「リラックス」が自然治癒力を高める
- 2015/08/23
- 08:00
「どんな名医にかかっても治らなかった難病が、自然治癒力で治ることがあると聞きました。
しかし、体験談を読むと、自然治癒力の発動のさせ方は、本当に人それぞれなので混乱します。
何もしないで放っておいたら治った人、大好きな趣味や仕事に打ち込んでいるうちに、いつの間にか治った人。
断食やお寺で荒行を積んだら治ったと言う人・・・・・・。
自然治癒力を呼び覚ます法則のようなモノは無いんでしょうか?
なぜの嵐」
「確かに人間には自然治癒力があるけれど、重い病氣を何もしないで放っておいたら、普通は死ぬよね?」
「そのとおり。
本当にただ放っておくだけで治るのなら、それは元々大した病氣やケガではなかったのである。
風邪が自然に治るのと、癌などの難病が治るのを、一緒くたにしてはいけない。
もし、何もしないで難病、大病が治ったというなら、その人は目に見えない何かをやった筈」
「それはな~に?」
「ズバリ、『リラックス』。
リラックスして緩んだ時に、その人が本来持っている自然治癒力がマックスに発揮される。
しあわせ、元氣、健康とは、みんな緩んでいて、暖かく、明るい。
反対に病氣や不幸は、固く、冷たく、暗い」
「つまり緊張しているってことだね。不自然な心身の緊張状態を長年続けたことが、病氣の大きな原因だもんね。
そう考えれば、大好きな趣味や仕事に夢中で打ち込んでいれば、自然治癒力が高まる理由も納得。
リラックスしやすいもん。旅行なんかもいいよね」
「実際に、癌で余命あとわずかと宣告された人が、
『念願だったお遍路参りをやり遂げてから死にたい』
と四国へ旅立った。
八十八か所回り終えて東京に戻ってきたら、癌がキレイに無くなっていたという。
やりたいことに夢中になったリラックス効果もあるけれど、空海が設計したお遍路のコース自体に、何か人の潜在能力を引き出す仕掛けがあるのかも知れない。
作家の五木寛之は、『全ての健康法は氣休めである』と言ったことがある。
表の意味は、
『何をやったって、しょせん氣休めなんだから、余りシャカリキになって固くやることは無いよ』
という意味であろう。
しかし裏の意味は、
『現代人は無駄に氣を張って生きているから、氣を休めてリラックスしよう。
そのこと自体が健康法になるのだ』
とも取れる」
「古久澤先生は、『ブリージング流に言い変えれば、全ての健康法は「息抜き」だ』とおっしゃっていたよね。
緊張して詰まった息を吐く・抜くことで、心身がリラックスして、自然治癒力が発動しやすいってことか。
でもさ~、断食や荒行で自分を追い込むようなことをやって、リラックス出来るの?
真逆な氣がするけど」
「ミステリ作家の夏樹静子が、腰痛に悩んだことがある。
どんな名医にかかっても、名人の整体師にかかっても治らなかった。
3年間、腰痛は悪化する一方だった」
「心身症から来る腰痛だったから、当たり前だよね。
顕在意識では、仕事への意欲満々だったけど、潜在意識は疲れ切っていて、休みたがっていたんだよね。
それが腰痛という形で吹き出しちゃった」
「最後に入院した診療内科で、心身症と診断を下されたが、夏樹静子は、
『私はそんな弱い人間ではない』と否定。
やむを得ず医師は断食=絶食療法を命じた」
「断食は、体操しないでも、変性意識に入れるもんね。
頑固な自意識が緩んだ夏樹静子は、心身症という診断を、ようやく受け入れるんだよね。
断筆宣言した途端に、腰は1か月ほどで完治。
お医者さんは指一本触れなかったのにね。人間の心の力ってすごいよね」
「これもまた、一種のリラックスと言える。
頑固な思い込み、捉われ、こだわり、かたより、固定化した考え方のフレームワークを、断食が一種のショック療法として吹き飛ばしてくれた」
「お蔭で心身がリラックスして、自由自在になったってことだね。納得。
荒行で治る場合があるのも、同じ理屈だね」
「病氣や不幸を体験することで、人が大きく成長する場合があるのは、ひとつには『リラックス』という、ある意味では最強の技を身につけるからだとも言える」
