「振る」のは、日本古来の健康法・開運法
- 2015/08/16
- 08:00
「かなり太った中年女性です。
昔のNHKの幼児番組『できるかな?』に出て来たぬいぐるみ・ゴン太君のような体型をしています。
『痩せなきゃ!』と一念発起して、ウオーキングを始めたところ、膝を痛めてしまいました(涙)。
整形外科に行って、膝の水を抜いて貰ったりしていますが、なかなか回復しません。
お医者さんからは、減量と足に筋力をつけることを薦められていますが、膝が痛くてしゃがむことも歩くこともきつい状況です。
こんな私にも出来る足の強化法があったら教えてください。
私のノッポさんはいずこに?」
「相談者さんのように、急に思い立ってウオーキングやジョギングを始めて、かえって足腰を痛めちゃう人は多いみたいだね。
やっぱり太っていると、下半身に負担がかかるから?」
「それも大きな原因。
また、重心が狂っていたり、足首に故障があるまま、いきなり足をたくさん使うと、膝に不調が出やすい。
自覚が無くても、足首を痛めている人は、意外に多い」
「膝に負担をかけずに下半身を鍛える運動としては、プールでのウオーキングも薦められているよね。
確かに浮力のお蔭で膝に負担はかかりにくいだろうけど、毎日プールに通うのはなかなか大変だよ」
「鍛える前に、まず『整える』こと。
ブリージングストレッチにも取り入れられている、西式健康法の『毛管運動(もうかんうんどう)』は、膝に体重をかけずに、足を鍛えることが出来る。
しかも、鍛えながら足の故障も整っていくというスグレモノの体操」
「別名・ゴキブリ体操(笑)。
仰向けに寝て、両手両足を天井に向けて、前後に小さく揺らし続ける体操だよね。

殺虫剤をかけられた、瀕死のゴキちゃんを連想させる動き。
でも、あれって見た目以上にきついんだよね」
「しかし、短時間ですごく手足の血行がよくなり、手足の筋力もつく」
「なんでそんなに効くの?」
「手足を心臓よりも高く上げて動かす点がミソ。
ウオーキングやジョギングなど、通常のスポーツ・トレーニングでは、手を心臓より低い位置で動かすことが多い。
つまり、重力の助けを借りて、血液が容易に供給される」
「ボクシングなどの格闘技では、顔面を守るために、ずっとガードを心臓より高い位置に上げっぱなしだけど、こういう動きの方が例外的だよね」
「しかし毛管運動は、手足を心臓よりも高い位置に上げて振り続けるので、末端が貧血状態になる。
運動後に手足を床に降ろした時に、ドッと血が流れてくるので、一氣に手足が暖かくなる」
「それはブリージングストレッチの原理に通じるものがあるよね。
手足にストレッチをかけて、筋肉を伸展したり、加圧したりすることで、筋肉が貧血状態になっちゃう。
ポーズを解いて、休んだ時に、反動で新鮮な血液がいっぱい流れてくるから、手足がポカポカしてくるんだよね。
掌もタラコ色になっちゃう。
酸素と栄養たっぷりの血液が、患部を修復。必要な薬は、自分の中にあるってことだよね」
「ブリージングストレッチの基本も、手足が心臓より低い位置にある体操がメイン。
座ったり四つんばいになったりして、自分の体重=重力を利用する。
毛管運動は、手足を上げて、重力に逆らう形で行う分、きつい。
それだけ厳しい条件で動かすため、毛管運動を習慣にすると、筋肉が栄養を蓄えて発達する」
「きつくて当然ってわけか。初心者は1~2分くらいしか出来ないもんね」
「慣れて体力がついてくると、5分くらい出来るようになるという。
厳密には、両手両足を上げる角度は床と垂直。肘も膝もまっすぐ伸ばす。
そして足首は直角に曲げて、足裏を天井に向ける」
「なんで足首だけ直角に曲げるの?」
「毛管運動は、足首や膝に振動を与えることで、歪みを整えて行く運動。
正しいポジションにして、微振動を与えてやると、勝手に歪みが整っていく。
しかし、それはあくまでも正しい位置にセッテイングした場合。
足首が緩んだまま振動させると、足首の故障・歪みがかえって増幅されていく。
だから西式では、直角の木の枠を、足首に当てて(ひもやゴムチューブで縛る)、毛管運動を行わせる」
「振動は、整体法になると同時に、破壊法にもなるもんね。
電車やバスの中で、傾いた姿勢で居眠りすると、振動でドンドン歪みが進行するって言うし。
どこに身体が歪む危険が転がっているか分からないね」
「そのとおり。
更に毛管運動は、頭に手足の血が逆流することをふせぐため、首に木枕を当てて行うのが正式なやり方(バスタオルを丸めたものを首に当てても可)」
「ブリージングでも、たま~に毛管運動をやるけれど、木枕や木枠なんか使わないじゃん?
