「とらわれない」ことが、成功の秘訣
- 2015/01/25
- 08:00
「最近入会した会員です。
教室で教わる内容には満足していますが、ひとつだけ『?』の部分があります。
それはモノゴトに、『かたよらない こだわらない とらわれない』ことを薦めている点です。
でも、こだわりって、そんなに悪いものでしょうか?
私は仕事や生き方に、自分なりの『こだわり』を持つのは、良いことだと思うんですが・・・・・。
こだわりたい女」
「確かに、『シェフの、こだわりの一品』がウリの飲食店とかあるよね。
必ずしも、『こだわり』は悪いものとは言えないかも」
「全ては条件次第。そのシェフの腕が良かったら、『こだわりの一品』は、確かに逸品なのだろう。
お客さんも喜んで食べに来るであろう。
一方、未熟なシェフの『こだわり』は、ただの『ひとりよがり』である場合がほとんど。
当然、お客は来ない。
他の例に置き換えても、同じこと」
「そうか。上達の構造=守破離(しゅ・は・り)に当てはめれば、分かる話だよね。
型にはまって、徹底的にマネするうちに=守、やがて自分なりの工夫が出てきて=破、最後は自分なりのオリジナルの境地に達する=離。
離の段階に至った人の『こだわり』は、立派な<個性>だけど、まだ守の段階の人の場合は、ただの『クセ』。
多くの他人から受け入れられるか否かが、個性とクセの違いだよね」
「守の段階で、こだわりとか、自分流を出すのは有害。クセがついて上達の妨げになるだけ。
相談者さんも、教室でみんなが手の体操をやっているのに、『こだわり』を発揮して、自分ひとりだけ足の体操をやってはいない筈(笑)」
「それだったら、教室に通う意味が無いもんね(笑)」
「もちろんブリージングでは、型にはまると言っても、指導員の形を、パーフェクトに真似することを要求してはいない」
「そこが、バレーなどと違う点だよね。
生徒はみんな身体の固さが違うから、自分が氣持ちよく感じられる範囲で、筋肉を伸ばせばいいもんね」
「そういう意味では、見た目の形に『とらわれるな』『こだわるな』と言うこと。
基本クラスでは、形=<許容範囲>の中で、『自由に』『自分らしく』動けばいい。
どれだけキレイに形が取れたかよりも、体操の後に呼吸が深まったか?身体が暖かくなったか?などの内部の変化が重要」
「強引に筋肉を伸ばして、無理に正しい形を取っても、後でかえって筋肉が縮んじゃう。
見た目だけに『かたよって』いると、失敗するってことか。
『かたよらない とらわれない こだわらない』って言葉はシンプルだけど、深い意味があるんだね」
古久澤先生のメルマガとブログには、学びの秘訣が満載。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
ブログ「青い空と碧い海」
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のメルマガとブログはこちらです。
メルマガ「小顔なんて簡単!」
ブログ「ふぐじろうのブリージングストレッチ日記」
ブリージング指導員・鷲沢(わしざわ)先生主催の、『ひまわりストレッチ』では、基本のストレッチ=クリーニング体操を丁寧に勉強します。
「かたより・とらわれ・こだわり」を捨てるのにも役立ちます。
会場:竹ノ塚地域学習センター(足立区竹の塚2-25-17)。
次回は平成27年2月11日(水)の午後2時半~4時から教室が開催されます。
問い合わせ先メルアドはこちらです。
himawari.stretch@gmail.com
チンパンもお手伝いとして参加しております。
ぜひ、足立区でお会いしましょう~。
「ブリージングで重視している古典『易経(えききょう)』にも、『こだわり』について書かれている。
冒頭の『乾為天(けんいてん)』=龍になぞらえた成長物語では、『確固として抜くべからざるは、潜龍(せんりゅう)の志だ』と書いてある」
「潜龍は、淵に潜んだ幼い龍。世間のことは何も知らないけど、知らないからこそ、大きな志を持つことが出来る。
その潜龍の志には、こだわり抜いて、決して捨てちゃいけないって教えだよね。
でも、次の段階の見龍(けんりゅう)になったら、『徹底的にマネしろ』って易経は言ってる。私なりのこだわりなんか不要」
「それはさっきの守破離の教えとも通じる。
同時に行き詰った時の指針にもなり得る。根底の大きな志=目標は常に確固として保持する。そこはテキトーであってはいけない。
しかし、その志を実現するための手段は、柔軟・テキトーに変えて行っても構わない。
『東京から大阪に行くんだ』という意志・方向性さえ明確だったら、電車・車・飛行機・船など、どんな交通手段を使ったって、必ず大阪に着けるようなもの」
「大きな志へのこだわりがある人ほど、かえって目先のことには柔軟に変えられるんだろうね。
重箱の隅をつつくようなことに、異常にこだわる人は、意外と根本=自分は何をやりたいのか?がカラッポってことなのかも」
「脳のとらわれや、こだわりは、手指の固さになって表れる」
「手は脳と直結しているもんね。だから手指の体操をすれば、脳もだんだん柔軟になって行く理屈。
四つんばいの手指反らしがいいよね。手の指股を思いっきり広げて、指先を自分の方に向けて床につける。