「そのリラックスを導く方法として、順療法と逆療法があるってことだね。
順療法は、自分にとって心地よいこと=<快>を追いかけてリラックスする方法。
スワイショウで腕を氣持ちよく振っていると、肩こりが楽になるみたいなもの。
逆療法は、あえて緊張する状況を作り出して、反動で緩める方法。
左右で上げにくい側の肩を上げようとするのを(親指は握り込む)、パートナー軽く押さえてが抵抗をかける。



しばらく拮抗して、一氣に脱力して肩を落としちゃう(肩だけでなく、腰から崩れるのがコツ)。

一呼吸置くと、肩は軽くなって楽に上がるし、肩こりも無くなっちゃう。リラックスしたからだよね」
「アニメ『アルプスの少女ハイジ』で、クララが立った時のエピソードも、一種の逆療法」
「クララはハイジの友達。都会育ちのお嬢様なんだけど、生まれつき身体が弱くて、足も悪いから車椅子生活なんだよね。
いいお医者さんの治療を受けて、医学的には回復している筈なんだけど、どうしても立てるようになれない。
静養とリハビリを兼ねて、アルプスのハイジの家にやってくるんだよね」
「リハビリの成果は一進一退。しかし、クララはどうしても立てるようになれない。
『もう私は歩けないのよ。ダメなのよ、この足』
と諦めモードになったクララに、とうとうハイジはキレた」
「『クララのいくじなし!もう知らない』と立ち去ろうとするハイジを、クララは必死になって追いかけようとするんだよね。
その瞬間に氣づいたら立てていた と。
何度見返しても泣けるシーンだよね」
「クララが立てたのには、幾つかの条件がある。ひとつは医学的には足が完全に治っていたこと」
「でも、『私は立てないんだ』と長い生活習慣から来る、クララの恐怖心・思い込み・セルフイメージ=潜在意識が邪魔していたんだよね。
そのブレーキを、ハイジの一喝が吹き飛ばしちゃった。ハイジってセラピスト?」
「それは、クララとハイジの信頼関係がしっかりしたものだったから。
いつも自分の絶対的な味方になって支えてくれたハイジが、いま自分に背を向けて離れようとしている。
立つことへの恐怖感よりも、ハイジを失うことへの恐怖心が上回ったから、思わずクララは立ててしまったのである」
「確かに、あれがハイジじゃなかったら、『あなたに私の辛さは分からないわよ!』ってクララは逆ギレしてたかもね。
ハイジもクララに対して、その瞬間だけ、セラピストになれたってことか。
う~ん、確かに潜在意識について、分かりやすい例かも。
現実には、ここまで極端な例は無いだろうけど(笑)」
「ところが、それよりすごい実例がある」
「マジ?」
「画家の横尾忠則(よこおただのり)は、1970年頃、重症の動脈血栓をわずらい、立つことも歩くことも出来ない状態だった。
医者からも『手の施しようが無いので、足を切断するほかない』と言われたほどだった。
そんなある日、友人の作家・三島由紀夫が自決事件を起こした」
「詳しい事情は知らないけど、日本中が震撼する大事件だったらしいよね」
「数か月間、常に足のことが頭から離れなかった横尾忠則だったが、三島の死の衝撃で、完全に吹き飛んでしまった。
取るものもとりあえず、三島の葬儀に駆け付けた横尾は、立って歩いている自分にふと氣づいて、驚嘆したという。
その日を境に、横尾は普通に歩けるようになり、再発することは無かった。
医者も見放していた病氣が、一瞬意識が足から離れて他に移った瞬間に治ってしまった。
この体験を通して、『多くの病氣は、自分の脳や心が創りだしたものに過ぎないのでは?』と横尾は考えるようになったと言う」
「事実はフィクションよりも奇なりだね。
『親しい人の死』と言うストレスは半端じゃないだろうけど、それが病氣を治す薬になる場合にさえなることもあるって訳か。
本当に幸不幸は、あざなえる縄のごとし だね」
古久澤先生のメルマガとブログから、リラックスのコツを学ぼう。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「もちろん、逆療法がかえって仇になる場合もある」
「反動で良くなる前に、耐えきれなくてボキッ!と言っちゃう場合があるってことでしょ?
