自分に優しくなることが、健康・成功の秘訣
- 2015/06/14
- 08:00
「坐骨神経痛を長年患っています。
私は自分にも他人にも厳しい方で、いい加減な人を見ると、つい苦言を呈したくなります。
そのためよく周囲と衝突しますが、坐骨神経痛と関係あるんでしょうか?
炎のファイター」
「坐骨神経痛は、反り腰の人がなりやすい傾向があるんだよね?」
「そのとおり。背骨から出た坐骨神経は、腰を経過して、お尻から下肢へと流れて行く。
ラインの中途にある腰が反りすぎると、腰椎に神経が圧迫されて坐骨神経痛が出る。
ヘルニアが典型。
坐骨神経痛という病氣があるのではなく、症状に過ぎない」
「つまり一種の腰痛ってことか。
たぶん相談者さんも反り腰なんだろうね。
そもそも、どのくらい腰が反っていると反り腰って言うの?」
「足を伸ばして仰向けに寝たときに、腰と床の間に手が入る状態が反り腰。
立っている時や座っている時は、重力に抗するために、背骨はS字状の湾曲を保っている。
寝た途端に不要になるから、背骨はまっすぐになる筈」
「重力の影響恐るべしだね。
宇宙飛行士は、無重力空間で生活するから、背骨の湾曲が無くなっちゃうっていうもんね」
「自覚が無くても、我々の身体には敏感な重力感知センサーが備わっている。
ある宇宙飛行士は、地球に帰ってきて2日目くらいまでは、紙1枚持ってもその重さを感じらると証言している。
腰の状態は呼吸とも関係する。猫背は腰と背中が丸まり、肺が圧迫されるので、当然呼吸は浅くなる。
しかし、腰を反らせすぎても、やはり呼吸は浅くなる。
腰が丸まりすぎもせず、反りすぎもせず、地面とほぼ垂直に立った姿勢が、一番楽に深い呼吸が出来る」
「その状態を、誰でもインスタントにつくれるのが、膝立ちになること。
だからブリージングストレッチの基本には、膝立ちの体操が多いんだよね。
でも人間はずっと膝立ちで生活する訳にはいかないから(笑)、その感覚を羅針盤に、どんな姿勢でも腰を正しいポジションに保てるようにしなきゃね」
「そういうこと。現代日本人のように、腰が丸まって落っこちた姿勢は確かによくない。見た目も美しくない。
しかし西洋人的にピシッと背筋を反らせた姿勢も、やはり身体に負担をかける。
適正に立った腰をつくる体操としては、片足シーソーがいい。
長座から左膝を立てて、両手で膝を抱える。

ゆっくりと上体を後ろに倒していく。腰椎を一本ずつ床に着けて行くイメージを持つ。腰椎3番がちょうどオヘソの真裏。
視線はずっと自分のオヘソを見続ける。伸ばした右足は床から浮かせないこと。

中途でゴロン!と倒れる場合もある。その箇所の腰椎が詰まったり、歪んだりしている。
それでもやろうとするだけで、身体にちゃんと効いている。
ウエスト周辺が全部床に着いたら=腰椎5番まで、また一椎ずつ身体を起こしていく」
「身体をどこまで倒すかはテキトーでいいんだよね?」
「もちろん。
ある武道の先生が、『技を出す時は腰を入れろ!』と講習会で指導した。
そのとき参加者の一人が、『腰とは、どこからどこまでを指すんでしょう?』とツッコミを入れて、すごく怒られたそうである(笑)。
でもその先生も、その質問には明確に答えられなかったと言う」
「アタシたちは身体をそんなに厳格に分けて使っている訳じゃない。アイマイ・テキトーで十分間に合うってことだよね」
「そのとおり。とにかく片足シーソーを続けて行くと、反り過ぎだった腰が適度に伸びて、弾力を取り戻していく。
腰は反りすぎると縮む。
腰が縮むと、お腹がポッコリと出てくる」
「腰とお腹はシーソー関係だもんね。
腰が反った姿勢は、力を出し切った形。そこからもう新しい動き・変化は出てこないもんね。
ずっと反り続ける=緊張しつづけると、腰痛の原因にもなるってわけか」
「片足シーソーは、反りすぎて縮んだ腰を丸める動き。
そして定番の正座仰向け万歳は、丸まった腰を反らせ、縮んだお腹を伸ばす動き。
両方やると、腰が立った状態になってくる」
「でも片足シーソーは苦戦する初心者が多いよね。ゴロン!と後ろに倒れちゃう」
「パートナーが伸ばした右足を軽く押さえてあげると、やりやすくなる。

一人でやるときは、タンスの引き出しなどにつま先を引っ掛けるなどして工夫するといい。
片足シーソーは筋力がある人は、腹筋の頑張りで結構できてしまう。
鳩尾とお腹を固くしてやるほど、動きの質がよくない。
腰の動きだけでコントロールできるのが理想。