反対側の手で、指の付け根を抑えて、息を吐きながらお尻を後ろに引いていく。


出来たら押さえる指の肘が、床に着くぐらい反らせる(決して無理しないでください)」
「専門用語では、指を思い切り開くことを全開掌(ぜんかいしょう)と言う。
武道や整体では、全開掌がどれくらい出来るかで、技の冴えが違ってくるほど重要」
「色んなモノを脳にため込んでいる人ほど、指が固くなるもんね。
逆に言えば、体操で手指を柔らかくすれば、脳のゴミが消えて行っちゃう。
普通は、この体操は右手がやりづらいよね。右手は左脳=理屈。現代日本人は、左脳ばっかり使っているから、右手が固くなりやすい。
それに右手は肝臓。現代日本人は毎日過食しているから、肝臓はオーバーワークで疲れているし。
指股の固さは、内臓の疲労をそのまま表すもんね」
「次に、お尻を前に戻して、掌を床に着けたら、再びお尻を後方へ引く。
掌と前腕が刺激される。手指に溜まった脳のゴミは、更に前腕に溜まっていく。

だから大人の前腕はこちこち。この筋肉=屈筋(くっきん)は胸までつながっている。
放っておくと、胸全体が固くなって、呼吸も浅く・固くなる。
そして掌は心臓。掌にある労宮(ろうきゅう)のツボも刺激される。
体操で脳のゴミ、不要なこだわりやとらわれが捨てられていくと、自由になれる。新しい世界へ進んで行ける。
間抜けなサルを捕まえる罠があるという。ヒョウタンの中にエサを入れておくと、サルは手を突っ込む。
するとエサを握っているから、手が抜けなくなって、そのままつかまってしまう」
「エサを離しちゃえば、簡単にヒョウタンから手が抜けるのにね(笑)。
チンパン君みたいなおサルさんだね」
「・・・・・・確かにチンパンにも、まだ捨てきれない『とらわれ』や負の感情が、残っている」
「アンタ、結構しつこいもんね(笑)。
スピ的に言うと、チンパン君は水曜日生まれだから、『水に流す・許す』ことを学ぶのが、人生の課題なんでしょ?
生まれたのも、海=水の近くだし」
「まあ、稽古するしかないね~。
労宮を刺激する組手もある。パートナーは正座して、受け手の掌を太腿に乗せる。
受け手は掌を水をすくうような形にすると、掌の真ん中に窪みが出来る。その窪みの中心が労宮。
パートナーは、窪みの中心部に、親指の腹を重ねて当てる。そのまま徐々に体重をかけて7秒間静止。
重みで労宮のツボが刺激される」

