落ち着きを身に着けるには?
- 2015/04/12
- 06:00
「すごいアガリ症です。
1か月後に、結婚式のスピーチを控えていますが、当日絶句しないか心配です。
アガらない体操はあるでしょうか?
人と言う字を飲んでも効かない男」
「『掌に人という字を、三回書いて飲むと、アガラない』ってオマジナイは、本当に効くのかな?」
「おそらく『人を飲んでしまえ』という、『見立て』の技。
イメージのすぐれた人、言葉を技にしている人には、確かに効くと思う。
しかし、効かない人には効かない。
ある結婚式で、スピーチ役の人がこのオマジナイをやったにも関わらず、完全にアガッテしまった。
その人は、『みなさん!私は・・・、私は・・・・』と言った後、長らく沈黙した」
「ず~っと、黙ったまま?」
「ようやく言葉を発したと思ったら、『私は誰でしょう!?』と叫んだと言う」
「完全に自分を見失っているね(笑)。
アガルって、氣が上がって、自分がどこかへ行っちゃうことだもん。
応急処置としては、古久澤先生の著書『子ども整体』でも紹介されている、耳揉みがいいよね(56ページ)。
親指と人差し指で両耳の耳たぶをつかんで、上下左右に引っ張る。

次に前に後ろに、大きくゆっくりと回す。

これだけで氣が下がって、心が落ち着くもんね。どこでもすぐ出来るし。
耳は腎臓=不安・恐怖の内臓 ともつながっているし。
耳揉みで間接的に腎臓もストレッチ出来ちゃう」
「他に股関節からアプローチする方法もある。
左足が長い人は無口で、右足が長い人はおしゃべりな傾向を持つ(あくまで傾向です)」
「だったらスピーチの時なんかは、右足が長い方が有利かもね。
でも、どうやって右足を長くするの?」
「事前に別室やトイレなど、人目が無い場所へ行く。
そして左足を軸にして、右足で歩いて、その場でグルグルと回転する。
コンパスで円を描くのと同じ動き。36回転もすればいい。

これで右股関節が外に開いていくから、その分右足が長くなる。スピーチを終えるくらいまではもつ」
「う~ん、端から見ていると異様だけど(笑)、原理的には正しいよね」
「その場で足踏みするのも効く。
わざと右足を思い切り高く上げ、左足を低く上げると、右足が長くなって行く」