断食は事故が起きやすいもんね。スポーツのシゴキ事件にも通じるものがあるかも」
「さらに、潜在意識=自然治癒力は強引に呼び起こそうとすると、かえって隠れてしまう性質がある」
「隠れているからこその、潜在意識・潜在能力だもんね」
「汚いたとえだけど、便秘でトイレにこもっている人に、外からドアを叩いて
『早く出ろ!』
とやったら、ますます緊張して出るモノが引っ込む。
『天才バカボン』でハジメちゃんが生まれるエピソードが、まさしくそうだった」
「確か5週間くらいに渡って引っ張って無かった?
何でそんなに出産が遅れたんだっけ?」
「生まれそうになる度に、バカボンとバカボンのパパが、病院に行って大騒ぎしたから。
もちろん、バカボンとパパに悪意は無く、新しい家族の誕生を心から祝福している。
しかし何せバカだから(笑)、限度と言うものを知らない。
『生まれるぞ~!!バンザイ!バンザイ!』と騒動を巻き起こすバカボンたちは、
『いまの騒ぎで、生まれるのが1週間伸びたよ』と、お医者さんに怒られて、ガッカリする」
「それが5週にわたって繰り返されたわけか」
「5週目のお決まりのドタバタを終えたとき、バカボンはベッドに横たわるママに、懐かしの黒電話の受話器を見せる。
今回の大騒ぎで、バカボンが家の電話機を壊して、病室に受話器だけ持ってきたのだった。
受話器からぶら下がった線の端を、ママに握るよう頼むバカボン。
ママが言うとおりにすると、バカボンは受話器に向かって話し始めた。
『もしもし、赤ちゃんですか?
ボクたち待っているんですよ。早く生まれておいでよねっ』
と語りかけるバカボンに、ママは涙ぐんだ。
バカボンとパパのせいで、大怪我させられたお医者さんも、
『やさしい兄さんじゃのう』
と思わずもらい泣き」
「そしたら翌週ハジメちゃんが生まれたってことか。
早く出てこいの大騒ぎ=陽よりも、バカボンの優しい呼びかけ=陰が、届いたってことだね。
潜在意識に呼びかけるときも同じかも」
「五週間も余計にママのお腹に居た、ハジメちゃんがスーパー天才赤ちゃんになったのは、ご存じのとおり。
五回は五行=木火土金水や、五輪=土・水・火・風・空にも通じるという氣もするが、おそらく偶然であろう(笑)」
「順療法、逆療法のどっちが正しいという訳じゃなくて、そのときに必要なものを的確に選ぶことが大事だよね」
「そういうこと。
先に紹介した、横尾忠則は、順療法的な治り方も体験している。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)から来る首の神経痛に悩まされた横尾は、色んな医者にかかったが、全然治らなかった。
医者からは、『一生この神経痛とつき合う覚悟をしてください』と言われたほどだった」
「それはユウウツだね」
「しかし、仕事で出かけた草津温泉で奇跡が起きた。
横尾忠則は2日間、草津のお湯に浸かった。
とても熱いお湯なので、自分が氣持ちいい入り方で、合計8分ほど入浴。
あとで確認したら、理想的な正しい入浴法をしていたとのこと。ちゃんと無意識は知っていた。
ふと氣づくと、痛くて動かせなかった首が、楽に動くようになっていた」
「草津の湯、すごいね!確かに身体の<快>を追及して治ったから、順療法?」
「横尾忠則は別に温泉好きではなく、仕事で依頼先から誘われるままに身を任せたのだった。
それが奇跡を生んだ。
『病氣に限らず、仕事や私生活で悩んでいる時に、導かれるように何かと偶然出会って、救われることがしばしばある』
と、横尾忠則は言う。
もちろん、何もしないで待っていてもダメで、徹底的に悩みもする。
そのエネルギーが救う対象を呼び寄せるように感じる とも」
「引き寄せ力だね」
「しかも、出会いは諦めた一瞬に訪れる。
絵で悩んだ時も、考え抜いて何も浮かばず『ヤーメタ!』と手放した瞬間に、インスピレーションが湧くのと共通する とのこと。
井上陽水の、『夢の中へ』を思い出させる。
さがしものは、さがすのをやめた頃に出てくる」
「ブリージング流に言うと、念・忘・開(ねん・ぼう・かい)だね。
願望を明確に意識化したら=念、無意識にお任せしちゃう=忘、そしたらいつの間にか花開いている=開 って具合。
でも、本当に人の身体・治る力って、不思議だよね」
「ボタモチが人の命を救う場合もある。
横尾忠則の父親が危篤になった。死の床で、突然『好物のボタモチが食べたい』と父親が言い出した。
医者は、絶対に食べさせないように。食べたらすぐ死にます ときつく言い渡して帰って行った。