「じわ~っ!と氣持ちよくなるよね。
労宮のツボは、氣の入力にも、出力にも深く関わる重要なツボ。『かたより こだわり とらわれ』を捨てるにも役立つしね」
「左右の労宮は、左右の足裏=土踏まずの、湧泉(ゆうせん)と並んで、健康法のポイントとなるツボでもある。
この4つのツボは、生きている人間なら、誰でも開いている。
人によって、開き具合に差があるだけ。体操や組手で開いていくほど、人生全般が好転して行く」
「身体って本当に明確だもんね。体操を知らない世間の人たちは、どうやって『かたより とらわれ こだわり』を処理しているんだろう?
一生振り回されっぱなし?それとも時間が解決してくれるのを待つしかないの?」
「一流と呼ばれる人たちは、色々工夫しているようだ。元プロ野球監督の、故・川上監督の座禅は有名」
「川上監督って、昭和40年代に巨人軍を9連覇させた名将だよね。
選手時代も、『打撃の神様』って言われたほどの名選手だったんでしょ?
全盛期には、『ボールが止まって見えた』って伝説があるくらいだもんね」
「選手時代の川上は、練習の虫だったが、ワンマンな一面もあった。
試合前の打撃練習を、半分以上独り占めして打ち続けたほど。
川上にしてみれば、『俺が打たなきゃチームは勝てない。打撃練習を独占するのは当然のことだ』であった」
「他のナインは、正直面白くなかっただろうけど、結果を出されたら、文句は言えないもんね」
「しかし引退後、監督に任命された川上は、『自分の考え方は、一選手としてのかたよったものだった』と反省した」
「確かに監督は、もっと大局に立って、チーム全体を見渡さなきゃ、人がついて来ないよね。
それで座禅?」
「禅寺では、選手時代の名声など関係なく、一修行者として厳しく扱われた。
『この経験が、自分の心の垢を落としてくれた』と川上は語っている。
色んなモノを手放すことで、川上は指導者としての大きな器を手に入れた」
「そこからV9の快進撃が始まる訳だね。
『名選手必ずしも名監督ならず』って格言は、自分の成功体験に『とらわれ、こだわって』後輩にも、そのまま押し付けようとすることへの警告だよね」
「健康法の指導者も同じ。自分の体質・体験だけをベースにメソッドを創ると、自分と合わない体質の生徒には効かない。
むしろ造病法になる場合さえある。
こうした失敗をしなかった川上監督は、やはり偉大だった。
巨人が常勝軍団になってからも、シーズンオフには、必ずお寺にこもって座禅を組んだと言う」
「やっぱり野球のため?」
「もちろん。
プロ野球はどのチームも毎年人材を補強しているし、勝つために研究してくる。つまり、毎年違うチームへと進化している。
『去年はこうやって優勝したから、同じように戦えば勝てるだろう』と思っていたら失敗する。
毎年新しい別のチームと戦うんだという頭で居ないといけない。シーズンオフ中の座禅は、過去のデータへの『とらわれ』を捨てるために、非常に役立ったとのこと」
「とらわれや、こだわりが失敗の原因になるのは、スポーツの世界に限らないよね。
仕事だって、先入観や思い込みに捉われると、失敗するもんね」
「その通り。『かたよらない とらわれない こだわらない』=『先入観なしに、ありのままに事実を観なさい』と言うこと。
つまり、科学的にモノゴトを観なさいと言っているのと同じこと。
去年、細胞研究がねつ造疑惑で大問題になった。IPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中教授は、『ああいうフライングは、研究者の世界では、常に起こりうること』だと言っている。
山中教授自身、大発見をした!と有頂天になったら、すぐに間違いだと分かって、奈落の底に叩きつけられるような体験を何度もしたと言う」
「IPS細胞の発見って、確か学生が『こんな実験結果が出ました』って報告してきたのが、キッカケになったんでしょ?」
「山中教授は、その学生に『これは何かの間違いだ』と、徹底的に追試を命じた。
しかし、数限りなく検証を重ねても、とうとう実験結果は覆らなかった。それがノーベル賞受賞につながった。
山中教授の<大発見>の中で、間違いじゃなかったのはそれ一回きりだとのこと」
「何十年間の研究生活でたった一つ!でも研究ってそう言うものかも」
「研究者は、みんな成功したいに決まっている。『こうあって欲しい』と言う願望が、いつしか『こうに違いない』と言う思い込みにすり替わってしまう」
「熱烈な片思いに似ているね。我が強い人ほど危険かも」
「『肩肘張る』と言うように、肩に我は出る。頑固な人、思い込みの激しい人ほど、いかり肩になっている。
肩の体操をして、なで肩になるほど、不要な我や思い込みが消えて行く」
「本当に、全部身体に出るんだね」
「とらわれや、こだわりを捨てる体操は、たくさんあるけど、特に股関節は『排泄』にも重要な関節。
最後に股関節の体操を紹介。
軽く開脚する。固い人は90度程度でOK。