足首が伸びたまま、膝は曲がっている人も多いよ」
「あくまで『ほぐし』の一端として使っているので、厳密な形は要求していないため。
ブリージングストレッチの基本では、ヨガのポーズも多数採用しているけど、そのまんまじゃ初心者にはきつすぎるので、形を崩しているのと同じ。
毛管運動も、ごくたまにしかやらず、時間も短いので、頭に血が逆流したり、足首の故障が悪化するリスクはゼロに近い」
古久澤先生のメルマガとブログには、身体を整え、鍛える体操がたくさん紹介されています。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「もっと楽~に毛管運動をやる方法は無いものかね?」
「西式には、手足を吊るして、前後に振ってくれる、『自動毛管運動機』なるものが存在するという。
古久澤先生は、西式を深く研究された時期があり、毛管運動の効果も身に染みてご存じなので、ブリージングでも購入を検討したこともあるそうだ」
「先生はなんでその機械を買わなかったの?」
「かなり大きな機械で場所を取るため。100万円という値段もネックになった」
「100万円!そういう専門的な機械は、量産が効かない分高いよね。
やっぱり地道に稽古して、身体を慣らして行くしかない訳か」
「ところが、ここに朗報がある。
数年前に、金澤竹哲(かなざわちくてつ)と言うジャーナリストが、『らくらく毛管運動』という体操を考案してくれた。
金澤さんは健康法サークル『ひまわり会』の世話人であり、岡山県で西式を教えていた、山崎佳三郎先生(故人)の指導を長年受けていた。
山崎先生は、西先生の高弟で、知る人ぞ知る実力者だった。
山崎先生の教室で、西式毛管運動機を体験した時に、
『これで効果があるなら、壁に足をくっつけて毛管運動を行っても良いのでは?』
と閃いたそうだ。
山崎先生に相談し、工夫を重ねながら考案したのが『らくらく毛管運動』」
「そのメリットは?」
「壁に足をもたせかけられるので、楽に長時間できる。
壁という基準点があるので、足首を直角にしやすい。

膝を伸ばすのも楽。体力の無い高齢者や、膝や股関節に不調がある人が、本式の毛管運動の形を取ることは困難。
壁でもきつければ、椅子に足を乗せてやってもいい(足首は直角に保つ)。足が心臓より高い位置でやれば、ある程度の効果は期待できる。
筋力をつけたい側の足だけやっても可。

金澤さんは、『らくらく毛管運動でよみがえる』(風詠社)という本も出版しているので、読むと参考になる。
You Tubeで、『らくらく毛管運動』で検索すると、動画も見れる。本来の毛管運動の動画もいっぱい出てくる」
「チンパン君は、らくらく毛管運動をやってみたの?」
「もちろん。
自宅の部屋の壁に踵をくっつけて微妙振動させると、音が隣室まで響きそうなので、押し入れの上段・下段のしきりの横棒に、ふくらはぎを当てて行った。
長時間やっていると、ふくらはぎが横棒にぶつかって痛くなるので、毛布や薄い掛布団を押し入れの上段から垂らして、それをクッションにして行った。
ふくらはぎが痛まず、音も立たないので、快適にらくらく毛管運動が行える。
お氣に入りの音楽でも聴きながらやると、15分や20分はすぐに過ぎる」
「効果のほどは?」
「やっている最中は、手足が緩んで、頭もボンヤリモードになる。スワイショウを行うと、変性意識モードに入るのと似ている。
終わった後は、手足がポカポカ暖かくなる。
そのあとに開脚や前屈系の、下半身のブリージングストレッチを行うと、明らかに柔らかくなっている。
屈伸など鍛錬系の体操をやっても、ピシッと足腰が決まりやすい。
もちろん、上半身の体操も、やりやすくなっている。
手足の内部循環が高まっているから、当然の結果」
「手足が冷えるのも、むくむのも、固いのも、力が出ないのも、みんな内部循環が悪いからってことか」
「手足の内部循環がよくなると、代謝も上がって来る。
この3か月ほど食を節制しているので、体重は減少していたが、長時間の毛管運動を取り入れてからは、更に減量が加速してきた。基礎代謝が上がったことも影響している筈。
腹筋も何氣に発達してきた。『らくらく毛管運動』の実践者には、胸筋がついてきた、腰痛が楽になったと報告している人もいる」
