
「行き詰っている時は、文字どおり息が詰まっているってことだよね。
身体の中で息が詰まったり、滞ったりすると、病氣になり勝ち。
癌も呼吸の浅い部分に出来やすいって言うし。
人間関係が氣まずくなれば、実感として『息詰まる、息苦しく』なっちゃう。
仕事やお金も同じ」
「言い換えれば、相談者さんは呼吸が浅いということ。
深い呼吸が出来る身体をつくっていくことが、遠回りのようで一番の近道」
「実は最近、友達が赤ちゃんを生んだんだけどさ~。本当に赤ちゃんって呼吸が深いよね。
ダッコすると、一息ごとに全身が柔らかく振幅して、息が満ちているのが分かるもん。
大人が赤ちゃんのように深い呼吸が出来ないのは、何が原因なんだろう?」
「確かに赤ちゃんの呼吸は理想的。
胸が大きく膨らんだかと思えば、次はお腹が大きく膨らんだり、自然に呼吸の仕方が切り替わっている」
「頭の百会の部分まで、呼吸に合わせて盛り上がったり、縮んだりしているもんね」
「赤ちゃんの頭蓋骨は柔らかいからね。もう大人はカチカチに固まって、百会に手を当てても、ほとんど動きが感じられない。
『呼吸が深い』とは、息が全身に深く満ちている状態。
確かに酸素は肺にしか入らない。
しかし、赤ちゃんのように筋肉に緊張が無い状態だと、呼吸に合わせて全身が連動して動く」
「大人になると、筋肉に過緊張、偏った緊張が生じるから、呼吸の響きが届きにくくなるって訳か」
「もう一つは血液などの内部循環の問題。
赤ちゃんは血行が良いので、酸素に満ちた赤血球が、全身に行き渡る。
『赤ちゃん』の赤とは、赤血球の赤。人は赤く生まれて、紫色になって死ぬ」
「呼吸の深さとは、単なる肺活量の大きさだけじゃなく、内部の息のめぐりとも関係があるってことか。
大人は動脈硬化とか、身体の歪みとかで、血行も阻害されちゃうもんね」
「ブリージングメソッドで、まず筋肉・骨格をストレッチするのは、身体の歪みを取るためでもある。
赤ちゃんのような柔らかい筋肉に少しでも戻すことで、呼吸のうねりが全身に波及しやすくなる。
この時に活用するのがイメージ。
ストレッチをかけた時に、突っ張る箇所、緊張が強いパーツほど、呼吸の響きも届きにくく、血行=内部循環も悪い。
だから、その箇所から息を出し入れするイメージを持つ。
もちろん、実際には息は鼻穴からしか出入り出来ないけれど、イメージの力をなめてはいけない」
「脳は現実とイメージを区別できないもんね。実際に息が出入りするイメージを明確に持つほど、筋肉のコリもほぐれちゃう」
「西洋医学では、『動脈硬化は老化現象なので、治らない』と主張している。
しかし、東洋医学では血管もまた筋肉だから、固くなっても、柔らかさを取り戻すことは可能と考える」
「だって体操した後に、手足がポカポカ暖かくなるのは、血管が緩んで、血行が良くなったからだもんね。
あとは食事法?血管の材料も食べ物だから、食を整えれば、血管の質も変わりやすいし」
「食生活がメチャクチャな人ほど、血管の表面にベッタリと老廃物の層が付着し、それだけ血管が固くなっている。
断食すると、栄養の補給が絶たれた身体が、体内の老廃物を栄養に変え始める」
「タコが自分の足を食べるようなものか」
「血管に付着した老廃物も、分解されて栄養に変えられるため、それだけ血管が弾力を取り戻して若返る。
つまり、動脈硬化が解消されていく。
自己流で長期間の断食を行うのは危険・困難。
しかし朝食抜きの16時間酵素断食なら、時間はかかるけれども、同じような効果を期待できる。
その上、安全」
「最近は西洋医学でも、『血管年齢』って言うようになったもんね。
動脈硬化も、ライフスタイルによって個人差が出てくるって認め始めた証拠だよ」
「赤ちゃんの呼吸が一つのお手本・理想だと言うのは本当。
赤ちゃんは社会的には無力だけど、同時に最高に生命力・勢いに満ちた存在でもある」
「赤ちゃんは手足が動かない分、胴体がよく動いているもんね。
成長すると手足が器用になる代わりに、胴体が固まっちゃう。
赤ちゃんは<氣>も全身に流れているけど、大人になるほど流れが悪くなっちゃう。
呼吸も同じってことか」
「だから氣功などの東洋系のメソッドでは、赤ちゃんの呼吸・胴体・氣の巡りの状態を、大人の状態で復活させることを目指す構成になっている。
ブリージングメソッドも同じ」
「でもさ~、ブリージングでは余り教室で呼吸法をやらないよね?