だから時々パートナーに足を押さえてもらって確認するといい」
古久澤先生のメルマガとブログに学んで、陰陽のバランスが取れた身体を創ろう。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「ところで、相談者さんの反り腰・坐骨神経痛・性格は全部関係が深いんだよね?」
「当然。
古久澤先生の師・伊藤昇先生の著書『身体革命』にも、
『いつも目立たないと氣がすまない人は、腰が反りすぎて呼吸が浅くなっています。
この姿勢ですと自意識過剰になります』
と書かれている(91ページ)。
その改善には、腰と胴体を丸める体操が有効とも」
「腰が反る=入ると、積極的になるけれど、その状態が定着しちゃうと傲慢になっちゃうってことだね。
確かに目立ちたがり、ドヤ顔で出しゃばる人は、みんな陽性過多。
威張っている人も、みんな腰が反っているよね。
文字どおり、踏ん反り返ってる。
反対に、腰が丸まりすぎ=腰が引けると、引っ込み思案・消極的になっちゃうよね。
猫背にもなるから、悲観的になりやすいし。
全部姿勢に出るってことか」
「形は力を持つからね。だからこそ、体操が有効。
同時に心を整えること。ブリージングで内観を入れるのはそのため」
「スポーツ的なストレッチの観点からすれば、
『なぜあんなにたくさん内観するの?その時間で何種目かこなせるのに』
って疑問が出るけど、目的が違うもんね」
「実はストレッチ中に、『ああ~、いい感じで身体がほぐれてきた~』と感じていても、実はまだ筋肉はゆるみきっていない」
「内観で目を閉じてじっとしている時にこそ、筋肉がリラックスし、呼吸が深まっていくんだもんね」
「そして内観の間に、意識と無意識、そして自分の身体が握手し始める。
普段はこの三者がソッポを向きあっている。つまり仲が悪い。
だからこそ、身体に痛みや不調が出る。つまり自分の身体と調和できていない。
あるいは夢をかなえようとしたときに、なぜかそれに反した行動を取ってしまう。無意識が邪魔するため」
「特に腰は典型だよね。腰は身体の要だもん。
ギックリ腰は頭=建て前は『行こう!』とするんだけど、無意識=本音と、身体が『嫌だよ』とブレーキをかけちゃう。
その綱引きでギックリ腰になっちゃうんだよね」
「だからギックリ腰がクセになっている人は、自分の建て前と本音、頭と身体とを一致させることが必要。
そのためには内観。体操で身体にひとつ刺激を入れたら=陽、身体にその刺激が染み透るのを待つ=陰。
身体を置き去りにして、どんどん次の刺激=体操に行かないこと。
『あしたのジョー』に有名なシーンがある。
少年院内に設けられた特設リング上で、ジョーとライバル・力石が壮絶な死闘を繰り広げていた。
正視に絶えないほど凄惨なシーンに、首謀者の白木葉子は思わず席を立とうとした。
その時ジョーが、
『今さら、どこへずらかろうってんだい、お嬢さん。自分で火をつけといて、火事場からずらかるって法はないぜ。
アンタはこの試合の首謀者なんだ』
と呼びかけた。
体操に置き換えれば、まさしく身体=試合している選手 を放ったらかして、頭=試合の首謀者 がどこかへ行っちゃうような状況」
「『最後まで、目を開いて見届けるんだ!』ってジョーは言ったんだよね。
見届けるのが内観。まあ、目は閉じるけど(笑)。その代わり自分の内側を見る目が開くもんね。
そして内観中だけじゃなく、常に身体に意識を向けることだよね。注ぐ意識の量が足りないところに、不調が出るわけだから。
意識不足のところにぜい肉もついちゃう。
身体を動かす時も、頭で支配しようとするんじゃなくて、
『腰いまから動かすよ』
と呼びかけるくらいでいいんだよね」
「せめて腰椎という言葉くらい覚えよう。名前で呼ばれると、その箇所が明確に目覚めてくる。
昔、おニャン子クラブというアイドルグループが一世を風靡した時代があった」
「いまのAKBみたいなもんだね。仕掛け人が秋元康だもん」
「おニャン子は『会員番号の歌』と言う曲を歌っていた。
『覚えてください~、顔と名前~♪』
と言う歌詞だった。
まず名前を覚えるのがコミュニケーションの出発点。
名前を呼び掛けられ、触れられることで、筋肉は『私は私だ!』と言う自覚を持ち始める」
「筋肉は意志を持っているもんね。身体が完全に自分の味方になれば、痛みも不調もみんな消えちゃう。
夢もかないやすくなるよね。
でも、自分の身体と調和出来るようになるには、ある程度の時間が必要だよね?