「手足を動かすことで、遠隔的に胴体にも効かせられるってことだね」
「骨密度が上がったという人さえ居るそうだ」
「だって内部の流れが良くなれば、骨も育っちゃうよね。
他流のメソッドでも、優れているモノには、頭を下げて活用させていただいた方がいいよね」
「ただし、それだけだと少々情けないので(笑)、ブリージング的に一工夫できないかと考えた。
具体的には、二人で行う組手バージョンの『毛管運動』を考案。
パートナーが壁の代わりになって、受け手の足を支える。

受け手が足を前後に小さく振るのを、パートナーが少し補助して助けてあげる。
足首が直角を保つことも補助。
体格差があって、両足を同時に補助するのがきつければ、片足ずつこの組手を行っても良い。
受け手の固さ、身体の具合によって、補助があっても足が垂直に持ち上がらなければ、上がる高さでOK=心臓より手足が高い位置で行えば、効果は出る」
「アタシもこの間体験してみたけど、これは楽ちんだったね」
「山崎佳三郎先生は、
『毛管運動は、手先・足先ではなく、手足を付け根から振る意識で行いなさい』
と指導されていたと言う」
「手足は背骨・胴体との連動で動かす って言う、ブリージングストレッチの考え方と通じるものがあるよね」
「更に山崎先生は、
『自分で振るのではなく、誰かに手足を動かされている意識で行いなさい』
とも教えていたという。
筋力で頑張るのではなく、自分の身体の重みを活用して、リラックスして動けとも取れる。
これもブリージングストレッチに共通する。
この組手を行えば、どちらの感覚も養いやすいと想う」
「手の組手バージョンもアリだよね。
両手首を、パートナーが持って振るのを誘導してあげればいいんでしょ?」

「そのとおり。
更に三人組手で、手足をそれぞれ他者に持ち上げてもらい、振るのを補助してもらえば、これはもう毛管運動機を使っているのと、余り変わらない効果が出ると思う」

「一人で行う体操には、全て裏バージョンとしての組手が存在する って言うのが、ブリージングの考え方だもんね。
ところで、そもそも毛管運動って、どういう意味?」
「『毛管作用を促す運動』と言う意味。
全身の毛細血管をつなぎ合わせると、およそ9万キロ以上の長さになるが、心臓はせいぜいゲンコツ並みの大きさしかない。
だから心臓が血液循環の原動力には成り得ないと、西先生は主張。
心臓は血液循環の調整器官に過ぎないと考えた」
「じゃあ、なんで血液は循環しているの?」
「毛細血管というパイプが、血を吸い上げるためだと、西先生は言った。これを毛管作用と言う。
木が地面から水分を吸い上げるのも、毛管作用。
血液が汚れて、毛細血管が詰まってくると、毛管作用が落ちてくるので、全身の血液循環が悪くなる。
その結果さまざまな不調が出てくる」
「毛管運動は、手足を振動させることで、毛細血管の詰まりを解消するわけだね。
やった後に、手足がポカポカしてくるのが証拠だよ」
「毛管運動については、西先生や西先生の高弟が、奥深いことをまだたくさん書いているので、興味のある方は一読していただきたい」
「西式に限らず、『振るのは、日本古来の健康法』だよね。
昔、大阪には万歳させて手を振らせる新興宗教?があったって言うし。
実際に、胃の悪い患者が、ドンドン良くなったって聞いたよ」
「整体的にも根拠があるやり方。
消化器が悪い人は、胃が疲れて下垂している。
万歳すると、肋骨と一緒に胃が上がる。
更にその状態で手を振動させると、胃が遠隔的に刺激される。邪氣が手から放出されると言ってもいい。
それに加えて、熱心な信者は『神様のご加護で治る!』と思い込んでいるから、自然治癒力も全開になる」
「ダンベルとかで鍛えなくても、振っていれば自然に手足に筋肉がつきそうだね」
「鉄でつくった筋肉は、見栄えはするけど固くなりやすい。鉄と共振してしまうため。
重いダンベルなどを上げるときは、歯を食いしばって根性で上げるので、血管内に血栓もできやすい」
「そこへ行くと、水泳選手は筋肉が柔らかい人が多いみたいだね。やっぱり水と共振するからだね」
「そういうこと。世界的なスイマーだった、北島康介選手は、
『ウエイトトレーニングで筋肉をつけすぎると、かえって遅くなる場合がある』
と語ったことがある。