上体を左手で支えて、胴体を左に捻じる。右の甲が床に着くほど大きく捻じる。
右手は右の骨盤に当てて、捻りを補助。

重心が左の股関節にかかって、右の股関節は内旋(ないせん)=内側に捻じれる している」
「右足はミゾオチから伸ばされるから、お腹のインナーマッスル・腸腰筋(ちょうようきん)も刺激されるよね。
右股関節は伸展もしているから、詰まりも取れちゃうし」
「左股関節は外旋(がいせん)=外側に捻じられている しているけれど、床でブロックされるので、それ以上動けない。
同じように右にも捻じる。

立ち上がると、武道の逆突きや、ボクシングのストレートの時の下半身そのもの。

だから、この体操をたくさんやると、逆突きやパンチも強くなる。
上の写真は、まだ完全に重心が前足に乗り切れていないし、上体もぎこちないけど、モデルは武道未経験者なので、そこはご勘弁を」
「健康法的には、股関節の詰まりが取れると、排便もよくなるしね。
股関節周辺の鼠径リンパの流れも良くなって、内腿の排尿ラインも刺激されるから、いっぱいデトックスできちゃう」
「『アシカのポーズ』もいい。
正座から両手を床について上体を支え、右足を後ろに伸ばす=股関節を伸展。
左足の踵を、右足の付け根=股関節に当てる。背筋は出来るだけ伸ばして上半身を起こす。


体重で踵が食い込むので、右股関節の詰まりが解消されていく。
次にお尻を右に倒すと、右足が鳩尾から伸びて、右の腸腰筋と腸が刺激される。
排便ラインである、左のお尻も刺激される。

数回この動きを繰り返したら、上体を起こして、左の肩越しに左足の爪先を見る。

その状態で左右に身体を小さく揺らす」
「他にも、股関節の体操はたくさんあるよね。
いよいよ2月は養生合宿。いっぱいデトックスして、2月4日=本当のお正月から、2015年のスタートを切りたいね~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、テニスボールを噛んで遊んでいるボクです。お氣に入りのお遊びなんですよ~。
ボールをかじっては転がし、また捉えてかじる。捉えないとボールをつかまえられないけど、かじったままだと遊びはそこでオシマイ。『捉える』と『とらわれる』の違いですね。
捉えとは集中のこと。でも集中しっぱなしで対象から離れられなくなると『執着』になります。不幸のもとです。
フォーカスすることも、離れることも、自在な心身を持ちたいものです。
では、また来週~。カジカジ・・・・。
つづく
教室で教わる内容には満足していますが、ひとつだけ『?』の部分があります。
それはモノゴトに、『かたよらない こだわらない とらわれない』ことを薦めている点です。
でも、こだわりって、そんなに悪いものでしょうか?
私は仕事や生き方に、自分なりの『こだわり』を持つのは、良いことだと思うんですが・・・・・。
こだわりたい女」
「確かに、『シェフの、こだわりの一品』がウリの飲食店とかあるよね。
必ずしも、『こだわり』は悪いものとは言えないかも」
「全ては条件次第。そのシェフの腕が良かったら、『こだわりの一品』は、確かに逸品なのだろう。
お客さんも喜んで食べに来るであろう。
一方、未熟なシェフの『こだわり』は、ただの『ひとりよがり』である場合がほとんど。
当然、お客は来ない。
他の例に置き換えても、同じこと」
「そうか。上達の構造=守破離(しゅ・は・り)に当てはめれば、分かる話だよね。
型にはまって、徹底的にマネするうちに=守、やがて自分なりの工夫が出てきて=破、最後は自分なりのオリジナルの境地に達する=離。
離の段階に至った人の『こだわり』は、立派な<個性>だけど、まだ守の段階の人の場合は、ただの『クセ』。
多くの他人から受け入れられるか否かが、個性とクセの違いだよね」
「守の段階で、こだわりとか、自分流を出すのは有害。クセがついて上達の妨げになるだけ。
相談者さんも、教室でみんなが手の体操をやっているのに、『こだわり』を発揮して、自分ひとりだけ足の体操をやってはいない筈(笑)」
「それだったら、教室に通う意味が無いもんね(笑)」
「もちろんブリージングでは、型にはまると言っても、指導員の形を、パーフェクトに真似することを要求してはいない」
「そこが、バレーなどと違う点だよね。
生徒はみんな身体の固さが違うから、自分が氣持ちよく感じられる範囲で、筋肉を伸ばせばいいもんね」
「そういう意味では、見た目の形に『とらわれるな』『こだわるな』と言うこと。
基本クラスでは、形=<許容範囲>の中で、『自由に』『自分らしく』動けばいい。
どれだけキレイに形が取れたかよりも、体操の後に呼吸が深まったか?身体が暖かくなったか?などの内部の変化が重要」
「強引に筋肉を伸ばして、無理に正しい形を取っても、後でかえって筋肉が縮んじゃう。
見た目だけに『かたよって』いると、失敗するってことか。
『かたよらない とらわれない こだわらない』って言葉はシンプルだけど、深い意味があるんだね」
古久澤先生のメルマガとブログには、学びの秘訣が満載。
「呼吸で人生をストレッチする!」
「夢をかなえる心のストレッチ」
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ブリージング指導員・鷲沢(わしざわ)先生主催の、『ひまわりストレッチ』では、基本のストレッチ=クリーニング体操を丁寧に勉強します。
「かたより・とらわれ・こだわり」を捨てるのにも役立ちます。
会場:竹ノ塚地域学習センター(足立区竹の塚2-25-17)。
次回は平成27年2月11日(水)の午後2時半~4時から教室が開催されます。
問い合わせ先メルアドはこちらです。
himawari.stretch@gmail.com
チンパンもお手伝いとして参加しております。
ぜひ、足立区でお会いしましょう~。
「ブリージングで重視している古典『易経(えききょう)』にも、『こだわり』について書かれている。
冒頭の『乾為天(けんいてん)』=龍になぞらえた成長物語では、『確固として抜くべからざるは、潜龍(せんりゅう)の志だ』と書いてある」
「潜龍は、淵に潜んだ幼い龍。世間のことは何も知らないけど、知らないからこそ、大きな志を持つことが出来る。
その潜龍の志には、こだわり抜いて、決して捨てちゃいけないって教えだよね。
でも、次の段階の見龍(けんりゅう)になったら、『徹底的にマネしろ』って易経は言ってる。私なりのこだわりなんか不要」
「それはさっきの守破離の教えとも通じる。
同時に行き詰った時の指針にもなり得る。根底の大きな志=目標は常に確固として保持する。そこはテキトーであってはいけない。
しかし、その志を実現するための手段は、柔軟・テキトーに変えて行っても構わない。
『東京から大阪に行くんだ』という意志・方向性さえ明確だったら、電車・車・飛行機・船など、どんな交通手段を使ったって、必ず大阪に着けるようなもの」
「大きな志へのこだわりがある人ほど、かえって目先のことには柔軟に変えられるんだろうね。
重箱の隅をつつくようなことに、異常にこだわる人は、意外と根本=自分は何をやりたいのか?がカラッポってことなのかも」
「脳のとらわれや、こだわりは、手指の固さになって表れる」
「手は脳と直結しているもんね。だから手指の体操をすれば、脳もだんだん柔軟になって行く理屈。
四つんばいの手指反らしがいいよね。手の指股を思いっきり広げて、指先を自分の方に向けて床につける。