取りあえず坐骨神経痛を楽にする方法はないの?」
「組手で内腿を踏んでもらうと、かなり楽になる。
特に内腿付け根(の背中側)からは、坐骨神経痛が出ているので、念入りにほぐそう。
受け手はTVを見るような恰好で右足を下にして横寝になる。
パートナーは同じく右足の足裏で、右足付け根を念入りに踏む。


ドスン!と踏みつけると受け手が緊張するので、静かに足裏を乗せて、だんだん圧をかけると抵抗なく入っていく。
刺激が物足りない人は、足の小指側の足刀(そくとう)で踏んでもいい」
「確かにこれで結構楽になっちゃうよね。
内腿は下半身調整の鍵を握っているもんね」
「ただし根本は自分の無意識・身体と真摯に向き合うこと。
ミステリー作家の夏樹静子は、何年も腰痛を患い、どんな名人から治療を受けても治らなかった」
「心身症だったから当たり前だよね。
意識では『もっと仕事をしたい』と思っていたけど、無意識と身体は『いい加減休みたい』と悲鳴を上げていた」
「夏樹静子は『仕事が大好きな私』というセルフイメージへのこだわりが強かったので、なかなかその事実を認められなかった。
断食によって変性意識に入ることで、ようやく強固なセルフイメージが崩れ始めた」
「体操抜きで変性意識に入るには、断食くらいしかないもんね。
休筆宣言を出すと同時に、腰痛は劇的に改善。くわしい事情は『椅子が怖い』(文春文庫)をお読みください。
ところでチンパン君は、腰を痛めたことは無いの?」
「さいわい足腰は普通の人より丈夫らしく、長らく不調は無かった。
しかし、今年の4月に腰を痛めてしまった」
「え~っ、なんで?」
「朝、起き抜けに少しハード目の体操をいっぱいやったのが原因。
お蔭で1週間ほどかなり腰が痛かった。
正座でお辞儀も出来ず、デングリ返りも出来なくなった」
「アンタも自分の身体と仲良く出来てないんじゃない(笑)?」
「片足シーソーも全然出来なくなった。
腰が痛いと、まったく踏ん張りが効かなくなることを実感。
出来ない人の氣持ちがよく分かった。
指導する上で、いい勉強になった」
「わが身に起きることは、すべて学びだもんね。
ところで腰は治ったの?」
「一週間ほど腰を休めたら、かなり良くなった。
その間は腰に負担をかけない体操ばかりやっていた。
いまでは腰を痛める前に出来たことは、全部出来る
腰にちゃんと謝ったお蔭」
「腰の問題はこのくらいとして、人とよく衝突する相談者さんの性格はどうすればいいんだろう?