ブリージングストレッチ=呼吸体操なのに」
「一つには時間が足りないから。体操で身体を緩めて、呼吸法までバッチリやるには、2時間ほど必要。
いまのブリージングはワンレッスン1時間15分なので、体操だけで終わってしまう」
「呼吸法については、生徒各自が自宅で補うのが現状って訳か」
「別の考え方としては、『呼吸』に意識を向けて一つ一つのストレッチを行えば、通常のレッスンも呼吸法になるということ」
「つまり、イメージを活用しながら、息が深まったか?呼吸が静かになったか?などと意識しながら体操するってことだね。
見た目の形のキレイさ、身体の柔らかさだけを追うと、ただのエクササイズで終わっちゃう」
「ある有名流派の空手チャンピオンが、現役時代『型や基本が、本当に強くなるのに役に立つだろうか?』と疑問に感じたことがあるという。
ミットを蹴ったり、スパーリングをやった方が、試合に勝つには役立つと、正直感じたとのこと。
しかし現役を引退し、体力の衰えも感じるようになって、型や基本を『呼吸法だ』と思って取り組んだら、多くの氣づきが得られたと言う。
若い時期だけでなく、生涯かけて取り組む価値を感じたとのこと」
「ある意味では、何でも『呼吸法』に出来るってことだね。
仕事や習い事でも、コツを覚えたことを『呼吸を飲み込んだ』って言うし」
「ブリージングであまり呼吸法を頻繁にやらない、より根本的な理由としては、身体の緊張を緩めないまま呼吸法だけやると、弊害が出るリスクもあるため」
「確かに呼吸法の先生って、意外に短命な人が多いもんね」
「特に大切なのが鳩尾の緊張を緩めること。
鳩尾の奥には、太陽神経叢(たいようしんけいそう)、または腹腔神経叢(ふくこうしんけいそう)と呼ばれる自律神経の束がある。
だから鳩尾が固くなると、脳も全身も緊張する。
病氣の人、悩んでいる人もみんな鳩尾が固い」
「現代人は、無意識に鳩尾を緩めたくて、過食しちゃうんだもんね。
古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』の38~39ページにも、鳩尾を緩める体操が紹介されているし。
正座で少し膝を開き、親指を除く両手の四指を鳩尾に当てて、息を吸いながら身体を反らせる。

息を吐きながらお辞儀すると、自分の体重で指が鳩尾に入って行って、自然に緩んじゃう。

回数は3~5回くらいで、欠伸(あくび)が出るくらいが辞めどき」
「チンパンも毎朝この体操をやっている。息は出来るだけ長く吐く。
『しあわせ本』にはダイエット法として紹介されているけれど、実は立派な呼吸法。
鳩尾が固いまま、呼吸を深めようとしても、息みクセをつけるだけで、脳梗塞の下地をつくってしまう。
鳩尾が緩んだだけで、身体がリラックスして、自然に呼吸が深くなる。
反対に腰や下腹部が充実して締まる。この時身体が本氣モードになるので、夢がかないやすくなる。
鳩尾が固まり、腰とお腹の力が抜けた状態で、アファメーションしても弾かれる」
「鳩尾は無意識への入り口だもんね。
欠伸は『伸びを欠く』って書くように、欠伸が出るのは、呼吸が長くなってきた証拠だし。
そういえば、『欠伸指南』って落語もあったよね。
暇人が欠伸の仕方を教わりに行く噺」
「『欠伸指南』は呼吸法のたとえ話としても読める。欠伸も呼吸だから。
誰もが無意識にやっている欠伸を、いざ意識的にやろうとすると、なかなか上手く出来ない」
「呼吸法を習いに行くと、『お腹で呼吸しろ』『鼻で呼吸しろ』『何十秒息を吸って、何十秒吐け』とか言われて、混乱しちゃう人も多いみたいだよね。
呼吸もみんな無意識にやっているもんね」
「『欠伸指南』では、つきあいで連れて行かれた友人が、退屈のあまり『ああ、バカバカしい』と思わず欠伸をした。
それを見た先生から、『あなたは筋が良い』とほめられた」
「身体や呼吸のことは、下手に頭=左脳で図らわない方が、上手く行きやすい面があるってことか(笑)」
「『欠伸でもため息でも、とにかくピンチになったとき、行き詰ったときには、息さえ吐ければ何とかなる』