反対側の手で、指の付け根を抑えて、息を吐きながらお尻を後ろに引いていく。


出来たら押さえる指の肘が、床に着くぐらい反らせる(決して無理しないでください)」
「専門用語では、指を思い切り開くことを全開掌(ぜんかいしょう)と言う。
武道や整体では、全開掌がどれくらい出来るかで、技の冴えが違ってくるほど重要」
「色んなモノを脳にため込んでいる人ほど、指が固くなるもんね。
逆に言えば、体操で手指を柔らかくすれば、脳のゴミが消えて行っちゃう。
普通は、この体操は右手がやりづらいよね。右手は左脳=理屈。現代日本人は、左脳ばっかり使っているから、右手が固くなりやすい。
それに右手は肝臓。現代日本人は毎日過食しているから、肝臓はオーバーワークで疲れているし。
指股の固さは、内臓の疲労をそのまま表すもんね」
「次に、お尻を前に戻して、掌を床に着けたら、再びお尻を後方へ引く。
掌と前腕が刺激される。手指に溜まった脳のゴミは、更に前腕に溜まっていく。

だから大人の前腕はこちこち。この筋肉=屈筋(くっきん)は胸までつながっている。
放っておくと、胸全体が固くなって、呼吸も浅く・固くなる。
そして掌は心臓。掌にある労宮(ろうきゅう)のツボも刺激される。
体操で脳のゴミ、不要なこだわりやとらわれが捨てられていくと、自由になれる。新しい世界へ進んで行ける。
間抜けなサルを捕まえる罠があるという。ヒョウタンの中にエサを入れておくと、サルは手を突っ込む。
するとエサを握っているから、手が抜けなくなって、そのままつかまってしまう」
「エサを離しちゃえば、簡単にヒョウタンから手が抜けるのにね(笑)。
チンパン君みたいなおサルさんだね」
「・・・・・・確かにチンパンにも、まだ捨てきれない『とらわれ』や負の感情が、残っている」
「アンタ、結構しつこいもんね(笑)。
スピ的に言うと、チンパン君は水曜日生まれだから、『水に流す・許す』ことを学ぶのが、人生の課題なんでしょ?
生まれたのも、海=水の近くだし」
「まあ、稽古するしかないね~。
労宮を刺激する組手もある。パートナーは正座して、受け手の掌を太腿に乗せる。
受け手は掌を水をすくうような形にすると、掌の真ん中に窪みが出来る。その窪みの中心が労宮。
パートナーは、窪みの中心部に、親指の腹を重ねて当てる。そのまま徐々に体重をかけて7秒間静止。
重みで労宮のツボが刺激される」

「じわ~っ!と氣持ちよくなるよね。
労宮のツボは、氣の入力にも、出力にも深く関わる重要なツボ。『かたより こだわり とらわれ』を捨てるにも役立つしね」
「左右の労宮は、左右の足裏=土踏まずの、湧泉(ゆうせん)と並んで、健康法のポイントとなるツボでもある。
この4つのツボは、生きている人間なら、誰でも開いている。
人によって、開き具合に差があるだけ。体操や組手で開いていくほど、人生全般が好転して行く」
「身体って本当に明確だもんね。体操を知らない世間の人たちは、どうやって『かたより とらわれ こだわり』を処理しているんだろう?
一生振り回されっぱなし?それとも時間が解決してくれるのを待つしかないの?」
「一流と呼ばれる人たちは、色々工夫しているようだ。元プロ野球監督の、故・川上監督の座禅は有名」
「川上監督って、昭和40年代に巨人軍を9連覇させた名将だよね。
選手時代も、『打撃の神様』って言われたほどの名選手だったんでしょ?
全盛期には、『ボールが止まって見えた』って伝説があるくらいだもんね」
「選手時代の川上は、練習の虫だったが、ワンマンな一面もあった。
試合前の打撃練習を、半分以上独り占めして打ち続けたほど。
川上にしてみれば、『俺が打たなきゃチームは勝てない。打撃練習を独占するのは当然のことだ』であった」