体操でよくなっても、まわりと仲良くできなかったら再発するよね」
「相談者さんは、他人よりも、まず自分と仲良くすることを学ぼう。
コミュニケーションというと、『どう他人と上手くやるか?』というテクニックにばかり頭が行く人が多い。
しかし、一番根本にあるのは、自分自身とのコミュニケーション」
「確かに自分と不仲のまんま、他人と表面的に上手くやることばっかり考えていると、不幸・病氣のもとだもんね。
典型的なのが癌やうつ病の人。
古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』にも、
『我慢強い人が、癌やうつ病になりやすい』
って書いてあるし(P170~171)」
「我慢している人は、本音と建て前が分離している。
本音は嫌なのに、無理して『過剰にいい人』を演じてばかりいる」
「確かに社会人として生きていくには、演じることは必要だけど、限度があるよね。
だから、『あんないい人がなぜ!?』ってみんな驚いちゃう。
我慢が身体に出たのが癌で、心に出たのがうつ病。
氣的には同じ病氣」
「相談者さんみたいなタイプは、癌やうつ病にはなりにくいと思う」
「自分にも他人にも厳しいもんね。少なくとも、建て前と本音は分離してないから。
どちらかと言うと、脳梗塞・心筋梗塞などの突然死型かも?」
「チンパンも、人は強くなるためには、自分に厳しくなければいけないと思っていた。
『空手バカ一代』という有名な歌がある。
サビのフレーズは、
『おのれと 敵とに 虹かけて
虹よぶ 拳が 空手道(からてみち)』
という歌詞だった」
「自分と敵の間に、虹=和を結ぶのが、武道(空手)なんだ。ただの暴力とは違うんだ って意味でしょ?
いい歌詞じゃん」
「ところがチンパンは、子どもの頃から、ずっとこの歌詞を
『おのれも 敵とに 道歩む』だと間違って覚えていた(笑)」
「・・・・・なんで、自分が敵なの?」
「すぐ挫けそうになる、弱い自分もまた敵なんだ。
その弱い自分を鞭打って、いじめぬいた先に、強い自分が出来上がるんだ と解釈していた」
「それで強くなったの?」
「いや、もう全然(笑)。肉体的にも精神的にも想い描いていた何十分の一くらいしか強くなれなかった。
そもそも楽しい人生じゃないしね。
『自分に厳しい』とは、自分に出来ないことばかり無理にやろうとし、出来ない自分を責めること。
体操で言うなら、出来ない動きを根性で延々と反復練習すること。
効率的じゃないし、しまいに身体を壊す危険性もある」
「まさしく頭で身体を支配しようとしているもんね。身体の都合なんか無視。
こういうタイプは、食べる時も、身体の状況を無視して食べ過ぎちゃい勝ちだよね。
体操と同じ調子でやっちゃうから」
「対人関係も同様。
自分に厳しい人・少なくとも厳しくあらねばならないと思っている人には、同じように他人にも厳しくなり勝ち。
相手の事情や氣持ちを無視して、自分の主張ばかり押し付けようとする。
相手ができる以上のことを要求し、思い通りにならないとイライラする。
そこから出てくるのは、争い。つまり戦いの人生。
まず自分に優しくなろう。そうすれば身体が痛むことも無くなるし、他人にも優しくなれる」
「でも、『自分に甘い』のはまずいんじゃない?
『自分に優しい』のと、『自分に甘い』の違いは何?」
「自分に甘いのは、自分に出来ることさえやろうとしないで、逃げること。
こういうタイプは、常に他人に依存するばかりで、その癖失敗すると全部誰かのせいにする」
「依存の人生ってことか。やっぱり、しあわせにはなりづらいよね」
「自分に優しいとは、いまの自分に出来ることと、出来ないことを正しく見極めることが出発点。
そして、自分に出来ることを、確実に積み上げていく。
次第に出来ることが増えて行く。
こういうタイプが継続的に成功し、しあわせになりやすい」
「つまり、自立の人生ってわけだね。ブリージングで目指すのは、まずこのレベルだよね」
「もっと上のレベルの生き方もあるらしいけど、いまのチンパンのレベルではよく分からないので、今日はここまで」
「自分に優しいね~(笑)」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、お散歩中に花びらをお鼻にくっつけたボクです。
犬も人間も、自分で自分の顔は見れないので、何かがくっついていても氣づけません。
無意識とはこの花びらのようなものです。無意識に目を向けない生活をしていると、心身に色んな不調が出るらしい。
内観で自分の無意識・身体と向き合うことが、健康法の核心みたいですよ~。
つづく
私は自分にも他人にも厳しい方で、いい加減な人を見ると、つい苦言を呈したくなります。
そのためよく周囲と衝突しますが、坐骨神経痛と関係あるんでしょうか?