と古久澤先生はおっしゃっている」
「確かにショックを受けた瞬間は、息が止まって固まっちゃうよね」
「武道だと、その状態を<居着き>という。護身が必要とされる場で居着いていたら、すぐ殺される。
息さえ吐ければ、呼吸が変わる。呼吸が変われば全てが変わる」
「具体的には?」
「俳優・松田優作の新人時代のエピソードが参考になる。
人氣刑事番組『太陽にほえろ!』で、松田優作は、ジーパン刑事として初のレギュラー出演を体験。
さすがの松田優作も、初撮影の時には、ガチガチに緊張していたと言う。
見かねたボス役の石原裕次郎が、『クタクタになるまで、その辺を走ってこい!』と喝を入れた。
ただちに松田優作は、スタジオから飛び出した」
「それだけで撮影は上手く行ったの?」
「もちろん。
ジーパン刑事の初登場シーンは、なぜか容疑者と間違えられて、七曲署の留置所に収監されている設定だった。
カメラが回り始めると、面会に来たボスたちを振り向いた松田優作=ジーパンは、いきなり大欠伸をした。
この演出はシナリオにはなく、松田優作のアドリブだったらしい」
「欠伸が出るってことは、それだけリラックス出来ている証拠だもんね。
走り回ったお蔭で、上がっていた氣が足元に降りたってわけか」
「息が足まで満ちたとも言える。
松田優作のドアップの大欠伸は、ジーパン刑事の野性味、ふてぶてしさ、その陰にある純粋さや、繊細さを、いかんなく表現していた。
スタッフたちは、『これは行ける!』と確信したそうである」
「さすが大スターの石原裕次郎は、呼吸法を知らなくても、役者の呼吸と言うものが本能で分かっていたんだろうね。
身体からアプローチするって基本かも。
ブリージングでも、屈伸とか下半身の体操はいっぱいやるもんね」
「下半身でも特に重要なのが、内腿にある内転筋。
内転筋が開発されるほど、無用な恐れや不安が消えて行き、リラックス体質・氣質になれる。
もちろん、呼吸も深く、長く、安定するようになる。
内転筋は骨盤底に筋肉ともつながっているため」
「全身の骨格の土台である、骨盤が安定すれば、全身が安定するから、息も整うってわけか」
「中国の古典『荘子』には、『聖人は踵で息をする』と書かれている。
下半身の開発も、ここまで行けたら素晴らしい」
「踵まで息が届くようになると、人はどう変わるの?」
「常人には及びもつかないような能力や発想が、得られることもあるようだ。
オムロンの創始者・立石一真(たていしかずま)は、踵で呼吸出来ていたんじゃないかと言う人も居る。
料亭などでのスリッパの脱ぎ方ひとつ取っても、常人とは違っていたという。
立石は必ず後ろ向きになって、スリッパを脱いでから座敷に上がった」
「次に履く時、すぐ履けるからってだけじゃないの?」
「普通の人はスリッパを脱ぐときに、足元を見て脱ぐけれど、立石はやや顔を上向きにして脱いだ。
そういう脱ぎ方をすると、料亭での商談中、すぐれた構想が早くまとまりやすいと立石は言っていたそうである。
顔をやや上に向けるということは、頭=意識は未来に向かっている。
しかし、スリッパを脱いでいる時の潜在意識は踵に来ている。つまり地=現実をしっかり捉えている」
「陰陽調和が身体で体現できているってことだね。
一流の経営者は、直感で分かっているのかも」
「姿勢と呼吸、意識・無意識は連動していると言うことでもある」
「息は『自分の心』って書くもんね」
「そのとおり。呼吸は身体と心、顕在意識と潜在意識に同時に働きかけることの出来る、唯一の存在。
呼吸をコントロールする力がつけば、血流や自律神経、ホルモン分泌も少しずつ操作できるようになる可能性がある。
潜在意識を活用できれば、夢をかなえる力も飛躍的に高まる」
「だからこそ、ブリージングストレッチでは『呼吸で人生をストレッチする!』ことを目指す訳だよね」
古久澤先生のメルマガとブログには、呼吸で人生をストレッチするための秘訣が満載。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「呼吸の話は、まだまだ深く広いので、今回はほんのさわりだけ。