「ハードル走の選手は、同じ足でハードルを飛び越えるから、そっちの足がドンドン長くなって行く=歪み と同じだね」
「この修正法は、お腹の具合が悪いなどの消化器系の不調を抱える人にも有効。
婦人科系・泌尿器系の不調も同様。
咳が止まらないなど、呼吸器系・循環器系の不調を抱えた人は、左足を高くして足踏みすべし。
『子ども整体』の19ページにも書かれているけど、皮膚接触もアガリ防止・回復には重要。
パニックになった人は、自分の皮膚=身体に触れるとよい。
『私はいま、ここにいる』という自己認識力が発動するので、パニックから回復できる。
掌に人という字を書くオマジナイも、掌に触れるという意味でも役立つと思われる」
「まして、掌は内臓で言うと心臓とつながっているもんね。
皮膚感覚は、自己信頼力=自信 の養成にもつながるから、普段から皮膚接触をやっていれば、パニックに陥りにくい性格になるし」
「しかし、現代日本人は異常なほど皮膚接触を嫌う。
満員電車の中で、やれ押された、やれ肩が触れたと言ってケンカするのは異常」
「それを補うために、ブリージングの教室では、生徒同士で背中を撫で下ろしあったり、叩きあったりするもんね(基本的に同性同士で行う)。
撫でるのは陰性の刺激。皮膚を撫で下ろされると、氣も一緒に下がっちゃう。
叩くのは陽の刺激で元氣注入。
アントニオ猪木さんの闘魂注入張り手も陽性だよね(笑)」
「子どもの頃から十分なスキンシップを経験してきた人は、自分の能力を十分に発揮できる大人になる=リラックスできるから。
コミュニケーションも上手になるので、社会の中で頭角を現しやすい」
「以前は、『6歳までに皮膚感覚を開発しないと手遅れ』って言われていたけど、最近の脳科学の研究だと、大人になっても取り戻せるって証明されてきたもんね」
「チンパンもスキンシップが足りなかったのか、組手などで人の身体に触れられると、緊張するクセが長らく抜けなかった。
整体の背骨詰まり抜きの技をかけられても、無意識に固まってブロックしてしまうので、背骨の詰まりが抜けなかった。
古久澤先生からは『人を信じていないからだ』と指摘された」
「でも、最近は抜けるようになったじゃん?少し心身が緩んで、自分や他人への信頼力がついてきたんだよ。
人の背骨の詰まりまで抜けるようになったしね」
「教室で古久澤先生の動きを何回も見せていただいている内に、ある日突然出来るようになった。
常に情報=氣は貰っているので、身体を練ってさえいれば、いつかは真似できるようになるということを実感。
まだ首の詰まりを抜くことは出来ないけど、遠からず出来るような氣がする」
「話を皮膚接触に戻すと、相談者さんはパートナーや家族と、日頃から十分に身体を触れ合うことだよね。
誰も居なかったら、自分で自分の皮膚に触れればいいし(笑)。
アガリ防止・回復には、呼吸も重要だよね。
人の身体は息を吐いている時はリラックスし、吸っている時は緊張するように出来ているから。
古久澤先生も、スキーの初心者時代に、いきなり高い所から滑るように言われたことがあるんだよね。
でも、当時から呼吸法を学んでいたので、『息を吸っているから怖いんだ』と氣がついた。
息を吐くことを意識したら、臆せず下まで滑れたので、教えていた人が驚いたって」
「チンパンも小学校一年生の夏まではカナヅチだった。
しかし、ある日海でアップアップやっているうちに、突然息が吐けるようになった。
その瞬間、身体がプカッと水面に浮いた。
息を吐けば、身体の力みが抜けるから当たり前。
途端に水への恐怖心がゼロになり、その夏は毎日のように海水浴を楽しんだ」
「相談者さんも、息を長く大きく吐く稽古をするといいよね。
どうせやるなら、按腹(あんぷく)しながらやるのがおススメ。
正座して膝を開き、両手の親指を除く四指を鳩尾に当てる。

そのまま息を吐きながらお辞儀すると、自分の体重で鳩尾に指先が入っていっちゃう。

息を吸いながら上体を起こして身体を反らせる。

この動作を何回か繰り返すんだよね」
「回数は、欠伸(あくび)が出るまでが目安。
欠伸とは『伸びを欠く』と書くように、短くなっていた呼吸が、欠伸をすることで長くなって行く。
だから按腹は息を長くする呼吸法でもある。
慌てる人、セカセカした人、すぐアガル人は、みんな呼吸が短くて浅い。
按腹は、古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』にも紹介されている(38~39ページ)」
「鳩尾の緊張を抜く体操として紹介されているよね。
鳩尾が緊張すると、全身が緊張しちゃうもん。病氣の人、悩みを抱えている人も、みんな鳩尾が固い」
「鳩尾が固くなると、性格も意地悪になりやすい。ストレスを他人にぶつけて、鳩尾を緩めたくなるため。
食べ過ぎも同じ理由。
按腹を毎日やっていると、頭の緊張も抜けやすくなる。チンパンも毎朝やっている。
更に『しあわせ本』にも書いてある通り、鳩尾が緊張すると、腰や下腹部が緩んでしまう。
下半身が緩むと、精神的に不安定になりやすい。
だから、周囲の状況に振り回されやすくなる」
「反対に鳩尾が虚になると、下半身が実になるから、心身共に充実するんだよね。
鳩尾を緩めると共に、足腰も練るとバッチリ。
『子ども整体』の65ページに紹介されている、合席屈伸(がっせきくっしん)もいいかも。
頭上で五指の腹同士をくっつけてドームをつくり、踵をくっつけ、足先を開いて立つ。