炎のファイター」
「坐骨神経痛は、反り腰の人がなりやすい傾向があるんだよね?」
「そのとおり。背骨から出た坐骨神経は、腰を経過して、お尻から下肢へと流れて行く。
ラインの中途にある腰が反りすぎると、腰椎に神経が圧迫されて坐骨神経痛が出る。
ヘルニアが典型。
坐骨神経痛という病氣があるのではなく、症状に過ぎない」
「つまり一種の腰痛ってことか。
たぶん相談者さんも反り腰なんだろうね。
そもそも、どのくらい腰が反っていると反り腰って言うの?」
「足を伸ばして仰向けに寝たときに、腰と床の間に手が入る状態が反り腰。
立っている時や座っている時は、重力に抗するために、背骨はS字状の湾曲を保っている。
寝た途端に不要になるから、背骨はまっすぐになる筈」
「重力の影響恐るべしだね。
宇宙飛行士は、無重力空間で生活するから、背骨の湾曲が無くなっちゃうっていうもんね」
「自覚が無くても、我々の身体には敏感な重力感知センサーが備わっている。
ある宇宙飛行士は、地球に帰ってきて2日目くらいまでは、紙1枚持ってもその重さを感じらると証言している。
腰の状態は呼吸とも関係する。猫背は腰と背中が丸まり、肺が圧迫されるので、当然呼吸は浅くなる。
しかし、腰を反らせすぎても、やはり呼吸は浅くなる。
腰が丸まりすぎもせず、反りすぎもせず、地面とほぼ垂直に立った姿勢が、一番楽に深い呼吸が出来る」
「その状態を、誰でもインスタントにつくれるのが、膝立ちになること。
だからブリージングストレッチの基本には、膝立ちの体操が多いんだよね。
でも人間はずっと膝立ちで生活する訳にはいかないから(笑)、その感覚を羅針盤に、どんな姿勢でも腰を正しいポジションに保てるようにしなきゃね」
「そういうこと。現代日本人のように、腰が丸まって落っこちた姿勢は確かによくない。見た目も美しくない。
しかし西洋人的にピシッと背筋を反らせた姿勢も、やはり身体に負担をかける。
適正に立った腰をつくる体操としては、片足シーソーがいい。
長座から左膝を立てて、両手で膝を抱える。

ゆっくりと上体を後ろに倒していく。腰椎を一本ずつ床に着けて行くイメージを持つ。腰椎3番がちょうどオヘソの真裏。
視線はずっと自分のオヘソを見続ける。伸ばした右足は床から浮かせないこと。

中途でゴロン!と倒れる場合もある。その箇所の腰椎が詰まったり、歪んだりしている。
それでもやろうとするだけで、身体にちゃんと効いている。
ウエスト周辺が全部床に着いたら=腰椎5番まで、また一椎ずつ身体を起こしていく」
「身体をどこまで倒すかはテキトーでいいんだよね?」
「もちろん。
ある武道の先生が、『技を出す時は腰を入れろ!』と講習会で指導した。
そのとき参加者の一人が、『腰とは、どこからどこまでを指すんでしょう?』とツッコミを入れて、すごく怒られたそうである(笑)。
でもその先生も、その質問には明確に答えられなかったと言う」
「アタシたちは身体をそんなに厳格に分けて使っている訳じゃない。アイマイ・テキトーで十分間に合うってことだよね」
「そのとおり。とにかく片足シーソーを続けて行くと、反り過ぎだった腰が適度に伸びて、弾力を取り戻していく。
腰は反りすぎると縮む。
腰が縮むと、お腹がポッコリと出てくる」
「腰とお腹はシーソー関係だもんね。
腰が反った姿勢は、力を出し切った形。そこからもう新しい動き・変化は出てこないもんね。
ずっと反り続ける=緊張しつづけると、腰痛の原因にもなるってわけか」
「片足シーソーは、反りすぎて縮んだ腰を丸める動き。
そして定番の正座仰向け万歳は、丸まった腰を反らせ、縮んだお腹を伸ばす動き。
両方やると、腰が立った状態になってくる」
「でも片足シーソーは苦戦する初心者が多いよね。ゴロン!と後ろに倒れちゃう」
「パートナーが伸ばした右足を軽く押さえてあげると、やりやすくなる。

一人でやるときは、タンスの引き出しなどにつま先を引っ掛けるなどして工夫するといい。
片足シーソーは筋力がある人は、腹筋の頑張りで結構できてしまう。
鳩尾とお腹を固くしてやるほど、動きの質がよくない。
腰の動きだけでコントロールできるのが理想。
だから時々パートナーに足を押さえてもらって確認するといい」
