正座が身体を変える
- 2015/04/26
- 08:00
「お茶・お花を始めた20代女性です。
正座が苦手で、すぐ足がしびれてしまい、優雅な所作どころではありません。
正座が楽に出来るようになる体操は無いでしょうか?
ちなみに、私の母(50代)は、膝が痛くて正座が出来ません。その解決法もあったら教えてください。
正座の効用についても知りたいです。
ヤマトナデシコへの道は遠く」
「正座ですぐ足が痺れるのは、お腹が縮んでいるからだよね?」
「そのとおり。なぜお腹が縮むのかと言うと、過食で胃腸が下垂しているから。
つまり、お腹=腸が汚いということ。
16時間酵素断食で、腸から滞留便が排泄されていけば、だんだん正座がしやすくなっていく」
「お腹を伸ばす体操=アシカのポーズとかもいいよね。
正座から左足を後ろに伸ばして、右の踵を左股関節に当てちゃう。
両手を床について上半身を支えて背筋を伸ばす。
そして右のお尻を床に倒して床につけると、右のお尻がストレッチされちゃう。

下痢の人は右のお尻が固くなっているから、下痢解消に効くよね(便秘の人は左のお尻が固い)。
次にお尻を左に倒すと、右踵が左股関節に食い込んで、鼠蹊部(そけいぶ)のリンパが刺激される。左足の血行もよくなるしね。

股関節の詰まりが無くなれば、足も楽に動くようになっちゃう。
そして左のお腹も伸ばされる。左側のインナーマッスル=腸腰筋が刺激されるから、正座もやりやすくなるって訳」
「更に刺激を求める人は、胴体を捻じって、右の肩越しに左足を見に行く。
その状態で左右に上半身を微振動。深く身体に刺激が入っていく。

この体操を左右丁寧に行うと、かなりお腹が柔らかくなって、伸びてくる。
昔、古久澤先生が、ある人に会いに行ったとき、長時間待たされた。
正座で待っていて、少し痺れが来たと感じたら、アシカのポーズをやってお腹を伸ばした。
お蔭でかなり長時間経ったのに、正座が全然崩れていないので、先方も
『この人は、ただ者じゃない』
と感じたらしく、一目置かれるようになったとのお話」
「そのことに氣づいた相手も、見る目があるってことだね。
電車とかで、大股開きで踏ん反り返って座っている人って、一見強そうだけど、見かけ倒し。
力が全部外に漏れて行く身体ってことだもん」
「正解。人間老化するほどに、力を中心に集められなくなる。
だから病氣にもなりやすくなるし、体型も崩れて行く。
正座は身体の中心に力を集める姿勢に、自然になる。
股関節・骨盤も整う」
「正座以外の座り方って、知らず知らずのうちに骨盤を歪めやすいもんね。
胡坐(あぐら)は内側に組んだ側の足の股関節が、より開いちゃう。
だから左足が長い人が、左足を内側にして胡坐をかくと、ますます左足が長くなっちゃうんだよね」
「厄介なことに、左足が長い人は左股関節が楽に開くから、無意識に左足を内側にして胡坐をかきやすい。
だから日常生活で身体の歪みが蓄積されていく。
重心も左右アンバランスになって、姿勢も傾きやすい。

胡坐は、腰が丸まって猫背になり、顎が前に突き出た姿勢になりやすいという弊害もある」
「いわゆる老人体型だね。身体に負担がかかるし、呼吸も浅くなり勝ち。

正座だと、自然に腰が入るしね=生理的湾曲。かと言って反り腰でもなく、腰が立った状態。
背筋が伸びて、胸も開いて呼吸も深まる。

背筋の延長ですっと首を伸ばすと、後頭部のツボも刺激されるから、頭の働きもよくなっちゃう」

古久澤先生のメルマガとブログに学んで、キレイで心身にいい姿勢を身に着けよう!
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「横座りも骨盤を歪める。一般的に左足が長い人は、左のお尻を落として横座りになる方が楽。
左股関節が開きやすくなるから。これでドンドン骨盤が歪んでいく。