息を吸いながら、お尻が踵にくっつく程深く腰を落としてしゃがむ。
上半身は垂直を保って、お尻は後ろに突き出さないように注意」

「この格好は、相撲や剣道などで多用する蹲踞(そんきょ)の姿勢。
息を吐きながら膝を伸ばして、元の姿勢に戻る。
この屈伸を繰り返すことで、下半身が安定するので、上体がリラックスできる=上虚下実(じょうきょかじつ)。
重心も軸も定まってくるので、精神的にも落ち着いてくる。
もちろん、合席屈伸に限らず、四股でもいいし、3月29日に紹介した礒谷式屈伸(いそがいしきくっしん)もいい」
「基本のブリージングストレッチの下半身の体操を丁寧にやってもいいよね。
足が弱いと氣が上がって、頭が運動会の状態になっちゃうから。
お百度参りも、階段の上り下りをいっぱいやらせるから、悩みが消えちゃうもんね」
「アセリやアガリ=脳の興奮を、身体(下半身)を動かすことによって鎮めるのは、陽に対して陽をぶつける解決法。
若者が激しいスポーツや、海で遊ぶことを好むのは、余剰エネルギーを発散して落ち着きたいから」
「ちゃんと身体で分かっているってことか。
でも、年齢が上がってくると、若い時と同じようには出来ないんじゃないの?」
「ごもっとも。脳の興奮=陽に対して、陰をぶつけて中和させる方法に、だんだんシフトしていかないと行けない。
それが瞑想。
チンパンもちょうどそういう時期。ブリージングも去年のハワイセミナー以来、いよいよ瞑想を一般生徒に公開し始めた。
じっと座っている・立っていると言うのは、子どもや若者は苦手。年齢が上がった方が有利。
チンパンも正直好きじゃなかった」
「アンタ、せっかちだもんね(笑)。
激しく動かないと氣が済まないのは、食べ過ぎないと満足できないのと同じだし。
でも瞑想って、危険もあるんじゃないの?」
「もちろん。
瞑想ばっかりやっていると、妄想の世界に落ち込む可能性が高い。
だからブリージングでは、まず16時間酵素断食=朝食抜き で腸をキレイにする。
そして、体操で骨格の歪みを取る」
「歪んで汚れた身体じゃ、瞑想も病的になるもんね。
古典のヨガでは、断食とアーサナ=ポーズは不可欠だし」
「ブリージングでは瞑想を始めてからも、体操で身体を整えることは決してやめない。
いつも地(現実)に足をつけるため。
瞑想のやり方はたくさんあるけど、相談者さんには、正座での内観を薦めたい。
正座して目と口を閉じ、耳を澄ませ、自分の皮膚の内側に意識を向ける。
自分の呼吸や、心臓の鼓動、姿勢などを感じやすくなる筈。
5分間の内観を、毎日の習慣にするだけでも、落ち着きが出てくる筈」
「落ち着かないって、『じっとしていられない』ってことだもんね」
「自分の内側を観る・感じることが出来ない人は、すぐに外の情報に振り回される=自分が無いから慌てる。
日常生活でも、いままで氣づかなかった多くのことに、氣づき始める筈。
つまり、視力検査的な視力だけでなく、モノゴトの本質を観る目=観(かん)の眼が育ってくる。
氣づきが増えれば、運もよくなる」
「ブリージングストレッチで、体操の合間の内観を絶対にはずさないのは、それなしだとただのエクササイズになっちゃうかだよね。
『内観が、脳をスーパー脳に変えてくれる』って、古久澤先生はおっしゃっているよね。
でも時々、『目を閉じると、嫌なことを想い出す』って言う因果な人もいるけど(笑)」
「浮かんでくることで浄化になっているから、ただ眺めていればOK。
『長時間目を閉じていると、あまりにも辛くなる』という人は、そもそも瞑想は早いということ。
スワイショウとかをやっているのが無難。
体操の形を覚えた人は、基本のストレッチ中は目を閉じて行ってもいい。
プチ瞑想になるだけでなく、自分の身体の動きを感じる稽古にもなる。
氣功などでは、上達するほど、体内の微細な動きを感じる力が必要になるから、その準備にもなる」
「ブリージングストレッチを、ある程度やり込んだ人は、やっぱり立禅(りつぜん)?

