地=現実に足を着ければ、しあわせになれる。
- 2015/03/29
- 08:00
「長年胃腸の不調に悩んでいましたが、『しあわせを引き寄せるカラダ』の19ページに紹介されていた、『屈伸体操』を習慣にしたら、とても具合が良くなりました。
ひ弱な私ですが、屈伸がすごく氣持ちよく、いつの間にやら30分くらいこなせるようになりました。
もっと体力をつけたいので、より詳しいやり方を教えてください。
草食系男子からの脱出」
「『しあわせ本』に紹介された屈伸体操は、足の左右差を矯正する屈伸だよね。
ほとんどの人は、足の長さに左右差があり、左足が長い人は下半身が捻じれるから、消化器系・婦人科系・泌尿器系など=お腹の不調が出やすい。
右足が長い人は、上半身が捻じれるから、呼吸器系や循環器系などの=胸の不調が出やすいんだよね」
「足の脚長差の簡単な判定法も、『しあわせ本』の17ページに書いてある。
左右の腋下に同時に体温計をはさんで、体温が低い側が足が短い」
「足が短いってことは、緊張して縮んでいるってことだもんね。当然血行も悪いから、体温が低くなっちゃう。
目を閉じてその場で50回くらい足踏みしても分かるよね。右にずれた人は右足が短い。
長い側の足は、オーバーに言うと股関節が亜脱臼を起こしているから不安定。
だから短い脚側が重心脚になっちゃう。
普段は脳が補正してくれるけど、眼をつぶると補正が効かなくなるから、だんだん重心側脚側に位置がずれるってわけ」
「短い足が分かったら、足を腰幅に開いて短い足を半歩前に出す。
短い足側は骨盤が後ろに引けているので、これで屈伸すると修正になる。
まず膝を軽く曲げて垂直にしゃがむ。無理に深くしゃがむ必要はなく、自然に沈むところまでで可。

地面から反動が返ってくるので、その勢いで伸びあがる。

伸びきった瞬間に脱力すると、下から上に力が突きぬけて、背骨が心地よく振動する」
「『しあわせ本』には、10回くらいから始めて、最終的には100回くらい出来るといいって書いてあるけど、あくまで初心者向けの回数だよね。
慣れたら千回、万回単位で出来るようになっちゃうもんね。リズミカルにやれば、1時間半で1万回くらい?
相談者さんだって30分ってことは、3000回以上は余裕でやってる筈だよ」
「ブリージングでは、足だけは鍛えることを重視する。
足腰は全ての土台だから。まず上体を支える『物質的な土台』である」
「『地に足をつける』って言うように、足腰は『精神的な土台』でもあるよね。
大きなことばっかり言っても、足腰が弱い人は、実行が伴わないし。
足腰をいっぱい使うだけで、氣が下がって心が安定することも多いもんね」
「脚足は露出した内臓でもある。太腿の前側が消化、内側が排尿、外側が排便、裏側が発汗のライン。
つまり、足腰は『生命の土台』とも言える。
更に、氣功で言う氣=エネルギーは、内腿の間にしか溜められない。
だから、足腰は『エネルギーの土台』でもある」
「他にも、お金を『おあし』とも言うように、足は『経済活動・お金の土台』とも言えるかも?