相談者さんに伝えたいのは、『八方ふさがり』と言う言葉には、『確かに八方は塞がっているけれど、どこか2か所は逃げ道が開いている』と言うこと。
息を吐いて緊張が解ければ、その逃げ道に氣づける」
「呼吸は秘密の逃げ道を教えてくれる、『開けゴマ!』の呪文なんだね」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、自然の中でゴキゲンで息を吐いているボクです。
チンパン君も言っていましたが、どんなピンチでも息さえ吐ければ何とかなります。
完全に息が吐けなくなった時は、死ぬときですから。
ご臨終を『息を引き取った』って言うのは、意味深ですよね~。
ロックミュージシャンの大槻ケンヂ=オーケンも、息を吐くことでピンチを逆転させたことがあるそうです。
歌が売れて人氣が出たオーケンは、ラジオのトーク番組も依頼されるようになりました。
しかし当時のオーケンは、喋りは素人だったので、全然話せず、プロデューサーに毎回怒られまくったそうです。
ある生放送で、緊張と恐怖の限界に達したオーケンは、思わず
『ボヨヨ~ン!』と叫んだそうです。
意味なんかなくて、追いつめられた挙句の、魂からの叫びだったらしいです。
これぞロック魂?
ところが、この『ボヨヨ~ン!』が何故かバカ受け。
番組から降ろされた後に、『ボヨヨンロック』と言う曲をつくったら大ヒットしたそうです。
ピンチで思いきり息を吐いた=叫んだことが、思わぬ幸運を引き寄せたということですね。
みなさんも、どんなに緊張しても、息を吐ける身体をつくってください。
そのために、今日も体操しましょ~!
つづく
この苦境を突破する秘法があったら、教えてください。
八方ふさがりの男」
「行き詰っている時は、文字どおり息が詰まっているってことだよね。
身体の中で息が詰まったり、滞ったりすると、病氣になり勝ち。
癌も呼吸の浅い部分に出来やすいって言うし。
人間関係が氣まずくなれば、実感として『息詰まる、息苦しく』なっちゃう。
仕事やお金も同じ」
「言い換えれば、相談者さんは呼吸が浅いということ。
深い呼吸が出来る身体をつくっていくことが、遠回りのようで一番の近道」
「実は最近、友達が赤ちゃんを生んだんだけどさ~。本当に赤ちゃんって呼吸が深いよね。
ダッコすると、一息ごとに全身が柔らかく振幅して、息が満ちているのが分かるもん。
大人が赤ちゃんのように深い呼吸が出来ないのは、何が原因なんだろう?」
「確かに赤ちゃんの呼吸は理想的。
胸が大きく膨らんだかと思えば、次はお腹が大きく膨らんだり、自然に呼吸の仕方が切り替わっている」
「頭の百会の部分まで、呼吸に合わせて盛り上がったり、縮んだりしているもんね」
「赤ちゃんの頭蓋骨は柔らかいからね。もう大人はカチカチに固まって、百会に手を当てても、ほとんど動きが感じられない。
『呼吸が深い』とは、息が全身に深く満ちている状態。
確かに酸素は肺にしか入らない。
しかし、赤ちゃんのように筋肉に緊張が無い状態だと、呼吸に合わせて全身が連動して動く」
「大人になると、筋肉に過緊張、偏った緊張が生じるから、呼吸の響きが届きにくくなるって訳か」
「もう一つは血液などの内部循環の問題。
赤ちゃんは血行が良いので、酸素に満ちた赤血球が、全身に行き渡る。
『赤ちゃん』の赤とは、赤血球の赤。人は赤く生まれて、紫色になって死ぬ」
「呼吸の深さとは、単なる肺活量の大きさだけじゃなく、内部の息のめぐりとも関係があるってことか。
大人は動脈硬化とか、身体の歪みとかで、血行も阻害されちゃうもんね」
「ブリージングメソッドで、まず筋肉・骨格をストレッチするのは、身体の歪みを取るためでもある。
赤ちゃんのような柔らかい筋肉に少しでも戻すことで、呼吸のうねりが全身に波及しやすくなる。
この時に活用するのがイメージ。
ストレッチをかけた時に、突っ張る箇所、緊張が強いパーツほど、呼吸の響きも届きにくく、血行=内部循環も悪い。