足を肩幅に開いて立ち、手で円を描いてじっと立つ稽古」
「立禅はある時期からは必須。スワイショウはマイナスの邪氣を捨てて行く技。
それに対して立禅は、プラスの氣を充填して行く技。
できれば40分は出来た方がいい」
「スワイショウの40分よりも、立禅40分の方が全然きついよね。
動けないもん」
「身体が練れて、脳が安定してくるほどに、立禅が氣持ちよくなってくる。
古久澤先生は、
『立禅をやり込んだ者は、異様な落ち着きが出てくる』
とおっしゃっている」
「確かにピンチの時こそ、落ち着いてじっと待つことが必要だよね。
凡人は動いて二次災害を引き起こしちゃう」
「アランという西洋の哲学者は、
『我々の不幸の多くは、自分の家にじっとして居られないことから始まる』
と言っている。
立禅は無用に動じない自分を創ってくれる技」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、じっとオヤツを『待て!』するボクです。待つのは得意なんです。
あせって成功することはありません。
犬同士のケンカでも、弱い方がキャンキャン吠えます。
強い犬は黙っていて、いきなりガブッ!と行きます。
ボクは平和主義者なので、極力ケンカはしませんが(笑)。
本当の落ち着きを身に着けるために、内観・瞑想しましょう~。
つづく
つづく
1か月後に、結婚式のスピーチを控えていますが、当日絶句しないか心配です。
アガらない体操はあるでしょうか?
人と言う字を飲んでも効かない男」
「『掌に人という字を、三回書いて飲むと、アガラない』ってオマジナイは、本当に効くのかな?」
「おそらく『人を飲んでしまえ』という、『見立て』の技。
イメージのすぐれた人、言葉を技にしている人には、確かに効くと思う。
しかし、効かない人には効かない。
ある結婚式で、スピーチ役の人がこのオマジナイをやったにも関わらず、完全にアガッテしまった。
その人は、『みなさん!私は・・・、私は・・・・』と言った後、長らく沈黙した」
「ず~っと、黙ったまま?」
「ようやく言葉を発したと思ったら、『私は誰でしょう!?』と叫んだと言う」
「完全に自分を見失っているね(笑)。
アガルって、氣が上がって、自分がどこかへ行っちゃうことだもん。
応急処置としては、古久澤先生の著書『子ども整体』でも紹介されている、耳揉みがいいよね(56ページ)。
親指と人差し指で両耳の耳たぶをつかんで、上下左右に引っ張る。

次に前に後ろに、大きくゆっくりと回す。

これだけで氣が下がって、心が落ち着くもんね。どこでもすぐ出来るし。
耳は腎臓=不安・恐怖の内臓 ともつながっているし。
耳揉みで間接的に腎臓もストレッチ出来ちゃう」
「他に股関節からアプローチする方法もある。
左足が長い人は無口で、右足が長い人はおしゃべりな傾向を持つ(あくまで傾向です)」
「だったらスピーチの時なんかは、右足が長い方が有利かもね。
でも、どうやって右足を長くするの?」
「事前に別室やトイレなど、人目が無い場所へ行く。
そして左足を軸にして、右足で歩いて、その場でグルグルと回転する。
コンパスで円を描くのと同じ動き。36回転もすればいい。