足が弱ると、金運も落ちるじゃん?」
「運と言えば、足という字をひっくり返して分解すると、『人を占う』と読める。
だから、足は『運命の土台』とも観れる。実際に足は人の運命を乗せて運んでいく存在。
他にもいくらでも理屈はつけられるけど、とにかく足腰を整え・鍛えることは重要。
いっそうの体質改善を願う相談者さんは、屈伸体操をもっとシビアな形で行っていくといいと思う。
『しあわせ本』はページ数の制限もあるので、屈伸体操のやり方も、かなり簡略化して紹介されている。
ブリージングの屈伸体操は、色んなメソッドを参考にして創られているが、礒谷式(いそがいしき)整体の影響も大きい」
「礒谷式は、股関節を矯正=脚長差を解消 することで、万病を治そうとする整体。
古久澤先生は、礒谷式も深く勉強されたもんね」
「礒谷式では、矯正した股関節=骨格をキープする筋肉を育てるために、必ず屈伸をやらせる。
ブリージングでも、礒谷式屈伸がメソッドの中に入っている。
もちろん、ブリージング独自の考え方でブレンドされているので、そのまんまじゃない面もあるけれど。
以下に紹介するやり方も、当然ブリージング化された礒谷式屈伸なので、ご承知おきいただきたい。
まず足をピッタリくっつけて立ち、短い側の足先を半歩前に出す(短い側が分からない場合は、足先をそろえる)」
「ひもで輪っかをつくって=肩幅よりやや短い位置が目安、背中側で腕に通すんだよね。


タスキを締めたときのように、肩甲骨が締まって、胸が開くから。
この姿勢を取るだけで、女性はバストアップ効果が期待できるし、男性も胸郭が発達するんだよね。

両掌は仙骨に当てちゃう」
「手頃なひもが無かったら、ネクタイでもOK。あるいはひも無しで同じ腕・手の形を取る。
その姿勢で膝を曲げて上体を沈めると、股関節=骨に体重が乗る。

床から戻ってきた反動に乗って、伸びあがる。この動きを延々と繰り返す」

「屈伸を繰り返すうちに、股関節で地面を捉える感覚が養われていくもんね。
しかも、股関節の歪みも矯正されて行くし。
伸びあがるときに、足裏から背骨を伝って、百会に『ビヨヨ~ン!』って力が抜けて行くから、背骨の詰まり・歪みも解消されて行くもんね」
「沈むときに仙骨が少し緩み、伸びあがるときに締まる。
この屈伸を繰り返すことで、仙骨を締める力も養われていく。つまり、元氣の源である下丹田が開発されていく。
胸が開くので、感情の座である中丹田も開発される。
胸が開くと胸腺も活性化して、免疫力がアップする。
呼吸も深まって、体温が上がる。
更に、足裏からの振動が突きぬけて行くことで、首から眉間にかけての上丹田=知性の座 も刺激される。
頸椎の歪みも整って行けば、上丹田にも好影響を与える」
「だからと言って、首だけ意識的に激しく動かすのは不可だよね。氣が上がっちゃうから。
あくまで全身の連動で首が揺れるようにしなきゃダメ。
とにかく、この屈伸で下から三つの丹田を、同時に活性化できるってことだよね。
正中線も整っちゃうし」
「柱や棒などの手頃な縦軸があったら、そこに自分の中心軸・正中線を重ねると意識してやると更に良い。
正中線や中心軸の意識が養われる。
天地の間を自分の重心が上下するような感覚が出てくると、自然に身体が動くようになって、やめたくなくなる。
スワイショウでずっと手を振り続けたくなるのと似ている。
礒谷式屈伸が、ブリージングに導入されたのは10年近く前。
その少し前は、古久澤先生の呼びかけで、有志が胴体力メソッドの鉄球屈伸(てっきゅうくっしん)をやっていた。
実は、ブリージングの上級クラス=凛風会(りんぷうかい)の始まりは、この鉄球稽古会だった」
「鉄球って、重さ3キロの手榴弾みたいな形をした鉄の球でしょ?