だから、その箇所から息を出し入れするイメージを持つ。
もちろん、実際には息は鼻穴からしか出入り出来ないけれど、イメージの力をなめてはいけない」
「脳は現実とイメージを区別できないもんね。実際に息が出入りするイメージを明確に持つほど、筋肉のコリもほぐれちゃう」
「西洋医学では、『動脈硬化は老化現象なので、治らない』と主張している。
しかし、東洋医学では血管もまた筋肉だから、固くなっても、柔らかさを取り戻すことは可能と考える」
「だって体操した後に、手足がポカポカ暖かくなるのは、血管が緩んで、血行が良くなったからだもんね。
あとは食事法?血管の材料も食べ物だから、食を整えれば、血管の質も変わりやすいし」
「食生活がメチャクチャな人ほど、血管の表面にベッタリと老廃物の層が付着し、それだけ血管が固くなっている。
断食すると、栄養の補給が絶たれた身体が、体内の老廃物を栄養に変え始める」
「タコが自分の足を食べるようなものか」
「血管に付着した老廃物も、分解されて栄養に変えられるため、それだけ血管が弾力を取り戻して若返る。
つまり、動脈硬化が解消されていく。
自己流で長期間の断食を行うのは危険・困難。
しかし朝食抜きの16時間酵素断食なら、時間はかかるけれども、同じような効果を期待できる。
その上、安全」
「最近は西洋医学でも、『血管年齢』って言うようになったもんね。
動脈硬化も、ライフスタイルによって個人差が出てくるって認め始めた証拠だよ」
「赤ちゃんの呼吸が一つのお手本・理想だと言うのは本当。
赤ちゃんは社会的には無力だけど、同時に最高に生命力・勢いに満ちた存在でもある」
「赤ちゃんは手足が動かない分、胴体がよく動いているもんね。
成長すると手足が器用になる代わりに、胴体が固まっちゃう。
赤ちゃんは<氣>も全身に流れているけど、大人になるほど流れが悪くなっちゃう。
呼吸も同じってことか」
「だから氣功などの東洋系のメソッドでは、赤ちゃんの呼吸・胴体・氣の巡りの状態を、大人の状態で復活させることを目指す構成になっている。
ブリージングメソッドも同じ」
「でもさ~、ブリージングでは余り教室で呼吸法をやらないよね?
ブリージングストレッチ=呼吸体操なのに」
「一つには時間が足りないから。体操で身体を緩めて、呼吸法までバッチリやるには、2時間ほど必要。
いまのブリージングはワンレッスン1時間15分なので、体操だけで終わってしまう」
「呼吸法については、生徒各自が自宅で補うのが現状って訳か」
「別の考え方としては、『呼吸』に意識を向けて一つ一つのストレッチを行えば、通常のレッスンも呼吸法になるということ」
「つまり、イメージを活用しながら、息が深まったか?呼吸が静かになったか?などと意識しながら体操するってことだね。
見た目の形のキレイさ、身体の柔らかさだけを追うと、ただのエクササイズで終わっちゃう」
「ある有名流派の空手チャンピオンが、現役時代『型や基本が、本当に強くなるのに役に立つだろうか?』と疑問に感じたことがあるという。
ミットを蹴ったり、スパーリングをやった方が、試合に勝つには役立つと、正直感じたとのこと。
しかし現役を引退し、体力の衰えも感じるようになって、型や基本を『呼吸法だ』と思って取り組んだら、多くの氣づきが得られたと言う。
若い時期だけでなく、生涯かけて取り組む価値を感じたとのこと」
「ある意味では、何でも『呼吸法』に出来るってことだね。
仕事や習い事でも、コツを覚えたことを『呼吸を飲み込んだ』って言うし」
「ブリージングであまり呼吸法を頻繁にやらない、より根本的な理由としては、身体の緊張を緩めないまま呼吸法だけやると、弊害が出るリスクもあるため」
「確かに呼吸法の先生って、意外に短命な人が多いもんね」
「特に大切なのが鳩尾の緊張を緩めること。
鳩尾の奥には、太陽神経叢(たいようしんけいそう)、または腹腔神経叢(ふくこうしんけいそう)と呼ばれる自律神経の束がある。
だから鳩尾が固くなると、脳も全身も緊張する。
病氣の人、悩んでいる人もみんな鳩尾が固い」