これで右股関節が外に開いていくから、その分右足が長くなる。スピーチを終えるくらいまではもつ」
「う~ん、端から見ていると異様だけど(笑)、原理的には正しいよね」
「その場で足踏みするのも効く。
わざと右足を思い切り高く上げ、左足を低く上げると、右足が長くなって行く」


「ハードル走の選手は、同じ足でハードルを飛び越えるから、そっちの足がドンドン長くなって行く=歪み と同じだね」
「この修正法は、お腹の具合が悪いなどの消化器系の不調を抱える人にも有効。
婦人科系・泌尿器系の不調も同様。
咳が止まらないなど、呼吸器系・循環器系の不調を抱えた人は、左足を高くして足踏みすべし。
『子ども整体』の19ページにも書かれているけど、皮膚接触もアガリ防止・回復には重要。
パニックになった人は、自分の皮膚=身体に触れるとよい。
『私はいま、ここにいる』という自己認識力が発動するので、パニックから回復できる。
掌に人という字を書くオマジナイも、掌に触れるという意味でも役立つと思われる」
「まして、掌は内臓で言うと心臓とつながっているもんね。
皮膚感覚は、自己信頼力=自信 の養成にもつながるから、普段から皮膚接触をやっていれば、パニックに陥りにくい性格になるし」
「しかし、現代日本人は異常なほど皮膚接触を嫌う。
満員電車の中で、やれ押された、やれ肩が触れたと言ってケンカするのは異常」
「それを補うために、ブリージングの教室では、生徒同士で背中を撫で下ろしあったり、叩きあったりするもんね(基本的に同性同士で行う)。
撫でるのは陰性の刺激。皮膚を撫で下ろされると、氣も一緒に下がっちゃう。
叩くのは陽の刺激で元氣注入。
アントニオ猪木さんの闘魂注入張り手も陽性だよね(笑)」
「子どもの頃から十分なスキンシップを経験してきた人は、自分の能力を十分に発揮できる大人になる=リラックスできるから。
コミュニケーションも上手になるので、社会の中で頭角を現しやすい」
「以前は、『6歳までに皮膚感覚を開発しないと手遅れ』って言われていたけど、最近の脳科学の研究だと、大人になっても取り戻せるって証明されてきたもんね」
「チンパンもスキンシップが足りなかったのか、組手などで人の身体に触れられると、緊張するクセが長らく抜けなかった。
整体の背骨詰まり抜きの技をかけられても、無意識に固まってブロックしてしまうので、背骨の詰まりが抜けなかった。
古久澤先生からは『人を信じていないからだ』と指摘された」
「でも、最近は抜けるようになったじゃん?少し心身が緩んで、自分や他人への信頼力がついてきたんだよ。
人の背骨の詰まりまで抜けるようになったしね」
「教室で古久澤先生の動きを何回も見せていただいている内に、ある日突然出来るようになった。
常に情報=氣は貰っているので、身体を練ってさえいれば、いつかは真似できるようになるということを実感。
まだ首の詰まりを抜くことは出来ないけど、遠からず出来るような氣がする」
「話を皮膚接触に戻すと、相談者さんはパートナーや家族と、日頃から十分に身体を触れ合うことだよね。
誰も居なかったら、自分で自分の皮膚に触れればいいし(笑)。
アガリ防止・回復には、呼吸も重要だよね。
人の身体は息を吐いている時はリラックスし、吸っている時は緊張するように出来ているから。
古久澤先生も、スキーの初心者時代に、いきなり高い所から滑るように言われたことがあるんだよね。
でも、当時から呼吸法を学んでいたので、『息を吸っているから怖いんだ』と氣がついた。
息を吐くことを意識したら、臆せず下まで滑れたので、教えていた人が驚いたって」
「チンパンも小学校一年生の夏まではカナヅチだった。
しかし、ある日海でアップアップやっているうちに、突然息が吐けるようになった。
その瞬間、身体がプカッと水面に浮いた。
息を吐けば、身体の力みが抜けるから当たり前。
途端に水への恐怖心がゼロになり、その夏は毎日のように海水浴を楽しんだ」
「相談者さんも、息を長く大きく吐く稽古をするといいよね。
どうせやるなら、按腹(あんぷく)しながらやるのがおススメ。
正座して膝を開き、両手の親指を除く四指を鳩尾に当てる。