しかし、残された家族たちは
『どうせ助からないんだから、最後にボタモチを食べさせてやろうじゃないか』
と、ボタモチを与えた。
父親は、『上手い、うまい』とボタモチを全部平らげたと言う」
「それで、お父さんは亡くなったの?」
「亡くなった。ただし、その日から10年後に(笑)。
これもある意味、究極の順療法。
メソッド化、理論化は不可能だけれど、こうした事例は、世界で毎日のように起きているのであろう」
「ユーミンの『優しさに包まれたら』のように、優しい柔らかい氣持ちで生きていれば、大人になっても奇跡は起こるってとこか」
「横尾忠則はもう80歳近くだけど、色んな病氣と仲良く(?)付き合いながら、今でも画家として活躍している。
五木寛之も、とっくに80を超えて、まだまだ元氣。
お二人とも、いい意味で緩んでいる点が大きいと思う」
「日野原重明先生も、リラックスしたお顔をしているもんね~。
チンパン君は、まだまだ全然固いよ(笑)!」
「いかにも(笑)。リラックスは病氣治しだけではなく、能力開発にも欠かせない存在。
リラックスが今後の課題だと、最近ますます痛感している次第」
「その言い方が固いってば(笑)!」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、ウツラウツラと緩んで、夢の国へ旅立とうとしているボクです。
逆療法は、ドンピシャではまれば、劇的な効果をもたらします。
しかし、それだけにリスクも大きいです。
順療法は、ある程度時間がかかりますが、安全に穏やかに効いて行きます。
最初は順療法から入って、上達に応じて、少しずつ逆療法を取り入れて行くことが無難でしょう。
ブリージングストレッチの基本も、そういう構成になっています。
一度でも事故を起こしたら、教室はオシマイですからね~。
それでは、ボクは十分リラックスしたので、夢の国に旅だちます。
夢の中へ~♪、夢の中へ~♪、行ってみたいと想いませんか~? ルルッル~♪
(つづく)
しかし、体験談を読むと、自然治癒力の発動のさせ方は、本当に人それぞれなので混乱します。
何もしないで放っておいたら治った人、大好きな趣味や仕事に打ち込んでいるうちに、いつの間にか治った人。
断食やお寺で荒行を積んだら治ったと言う人・・・・・・。
自然治癒力を呼び覚ます法則のようなモノは無いんでしょうか?
なぜの嵐」
「確かに人間には自然治癒力があるけれど、重い病氣を何もしないで放っておいたら、普通は死ぬよね?」
「そのとおり。
本当にただ放っておくだけで治るのなら、それは元々大した病氣やケガではなかったのである。
風邪が自然に治るのと、癌などの難病が治るのを、一緒くたにしてはいけない。
もし、何もしないで難病、大病が治ったというなら、その人は目に見えない何かをやった筈」
「それはな~に?」
「ズバリ、『リラックス』。
リラックスして緩んだ時に、その人が本来持っている自然治癒力がマックスに発揮される。
しあわせ、元氣、健康とは、みんな緩んでいて、暖かく、明るい。
反対に病氣や不幸は、固く、冷たく、暗い」
「つまり緊張しているってことだね。不自然な心身の緊張状態を長年続けたことが、病氣の大きな原因だもんね。
そう考えれば、大好きな趣味や仕事に夢中で打ち込んでいれば、自然治癒力が高まる理由も納得。
リラックスしやすいもん。旅行なんかもいいよね」
「実際に、癌で余命あとわずかと宣告された人が、
『念願だったお遍路参りをやり遂げてから死にたい』
と四国へ旅立った。
八十八か所回り終えて東京に戻ってきたら、癌がキレイに無くなっていたという。
やりたいことに夢中になったリラックス効果もあるけれど、空海が設計したお遍路のコース自体に、何か人の潜在能力を引き出す仕掛けがあるのかも知れない。
作家の五木寛之は、『全ての健康法は氣休めである』と言ったことがある。
表の意味は、
『何をやったって、しょせん氣休めなんだから、余りシャカリキになって固くやることは無いよ』
という意味であろう。
しかし裏の意味は、
『現代人は無駄に氣を張って生きているから、氣を休めてリラックスしよう。
そのこと自体が健康法になるのだ』
とも取れる」
「古久澤先生は、『ブリージング流に言い変えれば、全ての健康法は「息抜き」だ』とおっしゃっていたよね。
緊張して詰まった息を吐く・抜くことで、心身がリラックスして、自然治癒力が発動しやすいってことか。
でもさ~、断食や荒行で自分を追い込むようなことをやって、リラックス出来るの?