それを振る重みを利用して屈伸することで、『股関節の捉え』を養うんだよね」
「鉄球屈伸は週1回しか行えなかったけれど、参加者の身体・動きは目に見えて変わって行った。
氣功にしても、動きの質を高める稽古にしても、自分より圧倒的に上手な人と一緒にやることが大切。
しかし、半年ほど経って、諸事情から鉄球屈伸は中止になった。
参加者の多くは、まだまだ身体が歪んでいたため、そのまま続行すると故障のリスクがあったのも、理由のひとつ」
「鉄球って重いから、膝や首を痛める危険性があるもんね」
「代わりに礒谷式屈伸が紹介された。もともと患者の矯正用の屈伸なので、リスクが少ないし、整えながら鍛えて行ける。
まずは礒谷式をやり込もうという運びになり、やがては一般クラスでも取り入れられた。
身体の不調を感じたら屈伸!悩んだら屈伸!と言う具合に、屈伸を強調された年もあったほど。
しかし、チンパンも含めて、古久澤先生が期待したレベルで取り組む生徒が誰も居なかったため(笑)、先生も余り言わなくなった」
「古久澤先生は、おひとりで礒谷式屈伸をやり込んだ訳か。
なんでチンパン君はやらなかったの?」
「価値が分からなかったからとしか言えない。全然礒谷式屈伸をやらなかった訳じゃないけど、ノルマ的にやっていた。
正直『もっと鉄球屈伸がやりたいよ』と思っていた。
自分ひとりで一年間、毎日30分鉄球屈伸をやっていた時期もある。
特に故障はしなかったけど、上達もしなかった。やはり自分より上手な人とやらないと無駄になると思い知らされた。
鉄球屈伸はそれだけ難しいものだともいえる。
礒谷式屈伸の氣持ちよさが分かってきたのは、実はつい最近。
伸びあがるときに、ビヨヨ~ン!と正中線が通る感じですごく氣持ちよくなった。
軸が通った状態で立禅を組んだり、逆立ちすると、ますます氣持ちいい」
「教えを受け取れるのに10年かかったって訳か。
身体が練られていないと、いくら良い情報をもらっても、役に立てられんってことだね。
10年かかって、やっとそこまで身体が追いついたってことかも?」
「そのとおり(笑)。だから、その時の自分のレベルで、教わったことを評価してはいけない=中途で評価するな。
礒谷式をやった後に、少し鉄球屈伸をやると、明らかに感覚が違う。
股関節に乗る感覚が少し出てきて、身体が弾むようになってくる。
鉄球はやや前傾して沈むので、重心移動がつかみにくい。
礒谷式は真下に沈むので、重心をキャッチしやすい。
重い鉄球を持つだけで、上体が緊張しやすいが、何も持たない礒谷式は、リラックスして内部感覚を追うことに専念しやすい。
しばらく鉄球を振っていて感覚がアイマイになってくると、また礒谷式屈伸に戻って修正するという具合に稽古すると、なかなか良い感じになる」
「礒谷式屈伸は、数がやれる点もいいよね。
創始者の礒谷公良(いそがいきみよし)先生は、患者さんにも『毎日1~2万回屈伸しなさい』って指示したそうだから。
数だけ効くとビックリしちゃうけど、体力が無い人でも出来るように工夫された運動だとも言えるかも」
「そのとおり。ブリージングメソッドにはもっとハードな屈伸もたくさんある。
しかし、1回やったら筋肉痛になって、しばらくお休みしますじゃ、意味がない。
物足りないくらいの刺激・きつさで、毎日無理なく続けた方が、結局足腰は強くなりやすい」
「ウサギとカメだよね。
相談者さんは、礒谷式屈伸と、スワイショウを毎日やると、かなり身体が良くなるよね」
古久澤先生のメルマガとブログには、一生ものの教えが満載。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「おそらく屈伸もスワイショウも、ルーツは同じ稽古法だったと思う。
昔の武道は、重い剣や棒の素振りをやって鍛えた。
正中線に沿って振り下ろすことで、中心軸が出来ることはもちろん、股関節の捉えもよくなったことであろう。
史実かどうか知らないけど、『風雲児たち』(みなもと太郎)という歴史マンガに、坂本竜馬の剣術修行のエピソードが出てくる」
「坂本竜馬は剣術がすごく強かったそうだもんね。どんな修行をしたの?」
「15歳の歳に竜馬は地元・土佐の道場に入門した。
先生は、竜馬に重い木刀を与え、毎日5千回の素振りを命じた。
他の道場生は、防具と竹刀で毎日立ち合いの稽古をやっているのに、竜馬は一人だけ素振り。
最初は木刀に振り回されていたが、10日たつと木刀がすっぽ抜けなくなり、1か月たつと足元がふらつかなくなった。