そのまま息を吐きながらお辞儀すると、自分の体重で鳩尾に指先が入っていっちゃう。

息を吸いながら上体を起こして身体を反らせる。

この動作を何回か繰り返すんだよね」
「回数は、欠伸(あくび)が出るまでが目安。
欠伸とは『伸びを欠く』と書くように、短くなっていた呼吸が、欠伸をすることで長くなって行く。
だから按腹は息を長くする呼吸法でもある。
慌てる人、セカセカした人、すぐアガル人は、みんな呼吸が短くて浅い。
按腹は、古久澤先生の著書『しあわせを引き寄せるカラダ』にも紹介されている(38~39ページ)」
「鳩尾の緊張を抜く体操として紹介されているよね。
鳩尾が緊張すると、全身が緊張しちゃうもん。病氣の人、悩みを抱えている人も、みんな鳩尾が固い」
「鳩尾が固くなると、性格も意地悪になりやすい。ストレスを他人にぶつけて、鳩尾を緩めたくなるため。
食べ過ぎも同じ理由。
按腹を毎日やっていると、頭の緊張も抜けやすくなる。チンパンも毎朝やっている。
更に『しあわせ本』にも書いてある通り、鳩尾が緊張すると、腰や下腹部が緩んでしまう。
下半身が緩むと、精神的に不安定になりやすい。
だから、周囲の状況に振り回されやすくなる」
「反対に鳩尾が虚になると、下半身が実になるから、心身共に充実するんだよね。
鳩尾を緩めると共に、足腰も練るとバッチリ。
『子ども整体』の65ページに紹介されている、合席屈伸(がっせきくっしん)もいいかも。
頭上で五指の腹同士をくっつけてドームをつくり、踵をくっつけ、足先を開いて立つ。