古久澤先生のメルマガとブログに学んで、陰陽のバランスが取れた身体を創ろう。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「ところで、相談者さんの反り腰・坐骨神経痛・性格は全部関係が深いんだよね?」
「当然。
古久澤先生の師・伊藤昇先生の著書『身体革命』にも、
『いつも目立たないと氣がすまない人は、腰が反りすぎて呼吸が浅くなっています。
この姿勢ですと自意識過剰になります』
と書かれている(91ページ)。
その改善には、腰と胴体を丸める体操が有効とも」
「腰が反る=入ると、積極的になるけれど、その状態が定着しちゃうと傲慢になっちゃうってことだね。
確かに目立ちたがり、ドヤ顔で出しゃばる人は、みんな陽性過多。
威張っている人も、みんな腰が反っているよね。
文字どおり、踏ん反り返ってる。
反対に、腰が丸まりすぎ=腰が引けると、引っ込み思案・消極的になっちゃうよね。
猫背にもなるから、悲観的になりやすいし。
全部姿勢に出るってことか」
「形は力を持つからね。だからこそ、体操が有効。
同時に心を整えること。ブリージングで内観を入れるのはそのため」
「スポーツ的なストレッチの観点からすれば、
『なぜあんなにたくさん内観するの?その時間で何種目かこなせるのに』
って疑問が出るけど、目的が違うもんね」
「実はストレッチ中に、『ああ~、いい感じで身体がほぐれてきた~』と感じていても、実はまだ筋肉はゆるみきっていない」
「内観で目を閉じてじっとしている時にこそ、筋肉がリラックスし、呼吸が深まっていくんだもんね」
「そして内観の間に、意識と無意識、そして自分の身体が握手し始める。
普段はこの三者がソッポを向きあっている。つまり仲が悪い。
だからこそ、身体に痛みや不調が出る。つまり自分の身体と調和できていない。
あるいは夢をかなえようとしたときに、なぜかそれに反した行動を取ってしまう。無意識が邪魔するため」
「特に腰は典型だよね。腰は身体の要だもん。
ギックリ腰は頭=建て前は『行こう!』とするんだけど、無意識=本音と、身体が『嫌だよ』とブレーキをかけちゃう。
その綱引きでギックリ腰になっちゃうんだよね」
「だからギックリ腰がクセになっている人は、自分の建て前と本音、頭と身体とを一致させることが必要。
そのためには内観。体操で身体にひとつ刺激を入れたら=陽、身体にその刺激が染み透るのを待つ=陰。
身体を置き去りにして、どんどん次の刺激=体操に行かないこと。
『あしたのジョー』に有名なシーンがある。
少年院内に設けられた特設リング上で、ジョーとライバル・力石が壮絶な死闘を繰り広げていた。
正視に絶えないほど凄惨なシーンに、首謀者の白木葉子は思わず席を立とうとした。
その時ジョーが、
『今さら、どこへずらかろうってんだい、お嬢さん。自分で火をつけといて、火事場からずらかるって法はないぜ。
アンタはこの試合の首謀者なんだ』
と呼びかけた。
体操に置き換えれば、まさしく身体=試合している選手 を放ったらかして、頭=試合の首謀者 がどこかへ行っちゃうような状況」
「『最後まで、目を開いて見届けるんだ!』ってジョーは言ったんだよね。
見届けるのが内観。まあ、目は閉じるけど(笑)。その代わり自分の内側を見る目が開くもんね。
そして内観中だけじゃなく、常に身体に意識を向けることだよね。注ぐ意識の量が足りないところに、不調が出るわけだから。
意識不足のところにぜい肉もついちゃう。
身体を動かす時も、頭で支配しようとするんじゃなくて、
『腰いまから動かすよ』
と呼びかけるくらいでいいんだよね」
「せめて腰椎という言葉くらい覚えよう。名前で呼ばれると、その箇所が明確に目覚めてくる。
昔、おニャン子クラブというアイドルグループが一世を風靡した時代があった」
「いまのAKBみたいなもんだね。仕掛け人が秋元康だもん」
「おニャン子は『会員番号の歌』と言う曲を歌っていた。
『覚えてください~、顔と名前~♪』
と言う歌詞だった。
まず名前を覚えるのがコミュニケーションの出発点。
名前を呼び掛けられ、触れられることで、筋肉は『私は私だ!』と言う自覚を持ち始める」
「筋肉は意志を持っているもんね。身体が完全に自分の味方になれば、痛みも不調もみんな消えちゃう。
夢もかないやすくなるよね。
でも、自分の身体と調和出来るようになるには、ある程度の時間が必要だよね?