3か月後には上体が安定し、半年後には木刀の切っ先が泳がなくなった。
1年後には竜馬は木刀を自由自在に振り回すようになった。
先生は竜馬に初めて立ち合い稽古を許した。相手はいきなり師範代クラス」
「その結果は?」
「竜馬は一撃で師範代クラスをのばしてしまった。道場生たちはどよめいたが、竜馬本人が一番驚いていた。
毎日5千回の素振り稽古は、竜馬の身体をすっかり作り変えていたのだった」
「『振る』稽古って、モノゴトを根っ子から変える力を持っているんだね。
日本古来の健康法も、身体を振る技が多いし。
仕事でも業績が振るわない って言うよね。振っていれば、モノゴトは結構うまく行っちゃう」
「鉄球屈伸も、木刀を振る稽古と、原理的には非常に似ていると思う。
スワイショウは、自分の両手を木刀の代わりに振る。
腕を振るたびに、重心も前後に微妙に変化するので、スワイショウには何氣に屈伸の要素も入っている」
「立禅になると、手に何も持たないどころか、動くことさえしなくなるよね。
両手で円を描いて、じっと立つだけ」
「しかし、立禅はイメージ=意念(いねん)の中では、モノを持っているような感覚・触覚をリアルに持つ。
ある流派では、『立禅では、モノを持つまでは動くな』と教える。
手にモノを持つ感覚がリアルに出来て初めて、次の段階=動く稽古に入っていく」
「チンパン君は稽古・学びを通して、以上のように考えがまとまって来たって訳だね。
確かに頭の中がスッキリしたかも?
まあ、相談者さんも、読者のみなさんの多くも、ここまでマニアックな話は求めてないかも知れないけど(笑)」
「たまには語らせてくれ(笑)。
相談者さんは、まず礒谷式屈伸をやり込んで欲しい。鉄球も木刀も振る必要なし(笑)」
「アマゾンで礒谷式の本も買えるから、読むと参考になるかも~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真はボクの足裏のアップです。肉球が目立ちますね~。
犬は四足なので、人間と同じような土踏まずのアーチがありません。
指先と肉球部を地面につけて、体重を支えています。
人間にも、せっかくの土踏まずを活かさない人が居るのは、本当に勿体ないと思います。
土踏まずに限らず、足には人を良くする秘密がたくさんあります。
話は全然変わりますが、ふぐじろう先生はボクの肉球フェチなので、毎日触ってプニュプニュした感触を楽しんでいます(笑)。
ペットにも色んなお勤めがあるんですよ~。
(つづく)
ひ弱な私ですが、屈伸がすごく氣持ちよく、いつの間にやら30分くらいこなせるようになりました。
もっと体力をつけたいので、より詳しいやり方を教えてください。
草食系男子からの脱出」
「『しあわせ本』に紹介された屈伸体操は、足の左右差を矯正する屈伸だよね。
ほとんどの人は、足の長さに左右差があり、左足が長い人は下半身が捻じれるから、消化器系・婦人科系・泌尿器系など=お腹の不調が出やすい。
右足が長い人は、上半身が捻じれるから、呼吸器系や循環器系などの=胸の不調が出やすいんだよね」
「足の脚長差の簡単な判定法も、『しあわせ本』の17ページに書いてある。
左右の腋下に同時に体温計をはさんで、体温が低い側が足が短い」
「足が短いってことは、緊張して縮んでいるってことだもんね。当然血行も悪いから、体温が低くなっちゃう。
目を閉じてその場で50回くらい足踏みしても分かるよね。右にずれた人は右足が短い。
長い側の足は、オーバーに言うと股関節が亜脱臼を起こしているから不安定。
だから短い脚側が重心脚になっちゃう。
普段は脳が補正してくれるけど、眼をつぶると補正が効かなくなるから、だんだん重心側脚側に位置がずれるってわけ」
「短い足が分かったら、足を腰幅に開いて短い足を半歩前に出す。
短い足側は骨盤が後ろに引けているので、これで屈伸すると修正になる。
まず膝を軽く曲げて垂直にしゃがむ。無理に深くしゃがむ必要はなく、自然に沈むところまでで可。

地面から反動が返ってくるので、その勢いで伸びあがる。

伸びきった瞬間に脱力すると、下から上に力が突きぬけて、背骨が心地よく振動する」
「『しあわせ本』には、10回くらいから始めて、最終的には100回くらい出来るといいって書いてあるけど、あくまで初心者向けの回数だよね。
慣れたら千回、万回単位で出来るようになっちゃうもんね。リズミカルにやれば、1時間半で1万回くらい?