「他のナインは、正直面白くなかっただろうけど、結果を出されたら、文句は言えないもんね」
「しかし引退後、監督に任命された川上は、『自分の考え方は、一選手としてのかたよったものだった』と反省した」
「確かに監督は、もっと大局に立って、チーム全体を見渡さなきゃ、人がついて来ないよね。
それで座禅?」
「禅寺では、選手時代の名声など関係なく、一修行者として厳しく扱われた。
『この経験が、自分の心の垢を落としてくれた』と川上は語っている。
色んなモノを手放すことで、川上は指導者としての大きな器を手に入れた」
「そこからV9の快進撃が始まる訳だね。
『名選手必ずしも名監督ならず』って格言は、自分の成功体験に『とらわれ、こだわって』後輩にも、そのまま押し付けようとすることへの警告だよね」
「健康法の指導者も同じ。自分の体質・体験だけをベースにメソッドを創ると、自分と合わない体質の生徒には効かない。
むしろ造病法になる場合さえある。
こうした失敗をしなかった川上監督は、やはり偉大だった。
巨人が常勝軍団になってからも、シーズンオフには、必ずお寺にこもって座禅を組んだと言う」
「やっぱり野球のため?」
「もちろん。
プロ野球はどのチームも毎年人材を補強しているし、勝つために研究してくる。つまり、毎年違うチームへと進化している。
『去年はこうやって優勝したから、同じように戦えば勝てるだろう』と思っていたら失敗する。
毎年新しい別のチームと戦うんだという頭で居ないといけない。シーズンオフ中の座禅は、過去のデータへの『とらわれ』を捨てるために、非常に役立ったとのこと」
「とらわれや、こだわりが失敗の原因になるのは、スポーツの世界に限らないよね。
仕事だって、先入観や思い込みに捉われると、失敗するもんね」
「その通り。『かたよらない とらわれない こだわらない』=『先入観なしに、ありのままに事実を観なさい』と言うこと。
つまり、科学的にモノゴトを観なさいと言っているのと同じこと。
去年、細胞研究がねつ造疑惑で大問題になった。IPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中教授は、『ああいうフライングは、研究者の世界では、常に起こりうること』だと言っている。
山中教授自身、大発見をした!と有頂天になったら、すぐに間違いだと分かって、奈落の底に叩きつけられるような体験を何度もしたと言う」
「IPS細胞の発見って、確か学生が『こんな実験結果が出ました』って報告してきたのが、キッカケになったんでしょ?」
「山中教授は、その学生に『これは何かの間違いだ』と、徹底的に追試を命じた。
しかし、数限りなく検証を重ねても、とうとう実験結果は覆らなかった。それがノーベル賞受賞につながった。
山中教授の<大発見>の中で、間違いじゃなかったのはそれ一回きりだとのこと」
「何十年間の研究生活でたった一つ!でも研究ってそう言うものかも」
「研究者は、みんな成功したいに決まっている。『こうあって欲しい』と言う願望が、いつしか『こうに違いない』と言う思い込みにすり替わってしまう」
「熱烈な片思いに似ているね。我が強い人ほど危険かも」
「『肩肘張る』と言うように、肩に我は出る。頑固な人、思い込みの激しい人ほど、いかり肩になっている。
肩の体操をして、なで肩になるほど、不要な我や思い込みが消えて行く」
「本当に、全部身体に出るんだね」
「とらわれや、こだわりを捨てる体操は、たくさんあるけど、特に股関節は『排泄』にも重要な関節。
最後に股関節の体操を紹介。
軽く開脚する。固い人は90度程度でOK。