取りあえず坐骨神経痛を楽にする方法はないの?」
「組手で内腿を踏んでもらうと、かなり楽になる。
特に内腿付け根(の背中側)からは、坐骨神経痛が出ているので、念入りにほぐそう。
受け手はTVを見るような恰好で右足を下にして横寝になる。
パートナーは同じく右足の足裏で、右足付け根を念入りに踏む。


ドスン!と踏みつけると受け手が緊張するので、静かに足裏を乗せて、だんだん圧をかけると抵抗なく入っていく。
刺激が物足りない人は、足の小指側の足刀(そくとう)で踏んでもいい」
「確かにこれで結構楽になっちゃうよね。
内腿は下半身調整の鍵を握っているもんね」
「ただし根本は自分の無意識・身体と真摯に向き合うこと。
ミステリー作家の夏樹静子は、何年も腰痛を患い、どんな名人から治療を受けても治らなかった」
「心身症だったから当たり前だよね。
意識では『もっと仕事をしたい』と思っていたけど、無意識と身体は『いい加減休みたい』と悲鳴を上げていた」
「夏樹静子は『仕事が大好きな私』というセルフイメージへのこだわりが強かったので、なかなかその事実を認められなかった。
断食によって変性意識に入ることで、ようやく強固なセルフイメージが崩れ始めた」
「体操抜きで変性意識に入るには、断食くらいしかないもんね。
休筆宣言を出すと同時に、腰痛は劇的に改善。くわしい事情は『椅子が怖い』(文春文庫)をお読みください。
ところでチンパン君は、腰を痛めたことは無いの?」
「さいわい足腰は普通の人より丈夫らしく、長らく不調は無かった。
しかし、今年の4月に腰を痛めてしまった」
「え~っ、なんで?」
「朝、起き抜けに少しハード目の体操をいっぱいやったのが原因。
お蔭で1週間ほどかなり腰が痛かった。
正座でお辞儀も出来ず、デングリ返りも出来なくなった」
「アンタも自分の身体と仲良く出来てないんじゃない(笑)?」
「片足シーソーも全然出来なくなった。
腰が痛いと、まったく踏ん張りが効かなくなることを実感。
出来ない人の氣持ちがよく分かった。
指導する上で、いい勉強になった」
「わが身に起きることは、すべて学びだもんね。
ところで腰は治ったの?」
「一週間ほど腰を休めたら、かなり良くなった。
その間は腰に負担をかけない体操ばかりやっていた。
いまでは腰を痛める前に出来たことは、全部出来る
腰にちゃんと謝ったお蔭」
「腰の問題はこのくらいとして、人とよく衝突する相談者さんの性格はどうすればいいんだろう?