固くてボリュームある筋肉が、水とぶつかりあって、反発し合うため。
泳ぎ込みでつくった筋肉の方が、水と調和するので、速いタイムが出るという」
「もっと柔らかいのが、スワイショウや毛管運動のように、空氣中の運動によって創る筋肉だよね=振動運動。
呼吸と血流のうねりで、筋肉が内側からほぐされちゃう。
ブリージングストレッチには、他にも手足を振る運動がたくさんあるよね。
背骨を中心に、身体全体を振動させる技もあるし」
「もちろん、手足を振動させて緩めるだけでなく、雑巾がけのように、手足を胴体と連動して引き締める体操もある。

つまり陰陽。
ムチのようにしなやかで柔らかく、必要な時に棒のように固まって支えられる手足は、日常生活やスポーツや仕事の専門動作に役立つ」
「ブリージングストレッチは、本来は胴体を微細に、ダイナミックに動かす身体メソッド。
しかし、基本では、あくまで手足のコリや緊張を取り除くことがメインだよね」
「手足を整えて、内部循環を良くするだけで、痛みや不調はかなり解消されるため。
動ける胴体をつくるためにも、手足の緊張を取ることが必須。
チンパンも胴体力メソッドを知ってから、十数年経つ。
メソッドの創始者・伊藤昇先生の著書を読むと、胴体が動けば、超元氣・健康になり、どんなスポーツや身体運動をやっても、超一流になれる。
頭の働きもバツグンによくなり、他者との距離感もハッキリするので、人間関係も上手くいくようになる。
などと効用がたくさん書いてあり、『こうなれたら素晴らしい』と憧れたものである」
「でも、いまのチンパン君は、そういう境地には、ほど遠いよね(笑)」
「そのとおり。胴体が大して動くようになっていないから当たり前なんだけど(笑)」
「やっぱり注ぐ意識の量が足りないから?」
「それが本質的な原因であろう。
しかし、手足の緊張が、胴体を動かすブレーキになっている面も大きい。
手足が緊張していると、胴体の筋肉を不自然に引っ張り続けるので、その分胴体を動かしにくくなる」
「だから基本で、まず手足をほぐし、整えることが先決って訳か」
「手足にコリがあっても、生まれ持ったセンスで、胴体が結構動く人も居るようである。優秀なアスリートなどがそう。
しかし、手足という毒の排泄ルートが閉じたままで、胴体や背骨をいっぱい動かすと、身体の深部の毒が体内で暴れる危険性がある」
「締め切った部屋の中で、ハタキをかけまくると、ほこりが充満するようなものか。
アスリートに短命な人が多いのは、それも一因かもね」
「なので、ブリージングでは、胴体にアプローチする前に、まず末端を解放する。
胴体を動かす段階に進んでからも、並行して末端は整えて行く」
「胴体が動くようになるのには、時間がかかるけど、手足を整えて内部循環を良くするだけでも、一般の人より遥かに抜きんでた身体になれるもんね」
「そのとおり。四肢は天からのギフトなので、生涯キレイに使いたいものである。
今月のチンパン基礎クラス=8月23日(日)10時半~、ブリージングストレッチ本院 では、毛管運動をはじめ、振動系の体操・組手をたくさん行いたいと思うので、興味のある方は是非ご参加ください」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は毛管運動に挑戦中のボクです。
犬は四つんばいで、いつも手足が心臓より低い位置にあります。
本能的に、しょっちゅう伸びをしたり、ブルブルと身体を振ったりして、内部循環を高めています。
でも、確かに加齢による手足の衰えは避けられないようです。
老犬になったワンちゃんに、飼い主が毛管運動をやってあげたら、足が若返ったという話も聞いたことがあります。
病氣治しに限らず、仕事や勉強、スポーツなどの成績が『振るわない』時は、手足や身体を振ってみることです。
固まって悩んでいると、ドツボにはまります。
振ることは、お祓いでもあり、開運法でもあります。
ボクも手足や背骨、シッポを積極的に振り続けるつもりです~。
つづく
昔のNHKの幼児番組『できるかな?』に出て来たぬいぐるみ・ゴン太君のような体型をしています。
『痩せなきゃ!』と一念発起して、ウオーキングを始めたところ、膝を痛めてしまいました(涙)。