真逆な氣がするけど」
「ミステリ作家の夏樹静子が、腰痛に悩んだことがある。
どんな名医にかかっても、名人の整体師にかかっても治らなかった。
3年間、腰痛は悪化する一方だった」
「心身症から来る腰痛だったから、当たり前だよね。
顕在意識では、仕事への意欲満々だったけど、潜在意識は疲れ切っていて、休みたがっていたんだよね。
それが腰痛という形で吹き出しちゃった」
「最後に入院した診療内科で、心身症と診断を下されたが、夏樹静子は、
『私はそんな弱い人間ではない』と否定。
やむを得ず医師は断食=絶食療法を命じた」
「断食は、体操しないでも、変性意識に入れるもんね。
頑固な自意識が緩んだ夏樹静子は、心身症という診断を、ようやく受け入れるんだよね。
断筆宣言した途端に、腰は1か月ほどで完治。
お医者さんは指一本触れなかったのにね。人間の心の力ってすごいよね」
「これもまた、一種のリラックスと言える。
頑固な思い込み、捉われ、こだわり、かたより、固定化した考え方のフレームワークを、断食が一種のショック療法として吹き飛ばしてくれた」
「お蔭で心身がリラックスして、自由自在になったってことだね。納得。
荒行で治る場合があるのも、同じ理屈だね」
「病氣や不幸を体験することで、人が大きく成長する場合があるのは、ひとつには『リラックス』という、ある意味では最強の技を身につけるからだとも言える」
「そのリラックスを導く方法として、順療法と逆療法があるってことだね。
順療法は、自分にとって心地よいこと=<快>を追いかけてリラックスする方法。
スワイショウで腕を氣持ちよく振っていると、肩こりが楽になるみたいなもの。
逆療法は、あえて緊張する状況を作り出して、反動で緩める方法。
左右で上げにくい側の肩を上げようとするのを(親指は握り込む)、パートナー軽く押さえてが抵抗をかける。



しばらく拮抗して、一氣に脱力して肩を落としちゃう(肩だけでなく、腰から崩れるのがコツ)。

一呼吸置くと、肩は軽くなって楽に上がるし、肩こりも無くなっちゃう。リラックスしたからだよね」
「アニメ『アルプスの少女ハイジ』で、クララが立った時のエピソードも、一種の逆療法」
「クララはハイジの友達。都会育ちのお嬢様なんだけど、生まれつき身体が弱くて、足も悪いから車椅子生活なんだよね。
いいお医者さんの治療を受けて、医学的には回復している筈なんだけど、どうしても立てるようになれない。
静養とリハビリを兼ねて、アルプスのハイジの家にやってくるんだよね」
「リハビリの成果は一進一退。しかし、クララはどうしても立てるようになれない。
『もう私は歩けないのよ。ダメなのよ、この足』
と諦めモードになったクララに、とうとうハイジはキレた」
「『クララのいくじなし!もう知らない』と立ち去ろうとするハイジを、クララは必死になって追いかけようとするんだよね。
その瞬間に氣づいたら立てていた と。
何度見返しても泣けるシーンだよね」
「クララが立てたのには、幾つかの条件がある。ひとつは医学的には足が完全に治っていたこと」
「でも、『私は立てないんだ』と長い生活習慣から来る、クララの恐怖心・思い込み・セルフイメージ=潜在意識が邪魔していたんだよね。
そのブレーキを、ハイジの一喝が吹き飛ばしちゃった。ハイジってセラピスト?」
「それは、クララとハイジの信頼関係がしっかりしたものだったから。
いつも自分の絶対的な味方になって支えてくれたハイジが、いま自分に背を向けて離れようとしている。
立つことへの恐怖感よりも、ハイジを失うことへの恐怖心が上回ったから、思わずクララは立ててしまったのである」