椅子に座った時も、左足を上にして足を組むのが楽なので、無意識にそうしてしまう」

「片膝立ちも、左足が長い人は、左の骨盤が前に出ているから、左膝を立てた方が、しっくり来るんだよね」

「だから、左足が長い人は、わざと右足を内側にして胡坐をかいたり、横座りになると修正法になる。
椅子に座るときも右足を上にして組む。
片膝立ちも右膝を立てる。
そして、ここまでの説明でピンと来たと思うけど、正座が苦手なのは、股関節・骨盤の歪みからも来ているということである」
「だから体操で骨盤を整えて行くことだよね。
正座自体が、骨盤の歪み判定のバロメーター・修正法にもなるし。
古久澤先生の著書、『寝ているうちにやせるカラダになる!ブリージングストレッチ』=『寝てやせ』の32~33ページにも、正座について写真つきで詳しく解説されているもんね。
正座にも色んな座り方があるけど、ブリージングでは左右の踵を出来るだけくっつけた座り方が正座。
骨盤が歪んでいる人は、お尻を乗せた途端にパカッ!と開いちゃう。または時間が経つと踵が開いて行く」

「体操をして骨盤が整ってくると、踵が開かなくなってくる。

だから体操でひとつ身体に刺激を入れた後は、正座に戻って変化を確認する。
面白いことに、上半身の体操をやっただけでも、正座がやりやすくなる」
「全身の骨格は連動していて、最後は骨盤に行っちゃうからだよね」
「正座すると、呼吸が深くなる。
背筋が伸びて胸が開くばかりではなく、お腹が地面に近づく=重心が下がるので、その分息も深くなりやすい。
正座すると軸も出来て、首が立つので、思考も歪みにくくなる」
「思考を司るのは首だもんね。
だから悩むなら、正座で悩むべきだよ」
「そういうこと。考えるなら、解決法が出るような姿勢で考えよう。
捻じれたり、歪んだ姿勢で悩むと、思考も歪んで堂々巡りになる。
姿勢のいい不良は居ない。
正座になると、邪まな想いも出にくくなる」
「まさしく、正しい座り方=正座だよね。心を清らかにする座り方=『清座』って書いてもいいかも?
身体も整えてくれるから、『整座』でもあるし。見た目も美しいもんね」
「身体の勢いを表す座り方=『勢座』とも言える。人の勢いは背中に出る。正座してすっと伸びた背中には勢いがある。
実際に正座は静止した状態から、素早く動き出すことが出来る=勢いを秘めている。
重心が股関節の一点に決まりやすいため=股関節の捉え」
「胡坐は腰も重心も後ろに引けやすいから、動き出すのがワンテンポ遅れがち。
横座りは重心が左右に偏るから、動くときも左右差が出るもんね」
「茶道、華道、書道、武道など、およそ道と名のつく日本の稽古事が、正座での所作を基本としているのは、そうした理由がある。
つまり動きやすく、見た目も美しく、心も清らかになって集中力も高まりやすいため」
「だから本来は、芸道や武道をやっていて、『正座が苦手です』は、あっちゃいかんってことだよね」
「江上茂という空手の先生は、『正座こそ稽古そのもの』だと言う言葉を遺している。
合氣道や居合も、正座を中心とした座技(ざぎ)を重視している。
腰を落とした状態で自在に技が使えるようになれば、立ったらもっと楽に動けるため」
「でも武道の技を使うときは=護身術、どんな姿勢・座り方からでも動けないとダメなんじゃない?
だっていつ襲われるか分からないんだから」
「そのとおり。最終的にはどんな姿勢でも股関節で捉えることが必要。
しかし、いきなりそんなことは出来ないので、まず正座=型にはめて身体の基本を創っていく」
「相談者さんに限らず、いまの日本人は足腰が弱すぎるよね。
正座させられたとか、立たされたって聞くと、体罰やシゴキを連想するくらいだから」
「日本人は立つのも嫌いだから、氣功のように立つのが基本のメソッドは、なかなか流行りづらい。
歩く方がじっと立つよりも楽。だからウオーキングは愛好する人が多い。
しかし、下手に動き回るよりも、じっと立っていたり、正座している方が、余程足腰を丈夫にしてくれる」
「そういうチンパン君は、何分くらい正座出来るの?」
「先日、正座で目をつぶって内観したら、40分座れた。
もっとやれそうだったけど、40分が基本単位なので、そこで終了。
椅子に座って内観していると、寝てしまいやすい。
正座は適度に足がキツイので、持ちこたえやすい」
「座禅は結跏趺坐(けっかふざ)=胡坐をかいて、右足先を左内腿に乗せ、左足先を右内腿に乗せる が基本だけど、あの形自体、素人には難しいもんね。
腰も丸くなりやすいし」
「相談者さんも、少しずつ正座を長時間出来るようにトライして欲しい。
正座して食事をすると、食べ過ぎにくくなるというメリットもある」
「つまり、ダイエットにも役立つって訳だね。
やっぱり正座で脳が安定するから?」
「そのとおり。
正座でお腹が伸びるからでもある。
食べ過ぎると胃腸が落ちて、お腹が縮んで来るので、身体が不快になって自然にストップがかかる。
正座でも食べ過ぎる人は、よほど身体の感度が鈍っていると言っていい」
「胡坐だと、最初っからお腹が折れて縮んでいるから、食べ過ぎやすいもんね。
トンビ足でお尻を落として座っている女性が多いけど、あれが一番太るんだよね。
骨盤が開いちゃうから。
あのままお菓子をポリポリやっていると、オバサン体型一直線。