整形外科に行って、膝の水を抜いて貰ったりしていますが、なかなか回復しません。
お医者さんからは、減量と足に筋力をつけることを薦められていますが、膝が痛くてしゃがむことも歩くこともきつい状況です。
こんな私にも出来る足の強化法があったら教えてください。
私のノッポさんはいずこに?」
「相談者さんのように、急に思い立ってウオーキングやジョギングを始めて、かえって足腰を痛めちゃう人は多いみたいだね。
やっぱり太っていると、下半身に負担がかかるから?」
「それも大きな原因。
また、重心が狂っていたり、足首に故障があるまま、いきなり足をたくさん使うと、膝に不調が出やすい。
自覚が無くても、足首を痛めている人は、意外に多い」
「膝に負担をかけずに下半身を鍛える運動としては、プールでのウオーキングも薦められているよね。
確かに浮力のお蔭で膝に負担はかかりにくいだろうけど、毎日プールに通うのはなかなか大変だよ」
「鍛える前に、まず『整える』こと。
ブリージングストレッチにも取り入れられている、西式健康法の『毛管運動(もうかんうんどう)』は、膝に体重をかけずに、足を鍛えることが出来る。
しかも、鍛えながら足の故障も整っていくというスグレモノの体操」
「別名・ゴキブリ体操(笑)。
仰向けに寝て、両手両足を天井に向けて、前後に小さく揺らし続ける体操だよね。

殺虫剤をかけられた、瀕死のゴキちゃんを連想させる動き。
でも、あれって見た目以上にきついんだよね」
「しかし、短時間ですごく手足の血行がよくなり、手足の筋力もつく」
「なんでそんなに効くの?」
「手足を心臓よりも高く上げて動かす点がミソ。
ウオーキングやジョギングなど、通常のスポーツ・トレーニングでは、手を心臓より低い位置で動かすことが多い。
つまり、重力の助けを借りて、血液が容易に供給される」
「ボクシングなどの格闘技では、顔面を守るために、ずっとガードを心臓より高い位置に上げっぱなしだけど、こういう動きの方が例外的だよね」
「しかし毛管運動は、手足を心臓よりも高い位置に上げて振り続けるので、末端が貧血状態になる。
運動後に手足を床に降ろした時に、ドッと血が流れてくるので、一氣に手足が暖かくなる」
「それはブリージングストレッチの原理に通じるものがあるよね。
手足にストレッチをかけて、筋肉を伸展したり、加圧したりすることで、筋肉が貧血状態になっちゃう。
ポーズを解いて、休んだ時に、反動で新鮮な血液がいっぱい流れてくるから、手足がポカポカしてくるんだよね。
掌もタラコ色になっちゃう。
酸素と栄養たっぷりの血液が、患部を修復。必要な薬は、自分の中にあるってことだよね」
「ブリージングストレッチの基本も、手足が心臓より低い位置にある体操がメイン。
座ったり四つんばいになったりして、自分の体重=重力を利用する。
毛管運動は、手足を上げて、重力に逆らう形で行う分、きつい。
それだけ厳しい条件で動かすため、毛管運動を習慣にすると、筋肉が栄養を蓄えて発達する」
「きつくて当然ってわけか。初心者は1~2分くらいしか出来ないもんね」
「慣れて体力がついてくると、5分くらい出来るようになるという。
厳密には、両手両足を上げる角度は床と垂直。肘も膝もまっすぐ伸ばす。
そして足首は直角に曲げて、足裏を天井に向ける」
「なんで足首だけ直角に曲げるの?」
「毛管運動は、足首や膝に振動を与えることで、歪みを整えて行く運動。
正しいポジションにして、微振動を与えてやると、勝手に歪みが整っていく。
しかし、それはあくまでも正しい位置にセッテイングした場合。
足首が緩んだまま振動させると、足首の故障・歪みがかえって増幅されていく。
だから西式では、直角の木の枠を、足首に当てて(ひもやゴムチューブで縛る)、毛管運動を行わせる」
「振動は、整体法になると同時に、破壊法にもなるもんね。
電車やバスの中で、傾いた姿勢で居眠りすると、振動でドンドン歪みが進行するって言うし。
どこに身体が歪む危険が転がっているか分からないね」
「そのとおり。
更に毛管運動は、頭に手足の血が逆流することをふせぐため、首に木枕を当てて行うのが正式なやり方(バスタオルを丸めたものを首に当てても可)」
「ブリージングでも、たま~に毛管運動をやるけれど、木枕や木枠なんか使わないじゃん?