体操でよくなっても、まわりと仲良くできなかったら再発するよね」
「相談者さんは、他人よりも、まず自分と仲良くすることを学ぼう。
コミュニケーションというと、『どう他人と上手くやるか?』というテクニックにばかり頭が行く人が多い。
しかし、一番根本にあるのは、自分自身とのコミュニケーション」
「確かに自分と不仲のまんま、他人と表面的に上手くやることばっかり考えていると、不幸・病氣のもとだもんね。
典型的なのが癌やうつ病の人。
古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』にも、
『我慢強い人が、癌やうつ病になりやすい』
って書いてあるし(P170~171)」
「我慢している人は、本音と建て前が分離している。
本音は嫌なのに、無理して『過剰にいい人』を演じてばかりいる」
「確かに社会人として生きていくには、演じることは必要だけど、限度があるよね。
だから、『あんないい人がなぜ!?』ってみんな驚いちゃう。
我慢が身体に出たのが癌で、心に出たのがうつ病。
氣的には同じ病氣」
「相談者さんみたいなタイプは、癌やうつ病にはなりにくいと思う」
「自分にも他人にも厳しいもんね。少なくとも、建て前と本音は分離してないから。
どちらかと言うと、脳梗塞・心筋梗塞などの突然死型かも?」
「チンパンも、人は強くなるためには、自分に厳しくなければいけないと思っていた。
『空手バカ一代』という有名な歌がある。
サビのフレーズは、
『おのれと 敵とに 虹かけて
虹よぶ 拳が 空手道(からてみち)』
という歌詞だった」
「自分と敵の間に、虹=和を結ぶのが、武道(空手)なんだ。ただの暴力とは違うんだ って意味でしょ?
いい歌詞じゃん」
「ところがチンパンは、子どもの頃から、ずっとこの歌詞を
『おのれも 敵とに 道歩む』だと間違って覚えていた(笑)」
「・・・・・なんで、自分が敵なの?」
「すぐ挫けそうになる、弱い自分もまた敵なんだ。
その弱い自分を鞭打って、いじめぬいた先に、強い自分が出来上がるんだ と解釈していた」
「それで強くなったの?」
「いや、もう全然(笑)。肉体的にも精神的にも想い描いていた何十分の一くらいしか強くなれなかった。
そもそも楽しい人生じゃないしね。
『自分に厳しい』とは、自分に出来ないことばかり無理にやろうとし、出来ない自分を責めること。
体操で言うなら、出来ない動きを根性で延々と反復練習すること。
効率的じゃないし、しまいに身体を壊す危険性もある」
「まさしく頭で身体を支配しようとしているもんね。身体の都合なんか無視。
こういうタイプは、食べる時も、身体の状況を無視して食べ過ぎちゃい勝ちだよね。
体操と同じ調子でやっちゃうから」
「対人関係も同様。
自分に厳しい人・少なくとも厳しくあらねばならないと思っている人には、同じように他人にも厳しくなり勝ち。
相手の事情や氣持ちを無視して、自分の主張ばかり押し付けようとする。
相手ができる以上のことを要求し、思い通りにならないとイライラする。
そこから出てくるのは、争い。つまり戦いの人生。
まず自分に優しくなろう。そうすれば身体が痛むことも無くなるし、他人にも優しくなれる」
「でも、『自分に甘い』のはまずいんじゃない?
『自分に優しい』のと、『自分に甘い』の違いは何?」
「自分に甘いのは、自分に出来ることさえやろうとしないで、逃げること。
こういうタイプは、常に他人に依存するばかりで、その癖失敗すると全部誰かのせいにする」
「依存の人生ってことか。やっぱり、しあわせにはなりづらいよね」
「自分に優しいとは、いまの自分に出来ることと、出来ないことを正しく見極めることが出発点。
そして、自分に出来ることを、確実に積み上げていく。
次第に出来ることが増えて行く。
こういうタイプが継続的に成功し、しあわせになりやすい」
「つまり、自立の人生ってわけだね。ブリージングで目指すのは、まずこのレベルだよね」
「もっと上のレベルの生き方もあるらしいけど、いまのチンパンのレベルではよく分からないので、今日はここまで」
「自分に優しいね~(笑)」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、お散歩中に花びらをお鼻にくっつけたボクです。
犬も人間も、自分で自分の顔は見れないので、何かがくっついていても氣づけません。
無意識とはこの花びらのようなものです。無意識に目を向けない生活をしていると、心身に色んな不調が出るらしい。
内観で自分の無意識・身体と向き合うことが、健康法の核心みたいですよ~。
つづく
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