ところで相談者さんのお母さんのように、膝が痛くて正座出来ない人は、どうすればいいの?」
「膝裏を刺激するとよい。
いま、左膝が痛いと仮定。受け手はうつ伏せに寝る。
施術者は、受け手の左足先を持ち上げる。そして受け手の左膝裏に、施術者の左足先をはさむ。

その状態で、受け手の左のお尻に、左足先を近づけて行く。
足裏がお尻につくのが正常。

しかし、つかない場合は無理にそれ以上押し込まない。
止まった位置で左右に小さく揺らす。
受け手の左膝裏に、施術者の足先が食い込んで、膝裏の詰まりが解消されていく。
これで左のお尻に、左足裏がくっつきやすくなる」
「つまり、それだけ正座しやすくなるって訳か」
「以前、古久澤先生がある健康ランドに行ったとき、この組手が役立ったと言う。
そこでたまたま仲良くなった、膝の悪いおばあちゃんにやってあげたら、その場で正座が出来るようになった。
もちろん、効果は永続しないけど、やった日くらいはもつ」
「おばあちゃんは喜んだだろうね」
「それを見た周りの中高年者たちが、『私にもやってください!』と殺到した。
しまいには、20人ほど並んだそうである。その健康ランドのサービスの一環だと勘違いされたらしい(笑)。
古久澤先生は全員に施術され、大変喜ばれたとのこと」
「『プロの整体師は、連続50人くらいは、息も切らせずに技をかけられるとよい』って、古久澤先生はおっしゃっているもんね。
でもさ、一人で膝裏を刺激するにはどうするの?」
「ゴルフボールを活用するといい。
刺激したい側の膝を立てて、陸上のクラウチングスタートのような姿勢になる。

立てた膝裏にゴルフボールを挟み、膝を抱えて前後に小さく微振動。

これで膝裏だけでなく、その側のアキレス腱、背中、首、後頭部までがストレッチされる。
経絡では膀胱経(ぼうこうけい)に効く。
この体操は山登りや旅行に行ったときに、筋肉痛の予防にも役立つ」
「相談者さんは今日の情報を活かして、『正座美人』を目指してくださいね~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)

ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。
写真は色っぽく横座りしたボクです。
チンパン君は、正座したボクの写真が欲しかったみたいですが、さすがに犬には無理なので諦めてください(笑)。
でも人間の場合、膝が痛くて正座が出来ないのはまずいです。
膝は脳と直結しているからです。
そのまま放っておくと、脳の老化も早まるリスクがあるので、体操や食事法でしっかり膝をケアしましょ~。
つづく
正座が苦手で、すぐ足がしびれてしまい、優雅な所作どころではありません。
正座が楽に出来るようになる体操は無いでしょうか?
ちなみに、私の母(50代)は、膝が痛くて正座が出来ません。その解決法もあったら教えてください。
正座の効用についても知りたいです。
ヤマトナデシコへの道は遠く」
「正座ですぐ足が痺れるのは、お腹が縮んでいるからだよね?」
「そのとおり。なぜお腹が縮むのかと言うと、過食で胃腸が下垂しているから。
つまり、お腹=腸が汚いということ。
16時間酵素断食で、腸から滞留便が排泄されていけば、だんだん正座がしやすくなっていく」
「お腹を伸ばす体操=アシカのポーズとかもいいよね。
正座から左足を後ろに伸ばして、右の踵を左股関節に当てちゃう。
両手を床について上半身を支えて背筋を伸ばす。
そして右のお尻を床に倒して床につけると、右のお尻がストレッチされちゃう。

下痢の人は右のお尻が固くなっているから、下痢解消に効くよね(便秘の人は左のお尻が固い)。
次にお尻を左に倒すと、右踵が左股関節に食い込んで、鼠蹊部(そけいぶ)のリンパが刺激される。左足の血行もよくなるしね。

股関節の詰まりが無くなれば、足も楽に動くようになっちゃう。
そして左のお腹も伸ばされる。左側のインナーマッスル=腸腰筋が刺激されるから、正座もやりやすくなるって訳」
「更に刺激を求める人は、胴体を捻じって、右の肩越しに左足を見に行く。
その状態で左右に上半身を微振動。深く身体に刺激が入っていく。

この体操を左右丁寧に行うと、かなりお腹が柔らかくなって、伸びてくる。
昔、古久澤先生が、ある人に会いに行ったとき、長時間待たされた。
正座で待っていて、少し痺れが来たと感じたら、アシカのポーズをやってお腹を伸ばした。
お蔭でかなり長時間経ったのに、正座が全然崩れていないので、先方も
『この人は、ただ者じゃない』
と感じたらしく、一目置かれるようになったとのお話」
「そのことに氣づいた相手も、見る目があるってことだね。
電車とかで、大股開きで踏ん反り返って座っている人って、一見強そうだけど、見かけ倒し。
力が全部外に漏れて行く身体ってことだもん」
「正解。人間老化するほどに、力を中心に集められなくなる。
だから病氣にもなりやすくなるし、体型も崩れて行く。
正座は身体の中心に力を集める姿勢に、自然になる。
股関節・骨盤も整う」
「正座以外の座り方って、知らず知らずのうちに骨盤を歪めやすいもんね。
胡坐(あぐら)は内側に組んだ側の足の股関節が、より開いちゃう。
だから左足が長い人が、左足を内側にして胡坐をかくと、ますます左足が長くなっちゃうんだよね」
「厄介なことに、左足が長い人は左股関節が楽に開くから、無意識に左足を内側にして胡坐をかきやすい。
だから日常生活で身体の歪みが蓄積されていく。
重心も左右アンバランスになって、姿勢も傾きやすい。

胡坐は、腰が丸まって猫背になり、顎が前に突き出た姿勢になりやすいという弊害もある」
「いわゆる老人体型だね。身体に負担がかかるし、呼吸も浅くなり勝ち。

正座だと、自然に腰が入るしね=生理的湾曲。かと言って反り腰でもなく、腰が立った状態。
背筋が伸びて、胸も開いて呼吸も深まる。

背筋の延長ですっと首を伸ばすと、後頭部のツボも刺激されるから、頭の働きもよくなっちゃう」

古久澤先生のメルマガとブログに学んで、キレイで心身にいい姿勢を身に着けよう!
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「横座りも骨盤を歪める。一般的に左足が長い人は、左のお尻を落として横座りになる方が楽。
左股関節が開きやすくなるから。これでドンドン骨盤が歪んでいく。