足首が伸びたまま、膝は曲がっている人も多いよ」
「あくまで『ほぐし』の一端として使っているので、厳密な形は要求していないため。
ブリージングストレッチの基本では、ヨガのポーズも多数採用しているけど、そのまんまじゃ初心者にはきつすぎるので、形を崩しているのと同じ。
毛管運動も、ごくたまにしかやらず、時間も短いので、頭に血が逆流したり、足首の故障が悪化するリスクはゼロに近い」
古久澤先生のメルマガとブログには、身体を整え、鍛える体操がたくさん紹介されています。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「もっと楽~に毛管運動をやる方法は無いものかね?」
「西式には、手足を吊るして、前後に振ってくれる、『自動毛管運動機』なるものが存在するという。
古久澤先生は、西式を深く研究された時期があり、毛管運動の効果も身に染みてご存じなので、ブリージングでも購入を検討したこともあるそうだ」
「先生はなんでその機械を買わなかったの?」
「かなり大きな機械で場所を取るため。100万円という値段もネックになった」
「100万円!そういう専門的な機械は、量産が効かない分高いよね。
やっぱり地道に稽古して、身体を慣らして行くしかない訳か」
「ところが、ここに朗報がある。
数年前に、金澤竹哲(かなざわちくてつ)と言うジャーナリストが、『らくらく毛管運動』という体操を考案してくれた。
金澤さんは健康法サークル『ひまわり会』の世話人であり、岡山県で西式を教えていた、山崎佳三郎先生(故人)の指導を長年受けていた。
山崎先生は、西先生の高弟で、知る人ぞ知る実力者だった。
山崎先生の教室で、西式毛管運動機を体験した時に、
『これで効果があるなら、壁に足をくっつけて毛管運動を行っても良いのでは?』
と閃いたそうだ。
山崎先生に相談し、工夫を重ねながら考案したのが『らくらく毛管運動』」
「そのメリットは?」
「壁に足をもたせかけられるので、楽に長時間できる。
壁という基準点があるので、足首を直角にしやすい。

膝を伸ばすのも楽。体力の無い高齢者や、膝や股関節に不調がある人が、本式の毛管運動の形を取ることは困難。
壁でもきつければ、椅子に足を乗せてやってもいい(足首は直角に保つ)。足が心臓より高い位置でやれば、ある程度の効果は期待できる。
筋力をつけたい側の足だけやっても可。

金澤さんは、『らくらく毛管運動でよみがえる』(風詠社)という本も出版しているので、読むと参考になる。
You Tubeで、『らくらく毛管運動』で検索すると、動画も見れる。本来の毛管運動の動画もいっぱい出てくる」
「チンパン君は、らくらく毛管運動をやってみたの?」
「もちろん。
自宅の部屋の壁に踵をくっつけて微妙振動させると、音が隣室まで響きそうなので、押し入れの上段・下段のしきりの横棒に、ふくらはぎを当てて行った。
長時間やっていると、ふくらはぎが横棒にぶつかって痛くなるので、毛布や薄い掛布団を押し入れの上段から垂らして、それをクッションにして行った。
ふくらはぎが痛まず、音も立たないので、快適にらくらく毛管運動が行える。
お氣に入りの音楽でも聴きながらやると、15分や20分はすぐに過ぎる」
「効果のほどは?」
「やっている最中は、手足が緩んで、頭もボンヤリモードになる。スワイショウを行うと、変性意識モードに入るのと似ている。
終わった後は、手足がポカポカ暖かくなる。
そのあとに開脚や前屈系の、下半身のブリージングストレッチを行うと、明らかに柔らかくなっている。
屈伸など鍛錬系の体操をやっても、ピシッと足腰が決まりやすい。
もちろん、上半身の体操も、やりやすくなっている。
手足の内部循環が高まっているから、当然の結果」
「手足が冷えるのも、むくむのも、固いのも、力が出ないのも、みんな内部循環が悪いからってことか」
「手足の内部循環がよくなると、代謝も上がって来る。
この3か月ほど食を節制しているので、体重は減少していたが、長時間の毛管運動を取り入れてからは、更に減量が加速してきた。基礎代謝が上がったことも影響している筈。
腹筋も何氣に発達してきた。『らくらく毛管運動』の実践者には、胸筋がついてきた、腰痛が楽になったと報告している人もいる」