息を吸いながら、お尻が踵にくっつく程深く腰を落としてしゃがむ。
上半身は垂直を保って、お尻は後ろに突き出さないように注意」

「この格好は、相撲や剣道などで多用する蹲踞(そんきょ)の姿勢。
息を吐きながら膝を伸ばして、元の姿勢に戻る。
この屈伸を繰り返すことで、下半身が安定するので、上体がリラックスできる=上虚下実(じょうきょかじつ)。
重心も軸も定まってくるので、精神的にも落ち着いてくる。
もちろん、合席屈伸に限らず、四股でもいいし、3月29日に紹介した礒谷式屈伸(いそがいしきくっしん)もいい」
「基本のブリージングストレッチの下半身の体操を丁寧にやってもいいよね。
足が弱いと氣が上がって、頭が運動会の状態になっちゃうから。
お百度参りも、階段の上り下りをいっぱいやらせるから、悩みが消えちゃうもんね」
「アセリやアガリ=脳の興奮を、身体(下半身)を動かすことによって鎮めるのは、陽に対して陽をぶつける解決法。
若者が激しいスポーツや、海で遊ぶことを好むのは、余剰エネルギーを発散して落ち着きたいから」
「ちゃんと身体で分かっているってことか。
でも、年齢が上がってくると、若い時と同じようには出来ないんじゃないの?」
「ごもっとも。脳の興奮=陽に対して、陰をぶつけて中和させる方法に、だんだんシフトしていかないと行けない。
それが瞑想。
チンパンもちょうどそういう時期。ブリージングも去年のハワイセミナー以来、いよいよ瞑想を一般生徒に公開し始めた。
じっと座っている・立っていると言うのは、子どもや若者は苦手。年齢が上がった方が有利。
チンパンも正直好きじゃなかった」
「アンタ、せっかちだもんね(笑)。
激しく動かないと氣が済まないのは、食べ過ぎないと満足できないのと同じだし。
でも瞑想って、危険もあるんじゃないの?」
「もちろん。
瞑想ばっかりやっていると、妄想の世界に落ち込む可能性が高い。
だからブリージングでは、まず16時間酵素断食=朝食抜き で腸をキレイにする。
そして、体操で骨格の歪みを取る」
「歪んで汚れた身体じゃ、瞑想も病的になるもんね。
古典のヨガでは、断食とアーサナ=ポーズは不可欠だし」
「ブリージングでは瞑想を始めてからも、体操で身体を整えることは決してやめない。
いつも地(現実)に足をつけるため。
瞑想のやり方はたくさんあるけど、相談者さんには、正座での内観を薦めたい。
正座して目と口を閉じ、耳を澄ませ、自分の皮膚の内側に意識を向ける。
自分の呼吸や、心臓の鼓動、姿勢などを感じやすくなる筈。
5分間の内観を、毎日の習慣にするだけでも、落ち着きが出てくる筈」
「落ち着かないって、『じっとしていられない』ってことだもんね」
「自分の内側を観る・感じることが出来ない人は、すぐに外の情報に振り回される=自分が無いから慌てる。
日常生活でも、いままで氣づかなかった多くのことに、氣づき始める筈。
つまり、視力検査的な視力だけでなく、モノゴトの本質を観る目=観(かん)の眼が育ってくる。
氣づきが増えれば、運もよくなる」
「ブリージングストレッチで、体操の合間の内観を絶対にはずさないのは、それなしだとただのエクササイズになっちゃうかだよね。
『内観が、脳をスーパー脳に変えてくれる』って、古久澤先生はおっしゃっているよね。
でも時々、『目を閉じると、嫌なことを想い出す』って言う因果な人もいるけど(笑)」
「浮かんでくることで浄化になっているから、ただ眺めていればOK。
『長時間目を閉じていると、あまりにも辛くなる』という人は、そもそも瞑想は早いということ。
スワイショウとかをやっているのが無難。
体操の形を覚えた人は、基本のストレッチ中は目を閉じて行ってもいい。
プチ瞑想になるだけでなく、自分の身体の動きを感じる稽古にもなる。
氣功などでは、上達するほど、体内の微細な動きを感じる力が必要になるから、その準備にもなる」
「ブリージングストレッチを、ある程度やり込んだ人は、やっぱり立禅(りつぜん)?

足を肩幅に開いて立ち、手で円を描いてじっと立つ稽古」
「立禅はある時期からは必須。スワイショウはマイナスの邪氣を捨てて行く技。
それに対して立禅は、プラスの氣を充填して行く技。
できれば40分は出来た方がいい」
「スワイショウの40分よりも、立禅40分の方が全然きついよね。
動けないもん」
「身体が練れて、脳が安定してくるほどに、立禅が氣持ちよくなってくる。
古久澤先生は、
『立禅をやり込んだ者は、異様な落ち着きが出てくる』
とおっしゃっている」
「確かにピンチの時こそ、落ち着いてじっと待つことが必要だよね。
凡人は動いて二次災害を引き起こしちゃう」
「アランという西洋の哲学者は、
『我々の不幸の多くは、自分の家にじっとして居られないことから始まる』
と言っている。
立禅は無用に動じない自分を創ってくれる技」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、じっとオヤツを『待て!』するボクです。待つのは得意なんです。
あせって成功することはありません。
犬同士のケンカでも、弱い方がキャンキャン吠えます。
強い犬は黙っていて、いきなりガブッ!と行きます。
ボクは平和主義者なので、極力ケンカはしませんが(笑)。
本当の落ち着きを身に着けるために、内観・瞑想しましょう~。
つづく
つづく
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