相談者さんだって30分ってことは、3000回以上は余裕でやってる筈だよ」
「ブリージングでは、足だけは鍛えることを重視する。
足腰は全ての土台だから。まず上体を支える『物質的な土台』である」
「『地に足をつける』って言うように、足腰は『精神的な土台』でもあるよね。
大きなことばっかり言っても、足腰が弱い人は、実行が伴わないし。
足腰をいっぱい使うだけで、氣が下がって心が安定することも多いもんね」
「脚足は露出した内臓でもある。太腿の前側が消化、内側が排尿、外側が排便、裏側が発汗のライン。
つまり、足腰は『生命の土台』とも言える。
更に、氣功で言う氣=エネルギーは、内腿の間にしか溜められない。
だから、足腰は『エネルギーの土台』でもある」
「他にも、お金を『おあし』とも言うように、足は『経済活動・お金の土台』とも言えるかも?
足が弱ると、金運も落ちるじゃん?」
「運と言えば、足という字をひっくり返して分解すると、『人を占う』と読める。
だから、足は『運命の土台』とも観れる。実際に足は人の運命を乗せて運んでいく存在。
他にもいくらでも理屈はつけられるけど、とにかく足腰を整え・鍛えることは重要。
いっそうの体質改善を願う相談者さんは、屈伸体操をもっとシビアな形で行っていくといいと思う。
『しあわせ本』はページ数の制限もあるので、屈伸体操のやり方も、かなり簡略化して紹介されている。
ブリージングの屈伸体操は、色んなメソッドを参考にして創られているが、礒谷式(いそがいしき)整体の影響も大きい」
「礒谷式は、股関節を矯正=脚長差を解消 することで、万病を治そうとする整体。
古久澤先生は、礒谷式も深く勉強されたもんね」
「礒谷式では、矯正した股関節=骨格をキープする筋肉を育てるために、必ず屈伸をやらせる。
ブリージングでも、礒谷式屈伸がメソッドの中に入っている。
もちろん、ブリージング独自の考え方でブレンドされているので、そのまんまじゃない面もあるけれど。
以下に紹介するやり方も、当然ブリージング化された礒谷式屈伸なので、ご承知おきいただきたい。
まず足をピッタリくっつけて立ち、短い側の足先を半歩前に出す(短い側が分からない場合は、足先をそろえる)」
「ひもで輪っかをつくって=肩幅よりやや短い位置が目安、背中側で腕に通すんだよね。


タスキを締めたときのように、肩甲骨が締まって、胸が開くから。
この姿勢を取るだけで、女性はバストアップ効果が期待できるし、男性も胸郭が発達するんだよね。

両掌は仙骨に当てちゃう」
「手頃なひもが無かったら、ネクタイでもOK。あるいはひも無しで同じ腕・手の形を取る。
その姿勢で膝を曲げて上体を沈めると、股関節=骨に体重が乗る。

床から戻ってきた反動に乗って、伸びあがる。この動きを延々と繰り返す」

「屈伸を繰り返すうちに、股関節で地面を捉える感覚が養われていくもんね。
しかも、股関節の歪みも矯正されて行くし。
伸びあがるときに、足裏から背骨を伝って、百会に『ビヨヨ~ン!』って力が抜けて行くから、背骨の詰まり・歪みも解消されて行くもんね」
「沈むときに仙骨が少し緩み、伸びあがるときに締まる。
この屈伸を繰り返すことで、仙骨を締める力も養われていく。つまり、元氣の源である下丹田が開発されていく。
胸が開くので、感情の座である中丹田も開発される。
胸が開くと胸腺も活性化して、免疫力がアップする。
呼吸も深まって、体温が上がる。
更に、足裏からの振動が突きぬけて行くことで、首から眉間にかけての上丹田=知性の座 も刺激される。
頸椎の歪みも整って行けば、上丹田にも好影響を与える」
「だからと言って、首だけ意識的に激しく動かすのは不可だよね。氣が上がっちゃうから。
あくまで全身の連動で首が揺れるようにしなきゃダメ。
とにかく、この屈伸で下から三つの丹田を、同時に活性化できるってことだよね。
正中線も整っちゃうし」
「柱や棒などの手頃な縦軸があったら、そこに自分の中心軸・正中線を重ねると意識してやると更に良い。
正中線や中心軸の意識が養われる。
天地の間を自分の重心が上下するような感覚が出てくると、自然に身体が動くようになって、やめたくなくなる。
スワイショウでずっと手を振り続けたくなるのと似ている。
礒谷式屈伸が、ブリージングに導入されたのは10年近く前。
その少し前は、古久澤先生の呼びかけで、有志が胴体力メソッドの鉄球屈伸(てっきゅうくっしん)をやっていた。
実は、ブリージングの上級クラス=凛風会(りんぷうかい)の始まりは、この鉄球稽古会だった」
「鉄球って、重さ3キロの手榴弾みたいな形をした鉄の球でしょ?