「現代人は、無意識に鳩尾を緩めたくて、過食しちゃうんだもんね。
古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』の38~39ページにも、鳩尾を緩める体操が紹介されているし。
正座で少し膝を開き、親指を除く両手の四指を鳩尾に当てて、息を吸いながら身体を反らせる。

息を吐きながらお辞儀すると、自分の体重で指が鳩尾に入って行って、自然に緩んじゃう。

回数は3~5回くらいで、欠伸(あくび)が出るくらいが辞めどき」
「チンパンも毎朝この体操をやっている。息は出来るだけ長く吐く。
『しあわせ本』にはダイエット法として紹介されているけれど、実は立派な呼吸法。
鳩尾が固いまま、呼吸を深めようとしても、息みクセをつけるだけで、脳梗塞の下地をつくってしまう。
鳩尾が緩んだだけで、身体がリラックスして、自然に呼吸が深くなる。
反対に腰や下腹部が充実して締まる。この時身体が本氣モードになるので、夢がかないやすくなる。
鳩尾が固まり、腰とお腹の力が抜けた状態で、アファメーションしても弾かれる」
「鳩尾は無意識への入り口だもんね。
欠伸は『伸びを欠く』って書くように、欠伸が出るのは、呼吸が長くなってきた証拠だし。
そういえば、『欠伸指南』って落語もあったよね。
暇人が欠伸の仕方を教わりに行く噺」
「『欠伸指南』は呼吸法のたとえ話としても読める。欠伸も呼吸だから。
誰もが無意識にやっている欠伸を、いざ意識的にやろうとすると、なかなか上手く出来ない」
「呼吸法を習いに行くと、『お腹で呼吸しろ』『鼻で呼吸しろ』『何十秒息を吸って、何十秒吐け』とか言われて、混乱しちゃう人も多いみたいだよね。
呼吸もみんな無意識にやっているもんね」
「『欠伸指南』では、つきあいで連れて行かれた友人が、退屈のあまり『ああ、バカバカしい』と思わず欠伸をした。
それを見た先生から、『あなたは筋が良い』とほめられた」
「身体や呼吸のことは、下手に頭=左脳で図らわない方が、上手く行きやすい面があるってことか(笑)」
「『欠伸でもため息でも、とにかくピンチになったとき、行き詰ったときには、息さえ吐ければ何とかなる』
と古久澤先生はおっしゃっている」
「確かにショックを受けた瞬間は、息が止まって固まっちゃうよね」
「武道だと、その状態を<居着き>という。護身が必要とされる場で居着いていたら、すぐ殺される。
息さえ吐ければ、呼吸が変わる。呼吸が変われば全てが変わる」
「具体的には?」
「俳優・松田優作の新人時代のエピソードが参考になる。
人氣刑事番組『太陽にほえろ!』で、松田優作は、ジーパン刑事として初のレギュラー出演を体験。
さすがの松田優作も、初撮影の時には、ガチガチに緊張していたと言う。
見かねたボス役の石原裕次郎が、『クタクタになるまで、その辺を走ってこい!』と喝を入れた。
ただちに松田優作は、スタジオから飛び出した」
「それだけで撮影は上手く行ったの?」
「もちろん。
ジーパン刑事の初登場シーンは、なぜか容疑者と間違えられて、七曲署の留置所に収監されている設定だった。
カメラが回り始めると、面会に来たボスたちを振り向いた松田優作=ジーパンは、いきなり大欠伸をした。
この演出はシナリオにはなく、松田優作のアドリブだったらしい」
「欠伸が出るってことは、それだけリラックス出来ている証拠だもんね。
走り回ったお蔭で、上がっていた氣が足元に降りたってわけか」
「息が足まで満ちたとも言える。
松田優作のドアップの大欠伸は、ジーパン刑事の野性味、ふてぶてしさ、その陰にある純粋さや、繊細さを、いかんなく表現していた。
スタッフたちは、『これは行ける!』と確信したそうである」
「さすが大スターの石原裕次郎は、呼吸法を知らなくても、役者の呼吸と言うものが本能で分かっていたんだろうね。
身体からアプローチするって基本かも。
ブリージングでも、屈伸とか下半身の体操はいっぱいやるもんね」
「下半身でも特に重要なのが、内腿にある内転筋。