「手足を動かすことで、遠隔的に胴体にも効かせられるってことだね」
「骨密度が上がったという人さえ居るそうだ」
「だって内部の流れが良くなれば、骨も育っちゃうよね。
他流のメソッドでも、優れているモノには、頭を下げて活用させていただいた方がいいよね」
「ただし、それだけだと少々情けないので(笑)、ブリージング的に一工夫できないかと考えた。
具体的には、二人で行う組手バージョンの『毛管運動』を考案。
パートナーが壁の代わりになって、受け手の足を支える。

受け手が足を前後に小さく振るのを、パートナーが少し補助して助けてあげる。
足首が直角を保つことも補助。
体格差があって、両足を同時に補助するのがきつければ、片足ずつこの組手を行っても良い。
受け手の固さ、身体の具合によって、補助があっても足が垂直に持ち上がらなければ、上がる高さでOK=心臓より手足が高い位置で行えば、効果は出る」
「アタシもこの間体験してみたけど、これは楽ちんだったね」
「山崎佳三郎先生は、
『毛管運動は、手先・足先ではなく、手足を付け根から振る意識で行いなさい』
と指導されていたと言う」
「手足は背骨・胴体との連動で動かす って言う、ブリージングストレッチの考え方と通じるものがあるよね」
「更に山崎先生は、
『自分で振るのではなく、誰かに手足を動かされている意識で行いなさい』
とも教えていたという。
筋力で頑張るのではなく、自分の身体の重みを活用して、リラックスして動けとも取れる。
これもブリージングストレッチに共通する。
この組手を行えば、どちらの感覚も養いやすいと想う」
「手の組手バージョンもアリだよね。
両手首を、パートナーが持って振るのを誘導してあげればいいんでしょ?」

「そのとおり。
更に三人組手で、手足をそれぞれ他者に持ち上げてもらい、振るのを補助してもらえば、これはもう毛管運動機を使っているのと、余り変わらない効果が出ると思う」

「一人で行う体操には、全て裏バージョンとしての組手が存在する って言うのが、ブリージングの考え方だもんね。
ところで、そもそも毛管運動って、どういう意味?」
「『毛管作用を促す運動』と言う意味。
全身の毛細血管をつなぎ合わせると、およそ9万キロ以上の長さになるが、心臓はせいぜいゲンコツ並みの大きさしかない。
だから心臓が血液循環の原動力には成り得ないと、西先生は主張。
心臓は血液循環の調整器官に過ぎないと考えた」
「じゃあ、なんで血液は循環しているの?」
「毛細血管というパイプが、血を吸い上げるためだと、西先生は言った。これを毛管作用と言う。
木が地面から水分を吸い上げるのも、毛管作用。
血液が汚れて、毛細血管が詰まってくると、毛管作用が落ちてくるので、全身の血液循環が悪くなる。
その結果さまざまな不調が出てくる」
「毛管運動は、手足を振動させることで、毛細血管の詰まりを解消するわけだね。
やった後に、手足がポカポカしてくるのが証拠だよ」
「毛管運動については、西先生や西先生の高弟が、奥深いことをまだたくさん書いているので、興味のある方は一読していただきたい」
「西式に限らず、『振るのは、日本古来の健康法』だよね。
昔、大阪には万歳させて手を振らせる新興宗教?があったって言うし。
実際に、胃の悪い患者が、ドンドン良くなったって聞いたよ」
「整体的にも根拠があるやり方。
消化器が悪い人は、胃が疲れて下垂している。
万歳すると、肋骨と一緒に胃が上がる。
更にその状態で手を振動させると、胃が遠隔的に刺激される。邪氣が手から放出されると言ってもいい。
それに加えて、熱心な信者は『神様のご加護で治る!』と思い込んでいるから、自然治癒力も全開になる」
「ダンベルとかで鍛えなくても、振っていれば自然に手足に筋肉がつきそうだね」
「鉄でつくった筋肉は、見栄えはするけど固くなりやすい。鉄と共振してしまうため。
重いダンベルなどを上げるときは、歯を食いしばって根性で上げるので、血管内に血栓もできやすい」
「そこへ行くと、水泳選手は筋肉が柔らかい人が多いみたいだね。やっぱり水と共振するからだね」
「そういうこと。世界的なスイマーだった、北島康介選手は、