それを振る重みを利用して屈伸することで、『股関節の捉え』を養うんだよね」
「鉄球屈伸は週1回しか行えなかったけれど、参加者の身体・動きは目に見えて変わって行った。
氣功にしても、動きの質を高める稽古にしても、自分より圧倒的に上手な人と一緒にやることが大切。
しかし、半年ほど経って、諸事情から鉄球屈伸は中止になった。
参加者の多くは、まだまだ身体が歪んでいたため、そのまま続行すると故障のリスクがあったのも、理由のひとつ」
「鉄球って重いから、膝や首を痛める危険性があるもんね」
「代わりに礒谷式屈伸が紹介された。もともと患者の矯正用の屈伸なので、リスクが少ないし、整えながら鍛えて行ける。
まずは礒谷式をやり込もうという運びになり、やがては一般クラスでも取り入れられた。
身体の不調を感じたら屈伸!悩んだら屈伸!と言う具合に、屈伸を強調された年もあったほど。
しかし、チンパンも含めて、古久澤先生が期待したレベルで取り組む生徒が誰も居なかったため(笑)、先生も余り言わなくなった」
「古久澤先生は、おひとりで礒谷式屈伸をやり込んだ訳か。
なんでチンパン君はやらなかったの?」
「価値が分からなかったからとしか言えない。全然礒谷式屈伸をやらなかった訳じゃないけど、ノルマ的にやっていた。
正直『もっと鉄球屈伸がやりたいよ』と思っていた。
自分ひとりで一年間、毎日30分鉄球屈伸をやっていた時期もある。
特に故障はしなかったけど、上達もしなかった。やはり自分より上手な人とやらないと無駄になると思い知らされた。
鉄球屈伸はそれだけ難しいものだともいえる。
礒谷式屈伸の氣持ちよさが分かってきたのは、実はつい最近。
伸びあがるときに、ビヨヨ~ン!と正中線が通る感じですごく氣持ちよくなった。
軸が通った状態で立禅を組んだり、逆立ちすると、ますます氣持ちいい」
「教えを受け取れるのに10年かかったって訳か。
身体が練られていないと、いくら良い情報をもらっても、役に立てられんってことだね。
10年かかって、やっとそこまで身体が追いついたってことかも?」
「そのとおり(笑)。だから、その時の自分のレベルで、教わったことを評価してはいけない=中途で評価するな。
礒谷式をやった後に、少し鉄球屈伸をやると、明らかに感覚が違う。
股関節に乗る感覚が少し出てきて、身体が弾むようになってくる。
鉄球はやや前傾して沈むので、重心移動がつかみにくい。
礒谷式は真下に沈むので、重心をキャッチしやすい。
重い鉄球を持つだけで、上体が緊張しやすいが、何も持たない礒谷式は、リラックスして内部感覚を追うことに専念しやすい。
しばらく鉄球を振っていて感覚がアイマイになってくると、また礒谷式屈伸に戻って修正するという具合に稽古すると、なかなか良い感じになる」
「礒谷式屈伸は、数がやれる点もいいよね。
創始者の礒谷公良(いそがいきみよし)先生は、患者さんにも『毎日1~2万回屈伸しなさい』って指示したそうだから。
数だけ効くとビックリしちゃうけど、体力が無い人でも出来るように工夫された運動だとも言えるかも」
「そのとおり。ブリージングメソッドにはもっとハードな屈伸もたくさんある。
しかし、1回やったら筋肉痛になって、しばらくお休みしますじゃ、意味がない。
物足りないくらいの刺激・きつさで、毎日無理なく続けた方が、結局足腰は強くなりやすい」
「ウサギとカメだよね。
相談者さんは、礒谷式屈伸と、スワイショウを毎日やると、かなり身体が良くなるよね」
古久澤先生のメルマガとブログには、一生ものの教えが満載。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