椅子に座った時も、左足を上にして足を組むのが楽なので、無意識にそうしてしまう」

「片膝立ちも、左足が長い人は、左の骨盤が前に出ているから、左膝を立てた方が、しっくり来るんだよね」

「だから、左足が長い人は、わざと右足を内側にして胡坐をかいたり、横座りになると修正法になる。
椅子に座るときも右足を上にして組む。
片膝立ちも右膝を立てる。
そして、ここまでの説明でピンと来たと思うけど、正座が苦手なのは、股関節・骨盤の歪みからも来ているということである」
「だから体操で骨盤を整えて行くことだよね。
正座自体が、骨盤の歪み判定のバロメーター・修正法にもなるし。
古久澤先生の著書、『寝ているうちにやせるカラダになる!ブリージングストレッチ』=『寝てやせ』の32~33ページにも、正座について写真つきで詳しく解説されているもんね。
正座にも色んな座り方があるけど、ブリージングでは左右の踵を出来るだけくっつけた座り方が正座。
骨盤が歪んでいる人は、お尻を乗せた途端にパカッ!と開いちゃう。または時間が経つと踵が開いて行く」

「体操をして骨盤が整ってくると、踵が開かなくなってくる。

だから体操でひとつ身体に刺激を入れた後は、正座に戻って変化を確認する。
面白いことに、上半身の体操をやっただけでも、正座がやりやすくなる」
「全身の骨格は連動していて、最後は骨盤に行っちゃうからだよね」
「正座すると、呼吸が深くなる。
背筋が伸びて胸が開くばかりではなく、お腹が地面に近づく=重心が下がるので、その分息も深くなりやすい。
正座すると軸も出来て、首が立つので、思考も歪みにくくなる」
「思考を司るのは首だもんね。
だから悩むなら、正座で悩むべきだよ」
「そういうこと。考えるなら、解決法が出るような姿勢で考えよう。
捻じれたり、歪んだ姿勢で悩むと、思考も歪んで堂々巡りになる。
姿勢のいい不良は居ない。
正座になると、邪まな想いも出にくくなる」
「まさしく、正しい座り方=正座だよね。心を清らかにする座り方=『清座』って書いてもいいかも?
身体も整えてくれるから、『整座』でもあるし。見た目も美しいもんね」
「身体の勢いを表す座り方=『勢座』とも言える。人の勢いは背中に出る。正座してすっと伸びた背中には勢いがある。
実際に正座は静止した状態から、素早く動き出すことが出来る=勢いを秘めている。
重心が股関節の一点に決まりやすいため=股関節の捉え」
「胡坐は腰も重心も後ろに引けやすいから、動き出すのがワンテンポ遅れがち。
横座りは重心が左右に偏るから、動くときも左右差が出るもんね」
「茶道、華道、書道、武道など、およそ道と名のつく日本の稽古事が、正座での所作を基本としているのは、そうした理由がある。
つまり動きやすく、見た目も美しく、心も清らかになって集中力も高まりやすいため」
「だから本来は、芸道や武道をやっていて、『正座が苦手です』は、あっちゃいかんってことだよね」
「江上茂という空手の先生は、『正座こそ稽古そのもの』だと言う言葉を遺している。
合氣道や居合も、正座を中心とした座技(ざぎ)を重視している。
腰を落とした状態で自在に技が使えるようになれば、立ったらもっと楽に動けるため」
「でも武道の技を使うときは=護身術、どんな姿勢・座り方からでも動けないとダメなんじゃない?
だっていつ襲われるか分からないんだから」
「そのとおり。最終的にはどんな姿勢でも股関節で捉えることが必要。
しかし、いきなりそんなことは出来ないので、まず正座=型にはめて身体の基本を創っていく」
「相談者さんに限らず、いまの日本人は足腰が弱すぎるよね。
正座させられたとか、立たされたって聞くと、体罰やシゴキを連想するくらいだから」
「日本人は立つのも嫌いだから、氣功のように立つのが基本のメソッドは、なかなか流行りづらい。
歩く方がじっと立つよりも楽。だからウオーキングは愛好する人が多い。
しかし、下手に動き回るよりも、じっと立っていたり、正座している方が、余程足腰を丈夫にしてくれる」
「そういうチンパン君は、何分くらい正座出来るの?」
「先日、正座で目をつぶって内観したら、40分座れた。
もっとやれそうだったけど、40分が基本単位なので、そこで終了。
椅子に座って内観していると、寝てしまいやすい。
正座は適度に足がキツイので、持ちこたえやすい」
「座禅は結跏趺坐(けっかふざ)=胡坐をかいて、右足先を左内腿に乗せ、左足先を右内腿に乗せる が基本だけど、あの形自体、素人には難しいもんね。
腰も丸くなりやすいし」
「相談者さんも、少しずつ正座を長時間出来るようにトライして欲しい。
正座して食事をすると、食べ過ぎにくくなるというメリットもある」
「つまり、ダイエットにも役立つって訳だね。
やっぱり正座で脳が安定するから?」
「そのとおり。
正座でお腹が伸びるからでもある。
食べ過ぎると胃腸が落ちて、お腹が縮んで来るので、身体が不快になって自然にストップがかかる。
正座でも食べ過ぎる人は、よほど身体の感度が鈍っていると言っていい」
「胡坐だと、最初っからお腹が折れて縮んでいるから、食べ過ぎやすいもんね。
トンビ足でお尻を落として座っている女性が多いけど、あれが一番太るんだよね。
骨盤が開いちゃうから。
あのままお菓子をポリポリやっていると、オバサン体型一直線。