「確かに、あれがハイジじゃなかったら、『あなたに私の辛さは分からないわよ!』ってクララは逆ギレしてたかもね。
ハイジもクララに対して、その瞬間だけ、セラピストになれたってことか。
う~ん、確かに潜在意識について、分かりやすい例かも。
現実には、ここまで極端な例は無いだろうけど(笑)」
「ところが、それよりすごい実例がある」
「マジ?」
「画家の横尾忠則(よこおただのり)は、1970年頃、重症の動脈血栓をわずらい、立つことも歩くことも出来ない状態だった。
医者からも『手の施しようが無いので、足を切断するほかない』と言われたほどだった。
そんなある日、友人の作家・三島由紀夫が自決事件を起こした」
「詳しい事情は知らないけど、日本中が震撼する大事件だったらしいよね」
「数か月間、常に足のことが頭から離れなかった横尾忠則だったが、三島の死の衝撃で、完全に吹き飛んでしまった。
取るものもとりあえず、三島の葬儀に駆け付けた横尾は、立って歩いている自分にふと氣づいて、驚嘆したという。
その日を境に、横尾は普通に歩けるようになり、再発することは無かった。
医者も見放していた病氣が、一瞬意識が足から離れて他に移った瞬間に治ってしまった。
この体験を通して、『多くの病氣は、自分の脳や心が創りだしたものに過ぎないのでは?』と横尾は考えるようになったと言う」
「事実はフィクションよりも奇なりだね。
『親しい人の死』と言うストレスは半端じゃないだろうけど、それが病氣を治す薬になる場合にさえなることもあるって訳か。
本当に幸不幸は、あざなえる縄のごとし だね」
古久澤先生のメルマガとブログから、リラックスのコツを学ぼう。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
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メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「もちろん、逆療法がかえって仇になる場合もある」
「反動で良くなる前に、耐えきれなくてボキッ!と言っちゃう場合があるってことでしょ?
断食は事故が起きやすいもんね。スポーツのシゴキ事件にも通じるものがあるかも」
「さらに、潜在意識=自然治癒力は強引に呼び起こそうとすると、かえって隠れてしまう性質がある」
「隠れているからこその、潜在意識・潜在能力だもんね」
「汚いたとえだけど、便秘でトイレにこもっている人に、外からドアを叩いて
『早く出ろ!』
とやったら、ますます緊張して出るモノが引っ込む。
『天才バカボン』でハジメちゃんが生まれるエピソードが、まさしくそうだった」
「確か5週間くらいに渡って引っ張って無かった?
何でそんなに出産が遅れたんだっけ?」
「生まれそうになる度に、バカボンとバカボンのパパが、病院に行って大騒ぎしたから。
もちろん、バカボンとパパに悪意は無く、新しい家族の誕生を心から祝福している。
しかし何せバカだから(笑)、限度と言うものを知らない。
『生まれるぞ~!!バンザイ!バンザイ!』と騒動を巻き起こすバカボンたちは、
『いまの騒ぎで、生まれるのが1週間伸びたよ』と、お医者さんに怒られて、ガッカリする」
「それが5週にわたって繰り返されたわけか」
「5週目のお決まりのドタバタを終えたとき、バカボンはベッドに横たわるママに、懐かしの黒電話の受話器を見せる。
今回の大騒ぎで、バカボンが家の電話機を壊して、病室に受話器だけ持ってきたのだった。
受話器からぶら下がった線の端を、ママに握るよう頼むバカボン。
ママが言うとおりにすると、バカボンは受話器に向かって話し始めた。
『もしもし、赤ちゃんですか?