上体を左手で支えて、胴体を左に捻じる。右の甲が床に着くほど大きく捻じる。
右手は右の骨盤に当てて、捻りを補助。

重心が左の股関節にかかって、右の股関節は内旋(ないせん)=内側に捻じれる している」
「右足はミゾオチから伸ばされるから、お腹のインナーマッスル・腸腰筋(ちょうようきん)も刺激されるよね。
右股関節は伸展もしているから、詰まりも取れちゃうし」
「左股関節は外旋(がいせん)=外側に捻じられている しているけれど、床でブロックされるので、それ以上動けない。
同じように右にも捻じる。

立ち上がると、武道の逆突きや、ボクシングのストレートの時の下半身そのもの。

だから、この体操をたくさんやると、逆突きやパンチも強くなる。
上の写真は、まだ完全に重心が前足に乗り切れていないし、上体もぎこちないけど、モデルは武道未経験者なので、そこはご勘弁を」
「健康法的には、股関節の詰まりが取れると、排便もよくなるしね。
股関節周辺の鼠径リンパの流れも良くなって、内腿の排尿ラインも刺激されるから、いっぱいデトックスできちゃう」
「『アシカのポーズ』もいい。
正座から両手を床について上体を支え、右足を後ろに伸ばす=股関節を伸展。
左足の踵を、右足の付け根=股関節に当てる。背筋は出来るだけ伸ばして上半身を起こす。


体重で踵が食い込むので、右股関節の詰まりが解消されていく。
次にお尻を右に倒すと、右足が鳩尾から伸びて、右の腸腰筋と腸が刺激される。
排便ラインである、左のお尻も刺激される。

数回この動きを繰り返したら、上体を起こして、左の肩越しに左足の爪先を見る。

その状態で左右に身体を小さく揺らす」
「他にも、股関節の体操はたくさんあるよね。
いよいよ2月は養生合宿。いっぱいデトックスして、2月4日=本当のお正月から、2015年のスタートを切りたいね~」
(虎徹のワン!ポイントコメント)
ブリージングスタッフ・ふぐじろう先生のペットの虎徹です~。

写真は、テニスボールを噛んで遊んでいるボクです。お氣に入りのお遊びなんですよ~。
ボールをかじっては転がし、また捉えてかじる。捉えないとボールをつかまえられないけど、かじったままだと遊びはそこでオシマイ。『捉える』と『とらわれる』の違いですね。
捉えとは集中のこと。でも集中しっぱなしで対象から離れられなくなると『執着』になります。不幸のもとです。
フォーカスすることも、離れることも、自在な心身を持ちたいものです。
では、また来週~。カジカジ・・・・。
つづく
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