ところで相談者さんのお母さんのように、膝が痛くて正座出来ない人は、どうすればいいの?」
「膝裏を刺激するとよい。
いま、左膝が痛いと仮定。受け手はうつ伏せに寝る。
施術者は、受け手の左足先を持ち上げる。そして受け手の左膝裏に、施術者の左足先をはさむ。

その状態で、受け手の左のお尻に、左足先を近づけて行く。
足裏がお尻につくのが正常。

しかし、つかない場合は無理にそれ以上押し込まない。
止まった位置で左右に小さく揺らす。
受け手の左膝裏に、施術者の足先が食い込んで、膝裏の詰まりが解消されていく。
これで左のお尻に、左足裏がくっつきやすくなる」
「つまり、それだけ正座しやすくなるって訳か」
「以前、古久澤先生がある健康ランドに行ったとき、この組手が役立ったと言う。
そこでたまたま仲良くなった、膝の悪いおばあちゃんにやってあげたら、その場で正座が出来るようになった。
もちろん、効果は永続しないけど、やった日くらいはもつ」
「おばあちゃんは喜んだだろうね」
「それを見た周りの中高年者たちが、『私にもやってください!』と殺到した。
しまいには、20人ほど並んだそうである。その健康ランドのサービスの一環だと勘違いされたらしい(笑)。
古久澤先生は全員に施術され、大変喜ばれたとのこと」
「『プロの整体師は、連続50人くらいは、息も切らせずに技をかけられるとよい』って、古久澤先生はおっしゃっているもんね。
でもさ、一人で膝裏を刺激するにはどうするの?」
「ゴルフボールを活用するといい。
刺激したい側の膝を立てて、陸上のクラウチングスタートのような姿勢になる。

立てた膝裏にゴルフボールを挟み、膝を抱えて前後に小さく微振動。

これで膝裏だけでなく、その側のアキレス腱、背中、首、後頭部までがストレッチされる。
経絡では膀胱経(ぼうこうけい)に効く。
この体操は山登りや旅行に行ったときに、筋肉痛の予防にも役立つ」
「相談者さんは今日の情報を活かして、『正座美人』を目指してくださいね~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)

ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。
写真は色っぽく横座りしたボクです。
チンパン君は、正座したボクの写真が欲しかったみたいですが、さすがに犬には無理なので諦めてください(笑)。
でも人間の場合、膝が痛くて正座が出来ないのはまずいです。
膝は脳と直結しているからです。
そのまま放っておくと、脳の老化も早まるリスクがあるので、体操や食事法でしっかり膝をケアしましょ~。
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