ボクたち待っているんですよ。早く生まれておいでよねっ』
と語りかけるバカボンに、ママは涙ぐんだ。
バカボンとパパのせいで、大怪我させられたお医者さんも、
『やさしい兄さんじゃのう』
と思わずもらい泣き」
「そしたら翌週ハジメちゃんが生まれたってことか。
早く出てこいの大騒ぎ=陽よりも、バカボンの優しい呼びかけ=陰が、届いたってことだね。
潜在意識に呼びかけるときも同じかも」
「五週間も余計にママのお腹に居た、ハジメちゃんがスーパー天才赤ちゃんになったのは、ご存じのとおり。
五回は五行=木火土金水や、五輪=土・水・火・風・空にも通じるという氣もするが、おそらく偶然であろう(笑)」
「順療法、逆療法のどっちが正しいという訳じゃなくて、そのときに必要なものを的確に選ぶことが大事だよね」
「そういうこと。
先に紹介した、横尾忠則は、順療法的な治り方も体験している。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)から来る首の神経痛に悩まされた横尾は、色んな医者にかかったが、全然治らなかった。
医者からは、『一生この神経痛とつき合う覚悟をしてください』と言われたほどだった」
「それはユウウツだね」
「しかし、仕事で出かけた草津温泉で奇跡が起きた。
横尾忠則は2日間、草津のお湯に浸かった。
とても熱いお湯なので、自分が氣持ちいい入り方で、合計8分ほど入浴。
あとで確認したら、理想的な正しい入浴法をしていたとのこと。ちゃんと無意識は知っていた。
ふと氣づくと、痛くて動かせなかった首が、楽に動くようになっていた」
「草津の湯、すごいね!確かに身体の<快>を追及して治ったから、順療法?」
「横尾忠則は別に温泉好きではなく、仕事で依頼先から誘われるままに身を任せたのだった。
それが奇跡を生んだ。
『病氣に限らず、仕事や私生活で悩んでいる時に、導かれるように何かと偶然出会って、救われることがしばしばある』
と、横尾忠則は言う。
もちろん、何もしないで待っていてもダメで、徹底的に悩みもする。
そのエネルギーが救う対象を呼び寄せるように感じる とも」
「引き寄せ力だね」
「しかも、出会いは諦めた一瞬に訪れる。
絵で悩んだ時も、考え抜いて何も浮かばず『ヤーメタ!』と手放した瞬間に、インスピレーションが湧くのと共通する とのこと。
井上陽水の、『夢の中へ』を思い出させる。
さがしものは、さがすのをやめた頃に出てくる」
「ブリージング流に言うと、念・忘・開(ねん・ぼう・かい)だね。
願望を明確に意識化したら=念、無意識にお任せしちゃう=忘、そしたらいつの間にか花開いている=開 って具合。
でも、本当に人の身体・治る力って、不思議だよね」
「ボタモチが人の命を救う場合もある。
横尾忠則の父親が危篤になった。死の床で、突然『好物のボタモチが食べたい』と父親が言い出した。
医者は、絶対に食べさせないように。食べたらすぐ死にます ときつく言い渡して帰って行った。
しかし、残された家族たちは
『どうせ助からないんだから、最後にボタモチを食べさせてやろうじゃないか』
と、ボタモチを与えた。
父親は、『上手い、うまい』とボタモチを全部平らげたと言う」
「それで、お父さんは亡くなったの?」
「亡くなった。ただし、その日から10年後に(笑)。
これもある意味、究極の順療法。
メソッド化、理論化は不可能だけれど、こうした事例は、世界で毎日のように起きているのであろう」
「ユーミンの『優しさに包まれたら』のように、優しい柔らかい氣持ちで生きていれば、大人になっても奇跡は起こるってとこか」
「横尾忠則はもう80歳近くだけど、色んな病氣と仲良く(?)付き合いながら、今でも画家として活躍している。
五木寛之も、とっくに80を超えて、まだまだ元氣。
お二人とも、いい意味で緩んでいる点が大きいと思う」
「日野原重明先生も、リラックスしたお顔をしているもんね~。
チンパン君は、まだまだ全然固いよ(笑)!」
「いかにも(笑)。リラックスは病氣治しだけではなく、能力開発にも欠かせない存在。
リラックスが今後の課題だと、最近ますます痛感している次第」
「その言い方が固いってば(笑)!」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、ウツラウツラと緩んで、夢の国へ旅立とうとしているボクです。
逆療法は、ドンピシャではまれば、劇的な効果をもたらします。
しかし、それだけにリスクも大きいです。
順療法は、ある程度時間がかかりますが、安全に穏やかに効いて行きます。
最初は順療法から入って、上達に応じて、少しずつ逆療法を取り入れて行くことが無難でしょう。
ブリージングストレッチの基本も、そういう構成になっています。
一度でも事故を起こしたら、教室はオシマイですからね~。
それでは、ボクは十分リラックスしたので、夢の国に旅だちます。
夢の中へ~♪、夢の中へ~♪、行ってみたいと想いませんか~? ルルッル~♪
(つづく)
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