内転筋が開発されるほど、無用な恐れや不安が消えて行き、リラックス体質・氣質になれる。
もちろん、呼吸も深く、長く、安定するようになる。
内転筋は骨盤底に筋肉ともつながっているため」
「全身の骨格の土台である、骨盤が安定すれば、全身が安定するから、息も整うってわけか」
「中国の古典『荘子』には、『聖人は踵で息をする』と書かれている。
下半身の開発も、ここまで行けたら素晴らしい」
「踵まで息が届くようになると、人はどう変わるの?」
「常人には及びもつかないような能力や発想が、得られることもあるようだ。
オムロンの創始者・立石一真(たていしかずま)は、踵で呼吸出来ていたんじゃないかと言う人も居る。
料亭などでのスリッパの脱ぎ方ひとつ取っても、常人とは違っていたという。
立石は必ず後ろ向きになって、スリッパを脱いでから座敷に上がった」
「次に履く時、すぐ履けるからってだけじゃないの?」
「普通の人はスリッパを脱ぐときに、足元を見て脱ぐけれど、立石はやや顔を上向きにして脱いだ。
そういう脱ぎ方をすると、料亭での商談中、すぐれた構想が早くまとまりやすいと立石は言っていたそうである。
顔をやや上に向けるということは、頭=意識は未来に向かっている。
しかし、スリッパを脱いでいる時の潜在意識は踵に来ている。つまり地=現実をしっかり捉えている」
「陰陽調和が身体で体現できているってことだね。
一流の経営者は、直感で分かっているのかも」
「姿勢と呼吸、意識・無意識は連動していると言うことでもある」
「息は『自分の心』って書くもんね」
「そのとおり。呼吸は身体と心、顕在意識と潜在意識に同時に働きかけることの出来る、唯一の存在。
呼吸をコントロールする力がつけば、血流や自律神経、ホルモン分泌も少しずつ操作できるようになる可能性がある。
潜在意識を活用できれば、夢をかなえる力も飛躍的に高まる」
「だからこそ、ブリージングストレッチでは『呼吸で人生をストレッチする!』ことを目指す訳だよね」
古久澤先生のメルマガとブログには、呼吸で人生をストレッチするための秘訣が満載。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「呼吸の話は、まだまだ深く広いので、今回はほんのさわりだけ。
相談者さんに伝えたいのは、『八方ふさがり』と言う言葉には、『確かに八方は塞がっているけれど、どこか2か所は逃げ道が開いている』と言うこと。
息を吐いて緊張が解ければ、その逃げ道に氣づける」
「呼吸は秘密の逃げ道を教えてくれる、『開けゴマ!』の呪文なんだね」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、自然の中でゴキゲンで息を吐いているボクです。
チンパン君も言っていましたが、どんなピンチでも息さえ吐ければ何とかなります。
完全に息が吐けなくなった時は、死ぬときですから。
ご臨終を『息を引き取った』って言うのは、意味深ですよね~。
ロックミュージシャンの大槻ケンヂ=オーケンも、息を吐くことでピンチを逆転させたことがあるそうです。
歌が売れて人氣が出たオーケンは、ラジオのトーク番組も依頼されるようになりました。
しかし当時のオーケンは、喋りは素人だったので、全然話せず、プロデューサーに毎回怒られまくったそうです。
ある生放送で、緊張と恐怖の限界に達したオーケンは、思わず
『ボヨヨ~ン!』と叫んだそうです。
意味なんかなくて、追いつめられた挙句の、魂からの叫びだったらしいです。
これぞロック魂?
ところが、この『ボヨヨ~ン!』が何故かバカ受け。
番組から降ろされた後に、『ボヨヨンロック』と言う曲をつくったら大ヒットしたそうです。
ピンチで思いきり息を吐いた=叫んだことが、思わぬ幸運を引き寄せたということですね。
みなさんも、どんなに緊張しても、息を吐ける身体をつくってください。
そのために、今日も体操しましょ~!
つづく
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