『ウエイトトレーニングで筋肉をつけすぎると、かえって遅くなる場合がある』
と語ったことがある。
固くてボリュームある筋肉が、水とぶつかりあって、反発し合うため。
泳ぎ込みでつくった筋肉の方が、水と調和するので、速いタイムが出るという」
「もっと柔らかいのが、スワイショウや毛管運動のように、空氣中の運動によって創る筋肉だよね=振動運動。
呼吸と血流のうねりで、筋肉が内側からほぐされちゃう。
ブリージングストレッチには、他にも手足を振る運動がたくさんあるよね。
背骨を中心に、身体全体を振動させる技もあるし」
「もちろん、手足を振動させて緩めるだけでなく、雑巾がけのように、手足を胴体と連動して引き締める体操もある。

つまり陰陽。
ムチのようにしなやかで柔らかく、必要な時に棒のように固まって支えられる手足は、日常生活やスポーツや仕事の専門動作に役立つ」
「ブリージングストレッチは、本来は胴体を微細に、ダイナミックに動かす身体メソッド。
しかし、基本では、あくまで手足のコリや緊張を取り除くことがメインだよね」
「手足を整えて、内部循環を良くするだけで、痛みや不調はかなり解消されるため。
動ける胴体をつくるためにも、手足の緊張を取ることが必須。
チンパンも胴体力メソッドを知ってから、十数年経つ。
メソッドの創始者・伊藤昇先生の著書を読むと、胴体が動けば、超元氣・健康になり、どんなスポーツや身体運動をやっても、超一流になれる。
頭の働きもバツグンによくなり、他者との距離感もハッキリするので、人間関係も上手くいくようになる。
などと効用がたくさん書いてあり、『こうなれたら素晴らしい』と憧れたものである」
「でも、いまのチンパン君は、そういう境地には、ほど遠いよね(笑)」
「そのとおり。胴体が大して動くようになっていないから当たり前なんだけど(笑)」
「やっぱり注ぐ意識の量が足りないから?」
「それが本質的な原因であろう。
しかし、手足の緊張が、胴体を動かすブレーキになっている面も大きい。
手足が緊張していると、胴体の筋肉を不自然に引っ張り続けるので、その分胴体を動かしにくくなる」
「だから基本で、まず手足をほぐし、整えることが先決って訳か」
「手足にコリがあっても、生まれ持ったセンスで、胴体が結構動く人も居るようである。優秀なアスリートなどがそう。
しかし、手足という毒の排泄ルートが閉じたままで、胴体や背骨をいっぱい動かすと、身体の深部の毒が体内で暴れる危険性がある」
「締め切った部屋の中で、ハタキをかけまくると、ほこりが充満するようなものか。
アスリートに短命な人が多いのは、それも一因かもね」
「なので、ブリージングでは、胴体にアプローチする前に、まず末端を解放する。
胴体を動かす段階に進んでからも、並行して末端は整えて行く」
「胴体が動くようになるのには、時間がかかるけど、手足を整えて内部循環を良くするだけでも、一般の人より遥かに抜きんでた身体になれるもんね」
「そのとおり。四肢は天からのギフトなので、生涯キレイに使いたいものである。
今月のチンパン基礎クラス=8月23日(日)10時半~、ブリージングストレッチ本院 では、毛管運動をはじめ、振動系の体操・組手をたくさん行いたいと思うので、興味のある方は是非ご参加ください」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は毛管運動に挑戦中のボクです。
犬は四つんばいで、いつも手足が心臓より低い位置にあります。
本能的に、しょっちゅう伸びをしたり、ブルブルと身体を振ったりして、内部循環を高めています。
でも、確かに加齢による手足の衰えは避けられないようです。
老犬になったワンちゃんに、飼い主が毛管運動をやってあげたら、足が若返ったという話も聞いたことがあります。
病氣治しに限らず、仕事や勉強、スポーツなどの成績が『振るわない』時は、手足や身体を振ってみることです。
固まって悩んでいると、ドツボにはまります。
振ることは、お祓いでもあり、開運法でもあります。
ボクも手足や背骨、シッポを積極的に振り続けるつもりです~。
つづく
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