「おそらく屈伸もスワイショウも、ルーツは同じ稽古法だったと思う。
昔の武道は、重い剣や棒の素振りをやって鍛えた。
正中線に沿って振り下ろすことで、中心軸が出来ることはもちろん、股関節の捉えもよくなったことであろう。
史実かどうか知らないけど、『風雲児たち』(みなもと太郎)という歴史マンガに、坂本竜馬の剣術修行のエピソードが出てくる」
「坂本竜馬は剣術がすごく強かったそうだもんね。どんな修行をしたの?」
「15歳の歳に竜馬は地元・土佐の道場に入門した。
先生は、竜馬に重い木刀を与え、毎日5千回の素振りを命じた。
他の道場生は、防具と竹刀で毎日立ち合いの稽古をやっているのに、竜馬は一人だけ素振り。
最初は木刀に振り回されていたが、10日たつと木刀がすっぽ抜けなくなり、1か月たつと足元がふらつかなくなった。
3か月後には上体が安定し、半年後には木刀の切っ先が泳がなくなった。
1年後には竜馬は木刀を自由自在に振り回すようになった。
先生は竜馬に初めて立ち合い稽古を許した。相手はいきなり師範代クラス」
「その結果は?」
「竜馬は一撃で師範代クラスをのばしてしまった。道場生たちはどよめいたが、竜馬本人が一番驚いていた。
毎日5千回の素振り稽古は、竜馬の身体をすっかり作り変えていたのだった」
「『振る』稽古って、モノゴトを根っ子から変える力を持っているんだね。
日本古来の健康法も、身体を振る技が多いし。
仕事でも業績が振るわない って言うよね。振っていれば、モノゴトは結構うまく行っちゃう」
「鉄球屈伸も、木刀を振る稽古と、原理的には非常に似ていると思う。
スワイショウは、自分の両手を木刀の代わりに振る。
腕を振るたびに、重心も前後に微妙に変化するので、スワイショウには何氣に屈伸の要素も入っている」
「立禅になると、手に何も持たないどころか、動くことさえしなくなるよね。
両手で円を描いて、じっと立つだけ」
「しかし、立禅はイメージ=意念(いねん)の中では、モノを持っているような感覚・触覚をリアルに持つ。
ある流派では、『立禅では、モノを持つまでは動くな』と教える。
手にモノを持つ感覚がリアルに出来て初めて、次の段階=動く稽古に入っていく」
「チンパン君は稽古・学びを通して、以上のように考えがまとまって来たって訳だね。
確かに頭の中がスッキリしたかも?
まあ、相談者さんも、読者のみなさんの多くも、ここまでマニアックな話は求めてないかも知れないけど(笑)」
「たまには語らせてくれ(笑)。
相談者さんは、まず礒谷式屈伸をやり込んで欲しい。鉄球も木刀も振る必要なし(笑)」
「アマゾンで礒谷式の本も買えるから、読むと参考になるかも~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真はボクの足裏のアップです。肉球が目立ちますね~。
犬は四足なので、人間と同じような土踏まずのアーチがありません。
指先と肉球部を地面につけて、体重を支えています。
人間にも、せっかくの土踏まずを活かさない人が居るのは、本当に勿体ないと思います。
土踏まずに限らず、足には人を良くする秘密がたくさんあります。
話は全然変わりますが、ふぐじろう先生はボクの肉球フェチなので、毎日触ってプニュプニュした感触を楽しんでいます(笑)。
ペットにも色んなお勤めがあるんですよ~。
(つづく)
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